• 2023年7月24日
  • 2024年5月10日

看護師が大学病院で働くメリットは? 給料・向いている人・一般病院との違いも解説

 

看護師の勤務先の一つとして、大学病院が挙げられます。大学病院では先進的な医療に携われるため、看護師は専門性の高い知識やスキルを得ることが可能です。

当記事では、看護師が大学病院で働くメリットやデメリットを解説します。また、大学病院の看護師に向いている人の特徴も紹介しているので、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

大学病院とは

大学病院とは、大学医学部などの教育研究用施設として設置されている病院です。診療、教育、研究などの役割を担っています。

診療 一般病院から紹介された患者さんに高度医療を提供
地域医療の中核的な医療機関として、地域医療機関への医師の供給等も行う
教育 専門研修を行う医師・看護師・薬剤師など、質の高い医療人材を育成する
研修医は、指導医のもとで治療に携わる
研究 最先端医療技術の研究機関としても機能している
難治性疾患の原因究明、新薬・新規治療法の開発などを行う

医療関係者は教育機関で広範な知識を習得し、国家試験に合格したうえで就職します。しかし、医療現場に出た後でしか習得できない知識も多くあるため、大学病院のような教育機関が必要です。

一般的な病院との違い

大学病院と一般病院の大きな違いは、先進医療への対応です。多くの大学病院は先進医療の実践に積極的で、重症度の高い患者さんを主に受け入れています。先進医療を実践するためには、最新設備の導入も必要です。大学病院は一般病院と比較して、設備の入れ替えを積極的に行う傾向があります。

また、大学病院は診療科目が細分化されているのが特徴です。一般病院は外科や内科など大まかな括りですが、大学病院では心臓血管外科や食道・胃腸外科、呼吸器外科、消化器内科、腎臓内科など、臓器ごとに分かれています。

看護師が大学病院で働くメリット

大学病院は給与アップやスキルアップをめざして転職する看護師にとって、メリットの多い職場です。以下では、看護師が大学病院で働くメリットを3つ紹介します。

給料が高い

日本看護協会の「2023年 病院看護実態調査 報告書」によると、「勤続10年、31~32歳の看護師の月額給与」は以下のとおりです。

設置主体 平均基本給与額 平均税込給与総額
国立 261,746円 349,836円
公立 271,526円 346,508円
私立学校法人 275,315円 369,216円
全体平均 247,629円 326,675円

設置主体別で見ると、国立・公立・私立学校法人のほうが全体平均よりも2~3万円ほど高くなっています。

大学病院では重症度、難易度の高い患者さんを多く受け入れることから、病院の収入源となる「診療報酬」を得やすいといえます。病院が得た収入は看護師の給料にも還元されるため、一般病院と比較して、良い待遇の職場を探しやすいでしょう。

参照元:日本看護協会「2023年 病院看護実態調査 報告書」

専門的な看護を行える

大学病院では専門的な治療を提供する目的で、診療科目が細分化されています。大学病院で働く看護師は専門性の高い仕事に従事して、特定分野のスペシャリストをめざすことが可能です。

また、大学病院には充実した人数の医療関係者が在籍しており、各自の役割が細分化されています。一般病院で看護師がよく担当する採血や点滴を研修医が行うことも珍しくはありません。大学病院の看護師は診察補助業務に専念し、スキルアップに励めるでしょう。

さらに、一部の大学病院には資格取得支援制度も整備されているため、自分自身のやる気次第で専門看護師や認定看護師をめざすことが可能です。専門看護師や認定看護師になれば、スペシャリストとしてより一層のキャリアアップを図れるでしょう。

最先端の医療に携われる

大学病院の多くは特定機能病院として承認されており、最先端の医療を提供しているため、看護師を育成する研修が豊富です。大学病院の看護師は給与を受け取りつつ、スキルアップの機会を得られる環境にあるといえるでしょう。

さらに、大学病院は研修で得た知識や技術を実践する機会も多くあります。実践を通じて看護スキルを高め、最先端の医療に対応できる人材へと成長できるでしょう。

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看護師が大学病院で働くデメリット

大学病院は看護師にとってメリットが多い職場とはいえ、すべての方にとって最適な勤務先とは限りません。「想像していた職場と違う」と後悔しないためにも、デメリットを知っておきましょう。

忙しくなりやすい

大学病院では、頻繁に勉強会や研修が開催されます。勉強会や研修は業務時間の終了後や休日に開催されることもあり、忙しさを感じる人もいるでしょう。

また、勉強会や研修以外にも、以下の理由で忙しくなりやすいといえます。

  • 緊急入院がある
  • 急変する患者さんが多い
  • 手術の準備や術後の状態観察に追われる

近年は、ワークライフバランスを重視した働き方を推進する大学病院も多くあります。忙しくなりやすい環境とはいえ、仕事とプライベートの両立が可能な職場も少なからずあるため、就職・転職をする際は自分のライフスタイルにあった大学病院を探すことが大切です。

研修医や看護実習生の対応がある

多くの大学病院では、研修医を積極的に受け入れています。研修医の処置のフォローを看護師が行うこともあるため、負担に感じる人はいるでしょう。

また、大学病院に限った話ではありませんが、一定のキャリアを積むと看護実習生の指導者に指名される可能性が高まります。指導者を初めて経験する方は看護実習生への接し方やスケジュールの組み方に悩み、ストレスを感じる場合があります。

専門性が偏ってしまう

大学病院は診療科目が細分化されているため、より専門的な看護を行えるのがメリットですが、その反面で知識やスキルが偏ってしまう懸念があります。

大学病院によっては、医師や研修医が注射や採血、ルート確保をすると定めているところもあるようです。そのため、なかには「採血ができない」「点滴のルートの取り方を忘れた」という看護師もいます。

大学病院の看護師に向いている人

大学病院の看護師に向いている人

大学病院の看護師に向いている人の特徴として、以下が挙げられます。

  • 最先端の医療に携わりたい人
  • 専門性を高めたい人
  • 看護技術を磨きたい人
  • ジェネラリストをめざしたい人
  • 高い年収を得たい人
  • 忙しい環境でテキパキと活躍したい人
  • 福利厚生が充実した病院で働きたい人

大学病院はスキルアップやキャリアアップをめざす看護師にとって、最適な職場です。忙しいというデメリットはありますが、専門性の高い知識やスキルを習得しながら給料アップが叶います。

また、福利厚生を充実させている大学病院では、ライフスタイルにあった働き方もできるでしょう。

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まとめ

大学病院は、診療とともに研究や教育をする病院として設置されています。一般病院と違い先進医療を積極的に行っており、より最先端の医療や専門的な看護スキルを身に付けられます。
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