• 2016年5月10日
  • 2021年11月12日

看護師の勤務中に「乾燥」を引き起こす意外なアイテム

 

前回は乾燥肌の種類についてご紹介しましたが、今回は看護師の勤務中に引き起こされる肌荒れや乾燥の原因をご紹介します。

盲点かも!? 勤務中に乾燥が引き起こされる原因

看護師の皆さんは勤務中にマスクをつけていますか? 恐らく、多くの方がマスクをつけて仕事をしていると思います。そして、看護師の皆さんがつけているのは使い捨ての不織布マスクでしょう。実は、このマスクが肌の乾燥を招く原因になっているのです。 「マスクを外したとき、マスクをしていた部分が他の部分より脂でテカテカしていた」なんて経験、ありませんか? その経験は、マスクによる乾燥が起きている証拠です。

なぜ不織布マスクが乾燥を招くのか

マスクをつけていると肌が潤うと思っている方もいるでしょう。 しかし、マスクをつけると吐いた息が水蒸気となりマスク内の狭い空間で充満している状態となります。

この水蒸気が水に変わって、マスクの内側に水滴がつくこともあります。 この水蒸気や水滴が肌に付着し、蒸発する際に角質層の水分が奪われるため乾燥が進行してしまうのです。(マスクをずらしたときやマスクを外したときなど、一気に蒸発していきます)

水蒸気で一時的に肌が潤うような感じがしますが、マスクで肌を覆ってしまうことは乾燥が進みやすい状態なので注意が必要です。 スチーマーは蒸気を当てているときは潤った感じがしますが、蒸気が肌についたまま何もしないとかえって乾燥が進むため、スチーマーをイメージするとわかりやすいと思います。

不織布マスクで肌荒れも起こる

「不織布マスクで乾燥が進行する」ということ以外にも注意したいのが、肌荒れも起こることがあるということです。それではなぜ不織布マスクで肌荒れが起こるのか、その原因をみていきましょう。

【肌荒れが起こる原因①~雑菌の繁殖~】
上記でも紹介しましたが、マスクをつけると吐いた息が水蒸気となり、マスク内の狭い空間で充満した状態になります。この状態ではマスクの中が蒸れやすくなり、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。 この雑菌によって、肌にニキビができることがあります。

【肌荒れが起こる原因②~摩擦~】
マスクをつけると肌に摩擦が起こります。擦れた部分の肌は傷つき、それによって肌荒れを引き起こしやすくなります。 またマスク本体だけでなく、ゴムひも部分が擦れる場合も多いです。摩擦によって角質層が傷つけられると肌の保水能力が低下するため、乾燥が進んでしまうこともあります。

【肌荒れが起こる原因③~マスク繊維によるもの~】
マスクにはガーゼタイプのものと、不織布タイプのものの2種類があります。 不織布タイプのものは複数の繊維が絡み合ってできているため、ガーゼタイプのものよりチクチクするなど肌にダメージを与えやすく、刺激になったりかぶれが起こることがあります。

今回ご紹介したように不織布マスクで乾燥や肌荒れが起きてしまうことがありますが、もちろん乾燥の原因はそれだけではありません。 病院内のエアコンによる空気の乾燥や、手洗い・アルコール消毒による水分の蒸発などでも乾燥は進行します。肌荒れや乾燥は対策をすることが大切。次回は病院内での乾燥対策についてご紹介します。

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