コラム 坂口千絵の幸せ看護師のつくりかた

看護師を辞めたいと感じる瞬間は? 本音アンケートや対策を紹介

第82回目

ハードな業務や精神的なストレスから、「看護師を辞めたい」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。今回は、他の看護師がどんなときに「辞めたい」と感じているのか、そう感じたときに乗り越えるための対処法などをご紹介します。

看護師を辞めたいと感じる理由と対処方法

理由その1「収入が低い」

「労働の割に見合った収入が得られない」「ボーナスが十分に支給されず、家計が苦しい」などの不満を持つ看護師は多いです。収入を増やすためには、「夜勤や休日出勤の回数を増やす」などの方法もありますが、プライベートな時間が削られたり、体力がもたず、かえって辞めたい気持ちが強くなることも。

また、「今より給料が高いところに転職を」と安易に考えることもおすすめできません。無理に収入を得ようとするのではなく、まずは家庭の固定費などの見直しをして、支出を抑えることをおすすめします。

理由その2「人間関係」

職場での人間関係の悩みでとくに多いのは「上司のパワハラ」です。
また、人間関係のトラブルは、看護師間だけの問題ではありません。「院長が横柄で、次々と無理な仕事を押しつけてくる」など、多職種との人間関係が原因で辞めたい気持ちになる場合もあります。

大事なのは過度にへりくだらないこと。相手のご機嫌をうかがったり、ビクビクと怯えるような態度をしていたりすると、支配関係を助長する場合があります。

理由その3「休暇が取りづらい」

人員不足で休暇が取りづらいことに理不尽さを感じ、辞めたいという思いが頭をよぎる看護師も少なくありません。
他の人を優先していつも我慢していると、知らない間にストレスが蓄積しやすいもの。ときには自分の希望を通すべく交渉してみましょう。

お一人で悩まず、看護師専任のキャリアアドバイザーに相談してみませんか?

看護師に聞いてみた! 辞めたいと感じる瞬間は?

では、現場で働く看護師は実際にどんな瞬間に「辞めたい」と感じているのでしょうか? 看護師同士匿名で話せるコミュニティアプリ「カンゴトーク」が、看護師を対象に実施したアンケートでは、こんな結果になりました。

Q1.業務の中で辞めたいと感じる瞬間は?

アンケート:「看護師を辞めたいと感じる瞬間は?」のグラフ

  • 第1位 インシデントなどミスをしたとき(39.6%)
  • 第2位 医療者間でトラブルが発生したとき(26.7%)
  • 第3位 すごく忙しかった勤務後(16.5%)
  • 第4位 その他(9.3%)
  • 第5位 患者とトラブルを起こしたとき(8.0%)

ミスやトラブル、あるいは患者からのクレームなど、突発的なアクシデントが発生したときに「看護師を辞めたい」と強く感じやすい傾向にあります。

膨大な量の業務をこなせないときや、知識不足を実感したのをきっかけに「私は看護師に向いてない……」と自信を喪失し、「辞めたい」という思いにかられる方も非常に多いです。

また、転職した方の「看護師を辞めたい理由」もさまざま。私のところにも、転職した方がよくお悩み相談に来られます。私が聞いた声の一部をご紹介します。

【老人福祉施設などの仕事に転職した看護師の辞めたい理由】

  • 「医者が常駐していないので夜勤での自己判断が怖い」
  • 「オンコールがプレッシャー」
  • 「病院より給料が安い」

など

【保育園や乳児院での仕事に転職した看護師の辞めたい理由】

  • 「保育士や保護者との関係がうまくいかない」
  • 「看護師としての自分は必要ないのでは……と感じる」

など

【特色が大きく異なる仕事に転職した看護師の辞めたい理由】

※急性期から回復期リハビリ、回復期から終末期の緩和ケア病棟など、

  • 「以前の病棟に比べてマンネリで刺激がない」
  • 「死と向き合うのが想像以上につらく、自分の心の冷ややかさや汚い部分がイヤになる」

など

【病院から美容外科、検診センターなど、これまでと異なる分野の環境に転職した看護師の辞めたい理由】

  • 「看護師としてやりがいがない」
  • 「採血の腕は磨かれるが新しい学びが得られにくい」
  • 「思っていたよりも業務が多い」

など

【眼科や精神科での仕事に転職した看護師の辞めたい理由】

  • 「看護師のスキルを活かす場面がほとんどない」
  • 「患者の暴言や暴力に耐えられない」

など

お一人で悩まず、看護師専任のキャリアアドバイザーに相談してみませんか?

看護師に聞いてみた! 辞めたいと思ったのはいつ頃?

