コラム 坂口千絵の幸せ看護師のつくりかた

リーダー業務に必要な「○○力」とは

第67回目

リーダー業務を行ううえで、大切な能力はさまざまあります。今回はその中でも、業務全体を見渡したうえで采配を振るために必要な能力についてご紹介します。

想定力は信頼を得る重要な鍵

リーダー業務を行うにあたり、必要な能力は「想定力」です。想定力とは「こういう場合はどう対応するか」を可能なかぎり、推測する力であるといえます。
私が「想定力」を鍛えたきっかけは、「こういう場合は、これでいいんだよね?」などと想定外の質問をスタッフにされ、明確な返答ができずに何度も不安になった経験からです。

例えば、医師から「水分のみ可」という指示を受けたとき「じゃあ、炭酸はいいの?」「飴は溶けると水分になるからいいんだよね?」と聞かれたとき、あなたは自信をもって返答できますか?

若いときの私は、スタッフからの何気ない疑問に「そんなことまでいちいち確認しなきゃならないの?」「細かいな……」と不満に思うことも多々ありました。しかし、「大丈夫とは言い切れない……たぶん、いいとは思うけど……」と伝えつつ、明確な返答ができない自分を歯がゆくも感じていました。

振り返ってみると、そういった環境があったからこそ、起こりうる可能性をさまざまな角度から考え、確認する習慣がついたと感じています。

また、ありとあらゆる事態を想定して、医師やスタッフに先回りして確認することができたので、あいまいで不安な状態のまま看護をすることが極端に減りました。この積み重ねが自分の看護に対する自信や、患者さんやスタッフからの信頼を得る重要な鍵になったとも思っています。

想定力を鍛えるには

想定力は一朝一夕で身につくものではありません。経験によってある程度は身につきますが、経験待ちの状態は受け身になりやすいのでおすすめしません。

想定力を身につけるために、日ごろから意識する必要があるのは「自分ごと」として捉えることです。「自分が困らないために」と考える視点が結果的に患者さんの安全につながります。

私が、日ごろから想定力を鍛えるきっかけづくりとして行っていたのは、「医師の指示」に着目することです。例えば、医師からの指示で選択肢がひとつしかなかった場合、遂行して効果が得られなかったときはどうすればいいのかなど、常に選択肢が広がるように意識をしていました。

特に夜勤業務を行う場合、夜間は医師と連絡がつきにくいことも多々あったため、常に「もしも不測の事態が起こったら」という視点で考えることを習慣化していきました。
すると、意識をしなくても自然と疑問が浮かび上がるようになり、対応もスムーズになりました。

また、人間はまわりの環境から受ける影響が強いことも頭に入れておくことが必要です。
「別にいいんじゃない? 患者さんが死ぬわけじゃないし」「そのくらい大丈夫だよ」など、甘い考え方やなれ合いの強い環境に慣れすぎると、危機管理ができなくなり、なにかが起こったときに対応する瞬発力が鈍くなりやすいので注意が必要です。
日ごろから「自分が責任をもって業務を行うためにはなにが必要か」を意識していきましょう。

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坂口 千絵(さかぐち ちえ)

プロフィール

坂口 千絵(さかぐち ちえ)

看護師/カウンセラー/ライフコーチ/セミナー講師/WEBライター

看護師、教育・指導サポート歴25年以上。コーチング、カウンセングなどの個人セッション実績豊富。2019年、「サポート職に携わる人のサポートに徹する」ことを決断し、25年間の看護師人生に幕を下ろす。
家族の死、最愛の夫の病死を通じ、死生観について学んだ経験をもとに、魂の望みを叶えながら、周りの人の幸せもしっかりとサポートしたい人に向け、オンライン講座を提供。セッションは「とにかく話しやすい」「具体的でわかりやすい」と好評。
直観力を駆使したセッションが大好評にて、続々と全国から受講生が集まっている。

HP:https://peraichi.com/landing_pages/view/yokubara717
ブログ:http://ameblo.jp/counselor-chisa/

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