アレルギー疾患医療拠点病院、指定の動きが本格化 厚労省も予算などで後押し

ナースぷらす 編集部からのコメント

アレルギー疾患が増加傾向にあるいま、質の高い看護を受けられる環境が求められています。静岡県や愛知県を筆頭に、アレルギー疾患医療拠点を指定する動きが本格化しており、拠点病院では重症・難治性アレルギー疾患患者に対する診断や治療を担うほか、地域の病院や診療所からの紹介・逆紹介を行うこととしています。

静岡県が公表したアレルギー疾患医療拠点病院の指定に関する資料

アレルギー疾患医療拠点病院を指定する動きが本格化している。専門的な知識・技能を持つ医師が偏在している地域があるため、拠点病院で重症・難治性アレルギー疾患の診断・治療を行うことに加え、人材育成や一般病院・診療所との連携体制を構築する狙いがある。厚生労働省は、2019年度予算の概算要求で対策費用の増額を要望したほか、医療機能情報提供制度の「病院の機能分類」に拠点病院を追加する案を示しており、診療体制の拡充や患者の利便性の向上を図る方針だ。【新井哉】


■拠点病院の研究活動を支援、患者の実態を把握へ


県民が県内どこでも適切な医療を受けることができるよう、拠点病院を指定した―。静岡県は1日、アレルギー疾患医療拠点病院を指定したことを明らかにした。拠点病院では、重症・難治性アレルギー疾患患者に対する診断や治療、管理を担うほか、地域の病院・診療所からの紹介・逆紹介などを行う。


アレルギー疾患を巡っては、厚労省が17年3月に示したアレルギー疾患対策基本指針で、専門的な知識・技能を持つ医師が偏在していることなどに触れ、地域間で医療提供体制に格差があることを指摘。アレルギー疾患に関する医療全体の質などを向上させる必要性を挙げていた。


同県は、厚労省の基本指針などを踏まえ、3月に策定した保健医療計画(18―23年度)に拠点病院を設置する方向性を明記。患者の実態を把握するため、拠点病院や地域の協力医療機関を中心とした研究活動を支援するとしていた。


県が指定したのは、▽国際医療福祉大熱海病院(熱海市)▽順天堂大医学部附属静岡病院(伊豆の国市)▽県立総合病院(静岡市葵区)▽県立こども病院(同葵区)▽静岡済生会総合病院(同駿河区)▽浜松医科大医学部附属病院(浜松市東区)▽浜松医療センター(同中区)―の7施設。


拠点病院の役割として、診断や治療に加え、県が委託する患者向けの講習会や相談会の実施、アレルギー疾患の実態把握の調査・分析などを挙げている。


■愛知県が6施設指定、診療連携体制の検討も


愛知県も1日、▽名古屋大医学部附属病院(名古屋市昭和区)▽名古屋市立大病院(同瑞穂区)▽藤田医科大ばんたね病院(同中川区)▽藤田医科大病院(豊明市)▽愛知医科大病院(長久手市)▽あいち小児保健医療総合センター(大府市)―の6施設を指定した。


今後、拠点病院や医師会、市町村、患者家族会などで構成する「県アレルギー疾患医療連絡協議会」を設置し、拠点病院を中心とする診療連携体制の在り方を検討するなどアレルギー疾患対策の推進を図る方針だ。


厚労省も拠点病院の整備を後押ししている。「リウマチ・アレルギー対策」に関する19年度予算の概算要求について、前年度比3.8億円増の10.6億円を要望。都市部や地方の「好事例」になりそうな病院を選定して支援する「拠点病院モデル事業」を前年度に引き続き行う予定。


また、9月12日に開かれた「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」の会合で、医療機能情報提供制度について、新たに追加・修正などを検討する項目案を提示。患者の利便性などに対応する必要性を挙げ、「病院の機能分類」に拠点病院を追加する方向性を示している。


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