コラム 坂口千絵の幸せ看護師のつくりかた

自分の判断に自信がないときの考え方

第59回目

自分の判断に「本当にこれでいいんだろうか?」と不安になった経験はありませんか? 自分の判断に自信が持てないとき、どのような考え方をすればいいのでしょうか。

判断力は「育つ」のではなく「育てる」

「自分の判断に自信がない」と考えてしまう背景として、「過去(もしくは現在)、間違いを指摘される頻度が高かった(もしくは高い)」「自分が判断する前に周りが答えを与えてくれた」といった環境に影響されていることが挙げられます。「仮に正しい判断ができたとしても、誰も『それで正しい』とは言ってくれない」という状況も「判断に自信がない」という悩みにつながっている可能性があります。
「本当にこの判断でいいのだろうか……」と不安になったとき、第三者に確認することも必要ですが、すべてのことを「誰かに聞かないと不安」な状態でいては、判断力は育ちません。それどころか、仕事が終わり、家に帰っても「もし、私の判断が間違っていたらどうしよう……」とビクビクしてしまい、ずっと心が休まらない状態になってしまいます。
私も特に看護師として働き始めて数年、あるいは転職後1年くらいは、何かと自分の判断を否定されることが多かったため、「私のせいが何かが起こったらどうしよう」という強い不安をかかえていました。
たしかに、たくさんの経験を積めば、時間の経過とともにある程度の判断力は身につきます。
しかし、ただ時間の経過を待っているだけではいつまでたっても主体性が身につかず、結果的に何をするにもいまいち自信が持てない看護師になる恐れがあります。
大切なのは、判断力が「育つ」のを待つのではなく、「育てる」という意識をもつことです。とはいえ、人間は不安が強いと、防衛本能があるがゆえにどうしても受け身になりがちです。
それでは、どのような考え方をするとよいのでしょうか。

「まずは」よしとする

自分の判断に自信がないときに必要なのは「今、特に問題が起きていないのだから、『まずは』よしとしておく」という考え方です。そもそも自信がもてない状態にあるのに、「自分は間違っていない」「きっと、大丈夫」と言い聞かせても、「でも、もし間違っていたらどうしよう……」「今は大丈夫だとしても、あとになって何か問題が起きたらどうしよう……」という不安がますます強くなります。
大事なのは、「自分が現時点でコントロールできない範囲のことを心配する気持ちを切り離す」という考え方です。未来に対して過剰に不安を抱いていると、無意識に「自分に解決する力はない」と思い込んでしまいます。そのため、「たとえ何かが起こっても、必ずなんとかなる」という「自己信頼」をつくることが大切なのです。
「まずは」よしとしておくことで、自分の止まらないネガティブ思考を一度ストップさせるという効果が期待できます。また、これは「最終判断」ではなく「仮の判断」であるため、「今後、いいと思えないことが起きたとしても修正は可能である」という自己暗示をかけることもできます。そのため、自分の判断に対し過度のプレッシャーを感じずにすむという点ではまさに一石二鳥なのです。

判断力は、さまざまな経験を積み重ねることで自然と育つ部分もありますが、自ら育てる意識と感情のコントロールでさらに早く力がつきますので、ぜひ、取り組んでみてくださいね。

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坂口 千絵(さかぐち ちえ)

プロフィール

坂口 千絵(さかぐち ちえ)

看護師/カウンセラー/ライフコーチ/セミナー講師/WEBライター

看護師歴20年。新人教育のリーダーとして数多くの新人を育てた経験をもとに、カウンセリング、コーチングなど、さまざまな資格を活かして看護師さんの悩みに寄り添い、問題解決へと導く個人セッションを行っている。コーチング、カウンセリングの枠にとらわれない、「相手の思いを否定せず、ひとりでは考えつかない解決方法の提案」がクライアントから好評を博す。

HP:http://infinity-space.jimdo.com/
ブログ:http://ameblo.jp/counselor-chisa/

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