• 2023年1月31日
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看護師が疲れたと感じるのはどんな時? 対処法やNG行動も

 

患者さんや施設の利用者さんの健康を守る看護師は、日々責任感やプレッシャーを抱えて勤務をすることから、心身ともに疲れを感じやすいことが特徴です。

疲れを感じながら働くことは、やがて大きなストレスとなり、自身の健康を脅かす可能性があります。患者さんや施設の利用者さんの健康を守らなければならない看護師が重大な体調不良に陥るのを防ぐためにも、疲れを感じるきっかけや理由、さらに疲れたと感じた時の対処法を知っておきましょう。

今回は、看護師が疲れたと感じるきっかけ・疲れたと感じた時の対処法・疲れたと感じる時にやってはいけないことを解説します。

看護師が疲れたと感じるきっかけ

看護師が疲れたと感じるきっかけ 看護師が疲れたと感じる理由は、人によって大きく異なります。そのなかでも、よくあるきっかけ・理由は下記の3つです。

  • 業務量の増加
  • 人間関係の悪化
  • スキル不足

まずは、これらのきっかけについて、看護師の働き方と絡めながら分かりやすく説明します。日々の業務に少しでも疲れを感じている看護師さんは、ぜひご覧ください。

業務量の増加

看護師が疲れを感じる最も代表的なきっかけや原因が、業務量の増加です。

看護師は、業務多忙・残業が起こりやすい職業ともいえます。24時間体制で運営する総合病院などの病棟看護師の場合、2交替制勤務や3交替制勤務で日勤スタッフと夜勤スタッフが定められた時間に入れ替わるケースが一般的です。しかし、24時間体制で運営しない職場や人手不足の職場の場合は、プライベートの時間が取れないほど多忙になるケースもあります。

また、交代制勤務であっても業務量の増加による疲労は十分に考えられます。実際に、日本看護協会の資料において「交代制勤務23人に1人が過労死の危険あり」と述べられています。
(引用:公益社団法人 日本看護協会「「時間外勤務、夜勤・交代制勤務等緊急実態調査」結果 交代制勤務 23 人に 1 人が過労死の危険あり~「ナースのかえる・プロジェクト」始動!~」

少子高齢化が進み、医療サービスを必要とする高齢者が大幅に増加する近年、職場・勤務形態問わず業務量の増加によって疲弊する看護師たちは多くいるといえるでしょう。

人間関係の悪化

看護師が疲れたと感じるきっかけや原因の1つが、人間関係の悪化です。

看護師は、医師やほかの医療スタッフ、患者さんや患者さんの家族など、幅広い方々と関わる必要があります。そのなかでも、ともに働くほかの看護師や医療スタッフとは、仕事のやり方や考え方の違いによって悪化するケースも決して珍しくありません。また、若手看護師の場合は看護部長や先輩看護師たちからの厳しい指導に疲弊・萎縮を感じるケースもあります。

日々の業務で多忙なうえ、人間関係の悪化によって職場の居心地が悪くなると、疲労感や精神的ストレスは非常に増すでしょう。職場の人間関係の悩みによって、退職・転職を決断する看護師も一定数います。

スキル不足

看護師は、資格を取得するだけで最前線で活躍できる職業ではありません。多くの方から信頼されるような看護師になるためには、着実にスキルアップを図る必要があります。加えて、医療技術の著しい発達・発展が見られる近年では、新たな知識の習得も求められるようになりました。

医療知識や医療技術は、日々変化し続けます。このような変化にしっかりとついていくためには、常に向上心をもって知識やスキルを習得し続けなければなりません。しかし、モチベーションの維持が難しい方は看護技術やスキルの不足を実感する場面も多く、疲れを感じやすくなることが実情です。

立場によって看護師が疲れたと感じる理由は異なる 

立場によって看護師が疲れたと感じる理由は異なる 

新人看護師・中堅看護師・ベテラン看護師など、看護師の立場によっても業務負担や抱えやすい悩みは異なります。それぞれの抱えやすい悩みは、下記の通りです。

立場 抱えやすい悩み
新人看護師
  • 中堅看護師やベテラン看護師と同様のスキルを求められる
  • 小さなミスの連発により自信がなくなってきた
中堅看護師
  • ベテラン看護師と新人看護師の板挟みとなる
  • 責任のある仕事が増えてきてプレッシャーを感じる
  • 仕事量は増えているのに給料が上がらない
ベテラン看護師
  • 周囲から頼られることに大きなプレッシャーを感じる
  • 通常の看護業務以外の業務負担が増加する
  • 年齢的に夜勤がつらくなってきた

このように、たとえ看護師としての経験を多く積んだ状態であっても、普段の立場や任される業務によって多種多様な悩みが発生することを覚えておきましょう。

看護師が疲れたと感じる時の対処法

看護師が疲れたと感じる時の対処法

看護師が仕事に疲れたと感じる際は、決してそのままにせず、適切な対処をすることが大切といえます。疲れを放置すると、やがて大きなストレスとなり、休職・転職・退職をせざるを得ないほど体調を崩す可能性が高まるためです。

