燃え尽き症候群に陥らないための方法
第7回目

緊張やストレスを上手に発散できないまま、今の状況を必死になって乗り越えようと頑張り続けることにより、仕事を続けられない状態になる「燃え尽き症候群」。
社会人として働くなかで、この状態に陥る方は非常に多く、仕事を辞める原因のひとつにもなっています。
この「燃え尽き症候群」は、とくに医師や教師、看護師などにみられ、何をするにも「100%」を目指す完璧主義である方に多いのが特徴です。
燃え尽き症候群に陥りやすい大きな要因とは?
私も以前働いていた職場では、何ごとも完璧にしようとする性格が裏目に出て、結局何もかもが中途半端になってしまった苦い経験があります。そんな自分に対して「なんだかなぁ……」という思いに駆られたこともありました。
「燃え尽き症候群」に陥りやすいもうひとつの大きな要因に「制限的な思考を強く持っていること」が挙げられます。
制限的思考がマイナスに作用したときは要注意
制限的な思考とは、「患者さんに優しくしなければならない」「看護師は患者さんの命を守る職業なのだから、常にスキルアップを目指すべき」など、「~をしなければならない」「~であるべき」という考え方のことを指します。
この考え方は、多かれ少なかれ誰もが持っており、子どもの頃に教わったことを何の疑いもなく信じることによって生じるものです。
制限的な思考がマイナスに作用した場合、自分に対してのプレッシャーが強くなったり、相手を責めることによって人間関係に支障をきたすなどの悪影響をおよぼす場合があります。
たとえば、両親から「何ごとも真面目に取り組まなければならない」「仕事なんてつらいことがあるのは当たり前なのだから、頑張って乗り越えるべきだ」と言われたときに、「世の中とは、そういうものだ」と何の疑いもなく信じてしまった経験はないでしょうか。
しかし、世間からみれば一見、正しいと思える考え方であったとしても、それを信じ込むことにより心の健康を損ねるような弊害がでるのであれば、「一度、その考えは脇に置く」選択も必要です。
一度制限的思考から離れてみるためには、日ごろから自分に対し、どんな言葉をかけているかという「思考のクセ」に気づくことが大切です。
「今の自分から変わらなければならない」「仕事には責任を持つべき」という制限的思考からくる言葉を、一日のうちでどれくらい自分にかけているかに気づくことで、初めてコントロールが可能となるのです。
そして、真面目に取り組まなければならないと思っているのに、それができなくて苦しいときは、「いつも真面目じゃなくたっていい」「いつも頑張って乗り越える必要なんてない」というように、「~しなくたっていい」という言葉をかけてあげてください。考え方が柔軟になって、物事に前向きに取り組めるようになりますよ。

坂口千絵(さかぐち ちえ)
看護師、教育・指導サポート歴25年以上。コーチング、カウンセングなどの個人セッション実績豊富。2019年、「サポート職に携わる人のサポートに徹する」ことを決断し、25年間の看護師人生に幕を下ろす。
家族の死、最愛の夫の病死を通じ、死生観について学んだ経験をもとに、魂の望みを叶えながら、周りの人の幸せもしっかりとサポートしたい人に向け、オンライン講座を提供。セッションは「とにかく話しやすい」「具体的でわかりやすい」と好評。
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