コラム 坂口千絵の幸せ看護師のつくりかた

効果的な反省の仕方とは

第29回目

あなたはミスをしてしまったとき、どのように反省していますか? 振り返りをしたはずなのに、次へと生かせず同じ失敗を繰り返してしまう場合は「間違った反省」をしている可能性大です。そして、自分が成長できていないと悩む看護師さんの9割は「間違った反省」をしているといっても過言ではありません。次の機会へ生かすためには、どのように反省すればいいのでしょうか?

あなたは普段、どんな思考過程で反省をしていますか?

<失敗について反省する際の思考過程の例>
①「どうしてミスをしたのだろう」(原因探索)
②「仕事に行きたくない……」「こんな自分がイヤだ……」(否定)
③「今度からは具体的にこうしていこう」(対策の立案)
④「次からはうまくできるように頑張ろう!」(前進)

「間違った反省」は、「原因探索」あるいは「否定」の思考を交互に繰り返すのが特徴です。一時的に「対策の立案」の思考に至ることができても、具体策を見つけられないとまたのループに戻ってしまい、「次からは同じ失敗をしないように気をつけよう……」と、最終的には自分への戒めで終わります。
さらに、「原因探索」をしているつもりが知らない間に「自責」へとすりかわることも多く、そうすると「否定」の思考が強くなる傾向にあります。

また、「ポジティブに考えることが大切」と信じている人は、「原因探索」「否定」の思考は多少ありつつも、「対策の立案」の過程を踏まずにいきなり「前進」へと思考がとんでしまうため、いつまでも同じ失敗を繰り返しやすくなります。

正しい反省の方法とは

結論からいうと、もっとも効率のいい反省のポイントは「対策の立案」の過程を踏むことだけです。もちろん、「原因探索」は必要ですが、「無意識にしてしまった」「当時の記憶があいまい」などの理由から、実際には原因がわからないことも少なくありません。
いくら考えても原因がわからない場合は、時間の浪費になります。あとから原因がわかることもあるので、「対策の立案」に重点を置いた考え方にシフトすることが重要です。

また、「次から気をつける」という戒めだけでは効果的な反省にはなりませんので、「何をどのように気をつけるのか」まで落とし込むことが大切です。新人看護師さんのように経験が少なければ少ないほど対策は浮かびにくいので、自分で考えた上で「ほかにはどのような対策があるのか」を、先輩や他者に意見してもらうのもひとつの方法です。

反省の時間は長ければいいものではない

今でこそ反省の方法はとてもシンプルになりましたが、昔の私は「原因探索」「否定」の過程を繰り返し、仕方なく「前進」の過程を踏む……といった思考を繰り返していました。しかも、「しっかりと反省をすること」=「長い時間をかけて思い悩むこと」と、何の疑いもなく信じていたため、「こんなに早く立ち直ってはいけない」「簡単に済ませてはならない」と、必要以上に思い悩んでいたのです。しかし結果的に、その時間は具体策を考えるのではなく、自分を責めるだけになっていたため、常に不要なストレスを抱えていたような気がします。

反省とは後悔するためのものではなく、「次に進むためにするものである」という認識が大切です。みなさんもミスしてしまったときには、「効果的な反省」を意識してみてくださいね。

坂口 千絵(さかぐち ちえ)

プロフィール

坂口 千絵(さかぐち ちえ)

看護師/カウンセラー/ライフコーチ/セミナー講師/WEBライター

看護師歴20年。新人教育のリーダーとして数多くの新人を育てた経験をもとに、カウンセリング、コーチングなど、さまざまな資格を活かして看護師さんの悩みに寄り添い、問題解決へと導く個人セッションを行っている。コーチング、カウンセリングの枠にとらわれない、「相手の思いを否定せず、ひとりでは考えつかない解決方法の提案」がクライアントから好評を博す。

HP:http://infinity-space.jimdo.com/
ブログ:http://ameblo.jp/counselor-chisa/

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