では、看護師を辞めたいと一番強く思ったのはいつ頃なのでしょうか。アンケートではこのような結果になりました。

Q2.看護師を一番辞めたいと思ったのはいつ頃?

アンケート:「看護師を一番辞めたいと思ったのはいつ頃?」のグラフ

  • 第1位 1年目(48.7%)
  • 第2位 2年目~3年目(27.1%)
  • 第3位 5年目~10年目(11.3%)
  • 第4位 その他(8.3%)
  • 第5位 10年目以降(4.5%)

※2020年12月、看護師708人を対象に実施

第1位は新人として働く1年目でした。この時期は、多岐にわたる知識や技術の習得、社会人としてのマナーなど覚えることがもりだくさん。緊張感が強かったり、リアリティショックに苦しんだりする看護師が多いのが実状です。

第2位の「2年目~3年目」はリーダーやプリセプターなど、新たな仕事を任せられたときに辞めたいと感じる人が多い傾向にあります。

また、30代後半~40代前半にかけ、体力的な面も考慮し、老健や特養、老人ホームへの転職、あるいは訪問看護などへシフトする看護師も多く見られます。

看護師さん向けコミュニティアプリ『カンゴトーク』

看護師同士、匿名で質問・相談・回答ができるコミュニティアプリ。

求人検索/無料セミナー動画配信/業界ニュース、その他占いやアンケートなどのエンタメコンテンツも充実!

ぜひダウンロードしてね♪

看護師を辞める前に考えてほしいこと

後悔のもとになりやすいのが「勢いにまかせて仕事を辞めること」です。
ミスやクレームなど、予期せぬ事態が起こり、感情が不安定になったときに「もう看護師の仕事なんて辞めたい」と強く思うのは無理もありません。ですが、一時の感情の揺れで決断をすると、判断を見誤りやすくなることを肝に銘じておきましょう。
このようなときは決断ではなく、自分のメンタルを整えることを優先してください。

また、「看護師を辞めたいけど、この選択が正しいのか不安」と悩む場合は、一人で考えこまず、転職サービスの担当者など、第三者からアドバイスをもらうのもいいでしょう。メリットとデメリットを考慮しつつ、新しい環境で働くことを検討するのもひとつの方法ですよ。

それでも不安が消えないときは…看護師専任のキャリアアドバイザーに相談してみませんか?

 

坂口 千絵(さかぐち ちえ)

プロフィール

坂口 千絵(さかぐち ちえ)

看護師/カウンセラー/ライフコーチ/セミナー講師/WEBライター

看護師、教育・指導サポート歴25年以上。コーチング、カウンセングなどの個人セッション実績豊富。2019年、「サポート職に携わる人のサポートに徹する」ことを決断し、25年間の看護師人生に幕を下ろす。
家族の死、最愛の夫の病死を通じ、死生観について学んだ経験をもとに、魂の望みを叶えながら、周りの人の幸せもしっかりとサポートしたい人に向け、オンライン講座を提供。セッションは「とにかく話しやすい」「具体的でわかりやすい」と好評。
直観力を駆使したセッションが大好評にて、続々と全国から受講生が集まっている。

