ビューティーレクチャー キレイのための基礎知識

肩こりは栄養素で解消できる?
マグネシウムとクエン酸の活用があなたの肩を救う

第58回目

慢性的な肩こりに悩まされている人は多いと思います。とくに冬場は、寒さで体が縮こまり、症状が悪化したりもして……。すでに看護師として医療機関に従事している人はもちろんのこと、看護師国家試験の合格を目指して、日々机に向かう受験生のみなさんにとっても、肩こりは悩みの種ですよね。対策としては、「適度な運動をすること」や「姿勢に気をつけること」などがあげられますが、実は栄養や食事のとり方も大事。エステティックサロンの専属講師としてダイエット指導などにも携わる、管理栄養士・分子栄養学カウンセラーの篠塚明日香さんに、肩こりと栄養素の関係を教えてもらったので、ぜひ参考にしてみてください。ポイントは、「マグネシウム」と「クエン酸」だそうですよ!

肩こりにかかわるマグネシウムとクエン酸の関係性

肩こりというのは、筋肉が疲労してかたくなり、血流が悪くなった状態で起こる現象です。放置するとどんどん改善しにくくなり、重症化すると頭痛や吐き気まで引き起こすので、甘く見ないようにしてください。

みなさんのなかには、肩こりを自覚したまま仕事をしなければならない人も少なくないと思いますが、普段の食事に気をつかうだけでも、重症化を防いだり、“こり”を緩和したりすることはできます。肩こりの解消には、たくさんの栄養素が関係してきますが、ここではとくに重要な栄養素——筋肉をゆるめる働きをするミネラルであるマグネシウムと、エネルギー効率をよくし血行促進に役立つクエン酸——の二つをピックアップして話を進めたいと思います。

まず知っておいてほしいのは、筋肉をゆるめる・収縮させるという一連の動きには、カルシウムとマグネシウムが大きくかかわっているということです。筋肉細胞のなかにカルシウムが入ると筋肉がきゅっと収縮するのですが、その際にカルシウムの出入りを調整するのがマグネシウムの役割。つまり、余分なカルシウムが入らないようにしたり、入ってきたカルシウムを細胞の外にくみ出したりする働きを担っているわけです。

そのため、マグネシウムが不足すると、細胞のなかのカルシウムが増え過ぎて、筋肉が収縮しっぱなしになり……。結果として、肩こりを引き起こす要因となってしまいます。過度な筋肉の収縮を防ぎ、肩こりを解消するためには、マグネシウムをしっかり摂取するようにしましょう。

現代人がマグネシウム不足になりやすい理由

現代人はマグネシウム不足の傾向にあるといわれますが、その原因はなんでしょう? 「マグネシウムが多く含まれる食品を食べていない」ということもありますが、ほかにもいくつかの理由があります。

1つめは、「日本の水道水の大部分は軟水でマグネシウムの含量が少ない」ということ。そして2つめは、「加工食品に含まれる添加物がマグネシウムの吸収を阻害する」ということです。外食やコンビニなどの加工食品に頼りがちになると、どうしてもマグネシウムが不足しますから、そういった食習慣は回避したいところです。また、マグネシウムはストレスや飲酒、喫煙でも消耗しますから、そうした生活習慣がある場合も、意識してマグネシウムを補給するようにしてください。

以下に、マグネシウム不足の症状を挙げておきますので、まずは体の状態をチェックしてみましょう。

◎マグネシウム不足チェック

□片頭痛がある
□目の下がぴくぴくする
□足がつる
□ストレスが多い
□チョコレートが食べたくなる
□眠りが浅い、寝つけない
□飲酒や喫煙習慣がある
□疲れやすい

マグネシウムは、筋肉収縮の調整以外にも、エネルギーをつくったり、解毒をしたり、眠りのホルモンの合成を助けたりと、とても“働き者”なミネラルです。不足するとたくさんの不調が出るので、十分に注意してください。

エネルギーをつくって筋肉の疲労をやわらげるクエン酸

続さて、続いてはクエン酸について解説します。

以前は、筋肉が疲労する原因=乳酸が蓄積することであり、それが肩こりの原因にもなるとされてきました。しかし、最新の研究では、「乳酸=疲労物質ではない」ということがわかっています。

ただし——。乳酸が肩こりの直接的な原因にならないとしても、乳酸を処理するためにエネルギーの産生に負担がかかり、体が疲れやすくなることは事実。また、乳酸を処理する際は、体が酸性になりやすく、これもまた疲労を感じやすくする要因になります。

加えて、先に書いたように、マグネシウムが細胞のなかと外のカルシウム濃度を調整するときにもエネルギーを必要とします。となれば、肩こりの解消には、エネルギー産生をスムーズにすることが欠かせません!

