• 2020年2月13日
  • 2022年2月17日

「点滴あるある」に気をつけよう

 

看護師歴20年、看護師の悩み解決専門コンサルタントとして活躍する坂口千絵さんが、日々の生活を“幸せ”に感じるためのヒントをご紹介。今回は「頭ではわかっているが、実際には見落としがち」な点滴あるあるをご紹介します。

臥位、座位、立位時の滴下スピードに注意

患者さんが座位あるいは立位の状態で点滴の滴下調整をしたあと、再度、滴下確認をしに行くと、点滴の滴下が非常に速くなっていることがあります。そのため、滴下の再調整は非常に大切な意味をもっています。
患者さんの部屋で滴下調整を行ったときは、再調整の確認作業を意識しやすいのですが、車椅子や歩行で移動中の患者さんに呼び止められたときは、再調整を行うことを忘れがちになります。調整したあとは自分のタイムスケジュールに、再調整の予定をしっかりと組み込む習慣をつけましょう。

側管から点滴をする場合も滴下が変わる

本管から点滴を注入している際、側管から点滴をつなげると、圧力の関係で滴下の速度が変化します。特に側管の点滴が終了したときは、本管のスピードが速くなりがちなので十分注意しましょう。

輸液ポンプを取り外す際は要注意

輸液ポンプで注入する薬剤は、注入速度が変化すると生命に重篤な危機を及ぼす可能性があります。特に寝衣交換などでポンプを一時的に外す際、クレンメの止め忘れにより一気に薬剤が注入されたケースは非常に多く存在するため、注意しましょう。

輸液ポンプの流量確認を確実に

輸液ポンプを使用している患者さんの流量を確認したつもりで、実はあまりよく見ていなかったということはありませんか? 特に24時間持続で点滴をしている患者さんの場合、前あるいは前々勤務帯から引き継がれている流量に間違いはないだろうという思い込みが生じやすくなるため、注意が必要です。引き継ぎを信用しすぎず、確実な確認を行いましょう。

クレンメは患者さんの手の届かない位置に

クレンメが患者さんの手に届くところにあると、高次機能障害などで理解力が低下している患者さんは自分で滴下調整をすることがあります。特に高カロリー輸液を持続投与している場合、急速な滴下は生命の危機に至るほどのリスクがありますので、細心の注意を払いましょう。

指示に疑問をもつ習慣を

医師や自分より経験が豊富なスタッフが、いつも的確な指示出し・指示受けをしているとは限りません。「先生が出した指示だから大丈夫」「先輩が受けた指示に間違いはない」という思い込みは心理的盲点となり、「なぜ、誰も気づかなかったのか」という医療事故へと発展する可能性があります。 指示をうのみにするのではなく「本当に正しいかどうか」と常に疑問をもつ習慣を身につけましょう。 点滴管理は毎日のように行われる看護業務であるぶん、慣れからくるうっかりミスが生じやすいため、一つひとつ十分な確認を行いましょう。

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