HP:https://peraichi.com/landing_pages/view/yokubara717

この著者の記事一覧

コラム 幸せ看護師のつくりかた ほかの記事も読む

  1. 第82回 看護師を辞めたいと感じる瞬間は? 本音アンケートや対策を紹介
  2. 第81回 理想の看護師像をアンケート調査! 小論文や面接対策もご紹介
  3. 第80回 看護師がストレスを感じる原因と、発散・マネジメントの方法
  4. 第79回 患者さんからの質問にうまく答えられず悩んでいる方へ
  5. 第78回 未来に絶望的になっているあなたに伝えたいこと
  6. 第77回 目標を立てたのに行動できないのはなぜ?落ち込んだ時の対処法
  7. 第75回 他人のせいにする指導者に怒りを感じる方へのアドバイス
  8. 第76回 患者さんの異常を見逃さない方法とは
  9. 第73回 人に振り回されないための3つのポイントとは?
  10. 第74回 働き続けることが急に不安になったあなたへ
  11. 第70回 新型コロナウイルス感染リスクへの不安と心の葛藤への対処法とは?
  12. 第72回 陰口や悪口がイヤで仕事を辞めたいあなたへ
  13. 第71回 どうしても新人に勉強してもらいたいときは…
  14. 第69回 インシデント・アクシデントを極力減らす方法とは
  15. 第68回 看護師の仕事ができるための「最低条件」とは
  16. 第67回 看護師のリーダー業務のコツ。辛いと感じる人には「○○力」が必要
  17. 第64回 保健師・助産師になりたいあなたへのアドバイス
  18. 第66回 「点滴あるある」に気をつけよう
  19. 第63回 看護師になりたいあなたへのアドバイス
  20. 第65回 信頼されるリーダーになるためのコミュニケーションのポイントとは
  21. 第61回 「看護師、辞めたら? 」と言われてつらいあなたへ
  22. 第60回 結婚や出産を焦っているときに知っておきたいこと
  23. 第62回 5年後・10年後……自分のキャリアをどうすればいい?
  24. 第59回 自分の判断に自信がないときの考え方
  25. 第58回 看護師のグリーフケア(遺族への精神的支援)について
  26. 第57回 新人看護師さんに知ってほしい5つのエール
  27. 第54回 「自分嫌い」を克服する思考の習慣
  28. 第56回 新しい職場になじめるか不安な看護師さんへ
  29. 第55回 ネガティブって、本当に悪いことなの?
  30. 第53回 片づけがスイスイ進む思考法
  31. 第52回 批判されたら、変わらなければいけない?
  32. 第51回 理想の結果を手に入れるよりも大切なこと
  33. 第50回 自信がもてないあなたへのアドバイス
  34. 第49回 やる気がないスタッフとの向き合い方
  35. 第48回 やる気がでないときの対処方法
  36. 第47回 こんな考えかたは事故につながる!
  37. 第45回 自分を追いつめすぎていませんか?~問題への向き合い方~
  38. 第46回 「理想」と「現実」との差に苦しんでいませんか?
  39. 第44回 重要な事項を浸透させる工夫とは
  40. 第43回 プリセプターとしての心構えとは
  41. 第42回 仕事の確認不足が多いときの対処方法
  42. 第41回 変わりたいのに変われない理由とは
  43. 第40回 不信感を募らせる受け答えをしていませんか?
  44. 第39回 来年もこのまま働こうかどうか迷っている人へのアドバイス
  45. 第38回 成長できない人の口ぐせ、ご存じですか?
  46. 第37回 人の仕事を手伝うときに注意すること
  47. 第36回 急変時の対応 (看護) の事例と、私が徹底していること
  48. 第35回 焦りが止まらないときの対処方法とは
  49. 第34回 医療者が陥りやすいコミュニケーションの特徴とは
  50. 第33回 血管確保時、手が震える場合の対処方法
  51. 第32回 新たな役職につくときの心構えについて
  52. 第31回 悪口・陰口にどう対応する?
  53. 第30回 目標を達成するためのポイントとは
  54. 第29回 効果的な反省の仕方とは
  55. 第28回 夜勤時の睡眠リズムの上手な調整法
  56. 第27回 新人看護師さん必見!効果的な勉強方法
  57. 第26回 患者さん、医師、先輩、同僚……など、人から否定されたときの考え方
  58. 第25回 看護師の仕事を長く続けるために必要なことって何?
  59. 第24回 これであなたも説明上手!伝わる説明の仕方とは
  60. 第23回 効率のいいファイリング方法とは
  61. 第22回 不安との上手な付き合い方とは
  62. 第21回 看護師の持ち歩きノートの書き方、効率的なメモの方法で仕事効率アップ
  63. 第20回 過去に縛られて生きていませんか?
  64. 第19回 人間関係を悪くする「決めつけ」、していませんか?
  65. 第18回 「人に迷惑をかける自分がイヤ……」と感じるときの考え方
  66. 第17回 間違った冷え性対策、していませんか?
  67. 第16回 幸せホルモンを増やす3つの方法
  68. 第15回 やることが多すぎるときの「付箋活用術」
  69. 第14回 毎日を豊かにする秘訣は「プチ変化」から
  70. 第13回 相手の顔色をうかがう人が陥りやすい「罠」
  71. 第11回 現状を変えたいときにやっておくとよいこと
  72. 第12回 高齢者への接し方、あなたは大丈夫ですか?
  73. 第10回 看護師さんにオススメの習い事~アロマテラピー~
  74. 第9回 私は看護師に向いていない…… と落ち込むときはどうすればいい?
  75. 第8回 実はこんな「考え方」があなたの運を悪くしている!?
  76. 第7回 燃え尽き症候群に陥らないための方法
  77. 第6回 「仕事ができる看護師になりたい!」と思うあなたへのアドバイス
  78. 第5回 人に認められず虚しくなるときの対処方法
  79. 第4回 「いまの職場で働くことがつらい」と感じているあなたへ
  80. 第3回 やる気を下げてしまう! 意外な言葉の使い方とは?
  81. 第2回 「日々の仕事がつまらない・・・・・・」と感じるときの考えかた
  82. 第1回 こころとカラダをしっかり充電! 有意義な休日の過ごしかた