ここからは、看護師が疲れたと感じる時の対処法を4つ紹介します。

積極的にリフレッシュする

日々の仕事に心身ともに疲労を感じた時は、まず積極的にリフレッシュをしてみましょう。

これまで仕事が終わって一直線に帰宅していたという方や、休日は1日中寝ていたという方は、マッサージや温泉・岩盤浴などでゆっくりと身体を休めることが大切です。疲れのあまり自宅ですぐに寝ころびたいと考える方も多いものの、外に出て自宅以外の場所で非日常を味わうことは気分転換にもなり、意外と大きなリフレッシュにつながります。

有給休暇が取れる場合は、思い切って1日休んで仕事から離れてみるのもよいでしょう。

休暇や休職を検討する

看護師の仕事に疲れたと感じている方のなかには、仕事とプライベートのオン・オフをはっきりさせられていない方も多くいます。休日も仕事のことを考える・スキルアップのために勉強することはもちろんよいことではあるものの、疲労感だけが蓄積しては意味がありません。

仕事とプライベートの切り替えができていないことによって疲れを感じているなら、思い切って休暇・休職を検討するとよいでしょう。休暇・休職の間は友だちと遊ぶ・リフレッシュを図る・実家に帰るなどして、仕事のことを一切考えず自分のために時間を使うことが大切です。

働き方の改善を視野に入れる

「看護師の仕事に心身ともに疲労を感じているけど、今の環境から離れたくはない」という場合は、現在勤務している職場で働き方を変えられないか打診するのも1つの手段です。例えば、疲れの原因が主に夜勤であれば、夜勤なしで働きたい旨を伝えるとよいでしょう。

近年、医療業界・介護業界では慢性的な人手不足に陥っています。職場側からすると、夜勤という働き方が原因で退職されるよりも、なんとかそのスタッフさんの働き方を改善させて残ってもらうほうがよいことは明白です。そのため、働き方の改善に協力してもらえるケースも多々あります。

相談する際は、どのような働き方なら続けられるかを明確にしておくことが重要です。また、夜勤をなくしたいという希望を伝える場合は「週の休みを減らす」など、代わりとなる条件を提案してみるのもよいでしょう。

上手に睡眠を取る

看護師の疲労の背景には、睡眠不足や変則的な生活リズムも挙げられます。月数回夜勤にあたる看護師の場合は、特にこの傾向が強まるでしょう。睡眠不足や変則的な生活リズムで働き続けると、疲れをより感じやすくなります。そのため、上手に睡眠を取ることを心がけてみましょう。

上手な睡眠のポイントが、「サーカディアンリズム」に沿って睡眠を取ることです。サーカディアンリズムとは、地球上の生物が生まれもつ約24時間周期を指します。サーカディアンリズムに沿って睡眠を取るためには、レム睡眠を上手に取れる夜間の睡眠が最も重要です。

夜間にまとまった時間の睡眠ができない夜勤中は、良質な睡眠のためにも1時間程度の仮眠を必ず取るようにしましょう。理想的な仮眠時間は2時間ですが、10分程度の短い仮眠時間でも眠気覚ましに効果的となるため、仮眠を取れるときは積極的に取ることが大切です。
(出典:公益社団法人 日本看護協会「夜勤のための上手な睡眠のとり方」

看護師が疲れたと感じる時にやってはいけないこと

看護師が疲れたと感じる時にやってはいけないこと

疲れたと感じた際の行動によっては、疲れやストレスがさらに悪化する恐れがあります。本格的な体調不良を招かないためにも、下記のような行動は避けておきましょう。

  • 悩みを抱え込み無理に仕事を続ける
  • 不適切なストレス発散を行う
  • 無計画に辞める

悩みを抱えて無理に仕事を続けることや、自分に合っていないストレスの発散方法を試すことは、かえって疲労を増加させる可能性があります。誰かに相談する、自分の本当にやりたいことをするなどして気分転換を測りましょう。

また、大きなストレスから突発的に、かつ無計画に退職を決意する方も少なくありません。無計画に辞めることで、次の職場探しに苦戦する可能性があるだけでなく、無職期間中の焦りからさらにストレスを抱える要因にもなり得ます。

思い切って辞めようと決意した際は、必ず次の転職先を見つけてから退職することをおすすめします。

まとめ

看護師が疲れたと感じるきっかけは人によって大きく異なります。そのなかでも、「業務量の増加」「人間関係の悪化」「スキル不足」は特に多いきっかけといえるでしょう。また、看護師ならではの悩みは立場によっても異なるため、我慢し続ければいつかはストレスフリーで働けるというわけでもありません。

仕事に疲れたと感じた際は、積極的にリフレッシュをするか、働き方の改善を希望するとよいでしょう。加えて、思い切って転職するのも1つの手段です。

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※当記事は2022年11月時点の情報をもとに作成しています

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