• 2023年3月6日
  • 2023年3月24日

助産師は公務員として働ける? 職場や、公務員になる方法を解説

 

助産師は、病院・診療所や助産所のほか、保健所など幅広い職場で活躍できる職種です。

助産師の活躍できる職場には民間施設が多いため、単純に「女性のお産を介助する専門家」というイメージをもつ方も多いでしょう。しかし、職場によって助産師は「公務員」という立場で働くことも可能です。

そこで今回は、公務員として働く助産師の職場から、助産師が公務員という立場で働くメリット・デメリット、公務員になるための方法まで詳しく紹介します。助産師としてのキャリアを広げたいという方は、ぜひ当記事の内容をお役立てください。

公務員として働く助産師の職場は?

助産師は民間病院や診療所、助産所などで働く方が多く、公務員というイメージをもつ方は少ないでしょう。しかし、助産師の活躍の場によっては公務員として勤務するケースもあります。

「活躍の場によって」と前述したように、働く助産師の全員が公務員というわけではありません。そこでまずは、公務員として働く助産師の主な職場を紹介します。

公立病院で働く

公立病院とは、都道府県や市町村といった各自治体が運営する病院・診療所のことです。「〇〇県立病院」「〇〇市立病院」という名称の病院は、基本的に公立病院に該当します。民間病院との大きな違いは運営母体にあり、民間病院の場合は医療法人による運営となる点が特徴です。

一部の公立病院で働く助産師は、その病院の助産師であるとともに、都道府県や市町村の地方公務員として働くこととなります。(一般地方独立行政法人が運営する病院では公務員扱いではありません。)なお、自治体直営ではない国立病院や大学病院で働く助産師の場合、厳密には公務員ではなく「みなし公務員(準公務員)」扱いとなることも覚えておきましょう。

また、公立病院で働く助産師の業務内容自体は、一般的な民間病院で勤務する助産師と特に変わりはありません。しかし、公立病院は、より地域医療に根付いていることから、救急搬送患者さんの受け入れが多いといえます。助産師免許取得者は看護師資格も有していることから、助産師業務だけでなく看護師業務や新人看護師の指導を担うケースも多々あるでしょう。

保健所・保健センターで働く

公的機関である保健所・保健センターで働く助産師も、一部の公立病院で働く助産師と同様、地方公務員扱いとなります。

保健所とは、地域住民のいきいきとした暮らしや健康を支えることを目的に、都道府県や市町村によって各地域に設置される公的機関です。一方で保健センターは、地域住民に対して総合的な地域保健サービスを提供することを目的に、各市町村に設置される公的機関を指します。いずれも地域保健法にもとづき設置される公的機関であり、窓口によってあらゆる役割を果たすことが特徴です。

保健所・保健センターで働く助産師の主な仕事内容は、病院・診療所のような「お産の介助」ではありません。地域に住み、子育てに悩むお母さんに向けた子育て支援・育児相談・乳幼児健診などのあらゆる支援です。時には、子育てによるさまざまな問題に直面し、精神的なトラブルが発生したお母さんのカウンセリングやメンタルケアも行います。
(出典:厚生労働省「保健所の活用の仕方~どんな時に頼れば良いの?~」

助産師が公務員として働くメリットとデメリット

助産師が公務員として働くメリットとデメリット

助産師が公務員として働くことには、いくつかのメリットがある一方で、もちろんデメリットも存在します。

メリット デメリット
  • 安定して働ける
  • 休日・休暇が比較的とりやすい
  • 女性にとって働きやすい
  • 給与が上がりにくい
  • 雇用保険に加入できない
  • 副業ができない

ここからは、助産師が公務員として働くメリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説します。

公務員として働くメリット

助産師が公務員として働くメリットには、下記の3つが挙げられます。

メリット(1)安定して働ける

助産師が公務員として働くことの最大のメリットが、安定して働けるという点です。民間企業で働く方の場合、業績や経済動向によって収入が変動する可能性がある一方、公務員は基本的に収入や待遇がよく、かつ安定している傾向にあります。加えて、公務員には充実した年金払い退職給付もあるため、老後も安心です。

メリット(2)休日・休暇が比較的とりやすい

公務員は基本的に安定した雇用が保障されており、休日・休暇が比較的とりやすいことも特徴です。特に休暇制度は非常に整っており、産前産後休暇・育児休暇などはしっかりとれるでしょう。ライフワークバランスを重視した働き方ができる点も、大きなメリットといえます。

メリット(3)女性にとって働きやすい

福利厚生が充実していない民間企業の場合、妊娠・出産によりキャリアを諦めなければならないという女性も少なくありません。しかし、比較的福利厚生が充実しており、前述の通り休暇制度をしっかりと活用できる公務員であれば、結婚や出産、子育て、介護といった人生における大きなイベントに直面しても、キャリアを諦めることなく働き続けられます。助産師は、女性だからこそ活躍できる職種です。女性が働きやすい環境であるという点は、助産師にとって非常に大きなポイントであるといえるでしょう。
(出典:人事院「◇妊娠・出産・育児・介護と仕事の両立支援のページ」

公務員として働くデメリット

助産師が公務員として働くデメリットには、下記の3つが挙げられます。

デメリット(1)給与が上がりにくい

地方公務員の給与は、業績や個々の能力で決まるわけではなく、一般的に年功序列となっています。したがって、仕事で結果を出したからといって給与は変わらない傾向にあります。業績や能力によって給与アップが期待できる民間企業と比較すると、大きなデメリットといえるでしょう。また、保健所・保健センターで働く場合、夜勤がなくなるため転職前よりも給与が減るケースがあることにも注意が必要です。

デメリット(2)雇用保険に加入できない

地方公務員は、民間企業と違って業績不振による倒産のリスクがないため、雇用保険がありません。雇用保険に加入できなければ、退職しても失業保険を受け取ることが不可能となります。たとえ、やむを得ず転職しなければならないケースであっても同様です。しかし、失業保険に相当するものとして退職手当を受け取れる場合もあります。

デメリット(3)副業ができない

公務員は、公務員法によって副業が禁止されており、基本的に副業が認められていません。しかし、「職務に関連する利害関係が生じない・本職に影響を及ぼさない・本職の信頼やイメージを傷つけない」といった基準を満たした場合は、例外的に認められるケースもあります。

助産師が公務員になるには?

助産師が公務員になるには?

助産師が公務員として働くためには、公立病院・保健所・保健センターいずれの職場においても、基本的に各自治体が実施する公務員試験を受けて合格する必要があります。

しかし、公立病院の場合、病院が独自に応募資格や採用基準を設けているところもあります。このケースであれば、公務員試験を受けずに公務員扱いの助産師として活躍することが可能です。とはいえ、その分採用試験や面接の難易度が上がることに注意しておきましょう。一方、保健所・保健センターで公務員として働く場合は、公務員試験の合格が必須です。

公立病院や保健所・保健センターによる公務員扱いの助産師求人は数が少なく、人気も高くなっています。公務員扱いの助産師となるには、しっかり情報収集を行ったうえで就職活動・転職活動に備えることが大切です。

まとめ

一部の公立病院や保健所・保健センターで働く助産師は、地方公務員扱いとなることが特徴です。

公務員扱いの助産師として働くことには、「安定して働ける」「休日・休暇が比較的とりやすい」「女性にとって働きやすい」といったメリットがあります。その一方で、「給与が上がりにくい」「雇用保険に加入できない」「副業ができない」などのデメリットが存在することも覚えておきましょう。

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※当記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています

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