• 2018年9月14日
  • 2021年11月16日

やる気がないスタッフとの向き合い方

 

仕事であるにもかかわらず、積極性・自発性がないスタッフにお困りの方も多いと思います。今回は、やる気がないスタッフに対する向き合い方についてご紹介します。

「やる気」は仕事の必須条件ではない

私はこれまで、新人を含め、何十人ものスタッフとともに仕事をしてきました。そこには非常にモチベーションの高い人もいれば、覇気がない、リアクションに乏しい、受け答えのトーンが低い……など、やる気がなさそうに見える人もいて、教育指導をする際には、ずいぶんと精神力を鍛えられたように思います。なかには「なんかやる気がでないんですよねー」などの発言を平然とするスタッフもいて、閉口していた時代もありました。しかし、さまざまなタイプのスタッフと接し、長年の経験から学んで身についたのは、「患者さんやスタッフに不利益が生じないよう仕事ができていれば、やる気はあっても、なくてもどちらでも良い」という考え方でした。「たとえやる気がなくても、自分の仕事をきちんとしてくれるのであればそれで良い」という考え方に移行してからは、相手のありのままの状態を否定せずに受け入れることができ、イライラすることも少なくなったように思います。

自分の価値判断を振り返る機会に

積極性や自発性を感じられないスタッフに対し、「本当にやる気があるのかな」といった疑問を持つ方も少なくありません。ですが、やる気と、積極性・自発性は必ずしもイコールではありません。先輩からの過剰な指図により受け身にならざるを得なかったり、否定ばかりされて委縮してしまい自分からいい出せなくなったりなど、本人の資質だけではない問題が隠れていることもあるのです。そのため、場合によっては、積極性や自発性を求めるだけでなく、どのように引き出すのかという視点も必要になってきます。

また、「積極性」「自発性」「やる気」「協力」「協調」「配慮」など、一見、聞こえが良い価値観に対し、人は「正しい」「良い」という判断をしがちですが、そもそも価値観に「良い・悪い」は存在しません。それどころか、良し悪しを判断することにより、自分が理想とする価値基準と相反する価値観を持つ人を否定する傾向が強くなり、不平不満が生じやすくなるといった弊害が生じてしまうのです。

自分と考え方が異なるスタッフに対して強い不満を持っている場合は、自分自身が偏ったものの見方をしていないか、また、他人を審判することによりますます自分の首を絞める結果となっていないかを、慎重に振り返ってみると良いかもしれません。

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