そこで、おすすめしたいのがクエン酸の摂取です。クエン酸には、乳酸をたまりにくくする働きがあるほか、マグネシウムの吸収をよくする効果もあるので、マグネシウムとクエン酸を一緒に体内に摂取することは、肩こり対策にとても有効なのです。

ではここで、マグネシウムとクエン酸が効率よくとれる、特製ドリンクのレシピをご紹介しましょう。コップにすべての材料を入れて混ぜるだけですから、手軽につくることができますよ。

◎肩こり解消のための特製ドリンク

【材料】
炭酸水(または水)……200ml
にがり……3滴程度(お好みで)
レモン汁……大さじ1杯
はちみつ……大さじ1杯

市販されている炭酸水には、マグネシウムが多く含まれる商品もあるので、そうしたものを利用するとさらに効果的です。にがりにはマグネシウムが豊富に含まれますが、たくさん入れると飲みにくいので、適量を意識してください。

またにがりは、今回の特製ドリンク以外にも、みそ汁や普段の飲み物に数滴入れて飲んでもOK。スーパーなどで購入するときには、「塩化マグネシウム」と表示があるものを選ぶようにしましょう。また、シークワーサーやカボスなどの柑橘類をレモンの代わりに使用するのも◎。自分が好きな味にカスタマイズして楽しんでください。

マグネシウムとクエン酸がとれる食材

もちろん、食材からでもマグネシウムやクエン酸を摂取することはできます。とはいえ、マグネシウムはあまり吸収のよくない栄養素なので、毎日の食事からこまめにとることが大切。マグネシウムが多く含まれる食材には、海藻、豆類、種、ごま、干しエビ、モロヘイヤ、アーモンドなどがあります。どれも食卓の主役にはならない食材ですが、日々の料理に少しだけ足して、摂取するようにしてください。

一方のクエン酸は、酸味のあるものに多く含まれます。梅干しやレモン、ミカン、黒酢などは手軽に手に入るので、積極的に取り入れてください。

肩こり解消に即効性を求めるならマグネシウム風呂がいい

マグネシウムは、「吸収率のよくないミネラル」だと書きましたが、腸からの吸収率は40~60%程度と考えられています。こうした数値は、胃腸の状態によっても左右されるので、胃酸が不足していたり、腸内環境がよくなかったりすると、さらに吸収率が低下することに……。そのため体質によっては、体に十分足りる量を摂取するのに長い期間を要することもあります。

そうした場合は、一時的にマグネシウムのサプリメントに頼るのもいいと思います。また、肩こりがひどくて「いますぐにどうにかしたい!」というときには、マグネシウム入りの入浴剤を使うのもおすすめです。

マグネシウムは肌からの吸収がとてもいいミネラルで、角質層をすり抜けて各組織まで届くことがわかっています。また、サプリメントで補給するよりも肌からの吸収のほうが体内の利用効率が高く、体内に充足する期間も早かったという研究データもあります。

ゆっくりとお風呂に浸かる時間は、肩こりが緩和できるだけでなく、疲労回復にもつながるので、日々の体のメンテナンスにもってこい。入浴剤は、硫酸マグネシウムや塩化マグネシウムが主成分のものを選べば問題ありません。

撮影/櫻井健司

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篠塚 明日香(しのつか あすか)

プロフィール

篠塚 明日香(しのつか あすか) 管理栄養士/分子栄養学カウンセラー

1977年、茨城県に生まれる。管理栄養士、分子栄養学カウンセラー。東京家政大学短期学部栄養科卒業後、老人介護保健施設での給食管理の実務を経て管理栄養士となる。体調不良をきっかけに、栄養療法クリニックのカウンセラーに転職。中医学や分子栄養学を学びながら、栄養療法で自身の副腎疲労を改善した経験を持つ。
現在は、フリーランスとして分子栄養学を一般家庭でも使える知識まで落とし込んだセミナーを開催。1,000人以上の体調不良者の血液検査データを見てきた経験を活かし、個別の栄養相談にも対応するなど、分子栄養学の普及活動をしている。その他、エステティックサロンでの専属講師としてダイエット指導、企業商品の考案などにも携わる。

所属:合同会社スリップストリーム: https://slipstream-web.com/

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