「人に迷惑をかける自分がイヤ……」と感じるときの考え方
第18回目

「人に迷惑をかけてしまう自分」に、嫌気がさすことはありませんか? 子どものころから「人に迷惑をかけてはいけない」とご両親に口酸っぱく教えられてきた人ほど、そんな自分に対して強い嫌悪感をもちやすい傾向にあります。
しかし、「迷惑をかけるのはお互いさま」という考え方を受け入れることができないと、人に親切にしてもらっても「申し訳ない」という気持ちばかりが先に立ち、発展的な考えにはつながりにくくなります。
周りにまったく迷惑をかけずに生きることは難しいもの。「迷惑をかけてはいけない」という教えを言葉どおりに受け取ると「迷惑をかける=悪いこと」と考え、苦しくなってしまいます。
意識を変えてみることが大切
「人に迷惑をかけることがつらい……」と思うときは、自分を責めることに意識を向けるのではなく、周りからどれだけ助けられ、支えられたのかという部分に焦点を当ててみてください。「申し訳ない」と思う気持ちが強い人は、その気持ちに「深さ」があるぶん、心の底から周りの人の優しさを知ることができるといえます。
励ましやなぐさめをくれた人。笑って許してくれた人。ありのままの自分を受け入れてくれた人。叱ってくれた人。あなたの周りにいる人たちのさまざまな優しさのカタチに気づけるように、意識を変えてみましょう。
迷惑をかけてしまった……それから、どうする?
「迷惑をかけないようにするにはどうすればいいか」ではなく、迷惑をかけたことを踏まえて、「どうしたら人の役に立てるか」という視点を大切にしてほしいと思います。
「迷惑をかけたくない」というのは「恐れ」や「不安」に基づく考え方です。他人の評価を意識してしまうため、本来の自分の思考に基づいて行動することができず、よい結果につながりません。「どうしたら役に立てるか」というのは「喜び」や「感謝」に基づく考え方なので、相手の利益を自然と考えることができ、自ら積極的に行動することができます。
そして、必要なのは「迷惑をかけてしまった自分を許してあげる」ということ。だって、あなたはいつも「人に迷惑をかけないように」と人一倍周りに気を遣い、精一杯のことをしてきたのですから。私もこれまで、たくさんの人に迷惑をかけてきました。しかし、このように考え方を変えてからは、いたずらに自分を責めたり落ち込んだりすることはなくなりました。
「迷惑をかける自分がイヤ」ではなく、「人のありがたみを深く感じることができる自分」がいることに、きちんと目を向けてあげてくださいね。

坂口 千絵(さかぐち ちえ)
看護師、教育・指導サポート歴25年以上。コーチング、カウンセングなどの個人セッション実績豊富。2019年、「サポート職に携わる人のサポートに徹する」ことを決断し、25年間の看護師人生に幕を下ろす。
家族の死、最愛の夫の病死を通じ、死生観について学んだ経験をもとに、魂の望みを叶えながら、周りの人の幸せもしっかりとサポートしたい人に向け、オンライン講座を提供。セッションは「とにかく話しやすい」「具体的でわかりやすい」と好評。
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