• 2022年9月28日
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看護必要度とは? 評価の目的や評価基準・方法についても解説

 

日々看護必要度を評価している看護師さんのなかには、看護必要度を評価する目的や、看護必要度がどのように活用されているかを詳しく知らない方もいるでしょう。患者さんの状態を知り、看護必要度を評価することは、診療報酬や看護師の人員配置にも関わる重要な業務です。

当記事では看護必要度について、目的や評価基準・評価方法について詳しく解説します。業務の詳細を理解することは、適切な看護必要度の評価にもつながるでしょう。

看護必要度とは?

看護必要度とは、入院している患者さんがどの程度看護を必要としているかを測り、看護師の適切な人員配置を実現するために導入された指標のことです。看護必要度を正しく評価することで、患者さんにとって適切なケアを行うために必要な人員配置を把握できます。

ここでは看護必要度を評価する目的や、適切な人員配置基準について詳しく解説します。

看護必要度を評価する目的は?

入院患者さんは、症状によって常にモニタリングや看護を必要とする重症患者さんや、軽症でそれほど看護師の対応を必要としない人などさまざまです。患者さんの看護必要度を評価することで、病棟の看護師の人員配置を正しく行えます。

また、看護師の人員配置は診療報酬の入院基本料にも関わります。看護師の人員が多く、手厚い医療を提供する医療機関であるほど入院基本料は高く設定されるため、看護必要度は診療報酬を算定する際にも影響する非常に重要な数字です。

看護必要度による看護職員の配置基準は?

看護必要度の基準を満たす患者の割合によって、看護職員の人員配置基準は以下のように定められています。

  看護職員 該当患者割合の基準(I/II) 平均在院日数 在宅復帰・ 病床機能連携率
200床以上 200床以下
入院料1 7対1 31%/28% 28%/25% 18日以内 8割以上
入院料2 10対1 27%/24% 25%/22% 21日以内
入院料3 24%/21% 22%/19%
入院料4 20%/17% 18%/15%
入院料5 17%/14%
入院料6 測定していること

(出典:厚生労働省保険局医療課「令和4年度診療報酬改定の概要」

入院基本料は、多くの看護師が配置される「入院料1」の区分が高く、「入院料6」になるにつれ低くなっていきます。人員配置が7対1の病院は、人員が多く配置されているため業務量が比較的少ないという特徴があり、働く看護師にとってもメリットが大きいといえます。

看護必要度ⅠとⅡの違い

看護必要度には「看護必要度Ⅰ」と「看護必要度Ⅱ」の2種類があります。看護必要度Ⅰ・Ⅱの違いは、看護師が直接評価をしているかどうかです。

従来、看護必要度は研修を受けた看護師が目視で評価をしていましたが、レセプト電算処理システム用コードの導入により、診療の実績データから評価を行えるようになりました。より正確なデータを用いられるうえ、看護師の業務量も削減できるため、現在は許可病床数が200床以上の病院では看護必要度Ⅱで評価を行うよう求められています。
(出典:厚生労働省保険局医療課「令和4年度診療報酬改定の概要」

看護必要度はどのように評価する?

看護必要度はどのように評価する?

看護必要度を評価する基準や方法は、厚生労働省の診療報酬改定によって細かく定められています。ここでは、看護必要度の評価を具体的にどのように行うのか解説します。評価方法や評価する際の注意点を理解したうえで、正しく看護必要度の評価を行えるようにしましょう。

看護必要度の評価基準

看護必要度の評価は、以下のABCの項目を確認することで行われます。A項目は実際に患者さんに行った処置、B項目は患者さんの状態、C項目は医学的な状況が基準になっています。

A モニタリング及び処置等 0点 1点 2点
1 創傷処置
(①創傷の処置(褥瘡の処置を除く)、② 褥瘡の処置)
なし あり
2 呼吸ケア(喀痰吸引のみの場合を除く) なし あり
3 注射薬剤3種類以上の管理 なし あり
4 シリンジポンプの管理 なし あり
5 輸血や血液製剤の管理 なし あり
6 専門的な治療・処置
(① 抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)、
② 抗悪性腫瘍剤の内服の管理、
③ 麻薬の使用(注射剤のみ)、
④ 麻薬の内服、貼付、坐剤の管理、
⑤ 放射線治療、
⑥ 免疫抑制剤の管理(注射剤のみ)、
⑦ 昇圧剤の使用(注射剤のみ)、
⑧ 抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)、
⑨ 抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用、
⑩ ドレナージの管理、
⑪ 無菌治療室での治療)
なし あり
7 Ⅰ:救急搬送後の入院(5日間)
Ⅱ:緊急に入院を必要とする状態 (5日間)
なし あり

B 患者の状態等 患者の状態 × 介助の実施
0点 1点 2点 0 1
9 寝返り できる 何かにつかまればできる できない
10 移乗 自立 一部介助 全介助 実施なし 実施あり
11 口腔清潔 自立 要介助 実施なし 実施あり
12 食事摂取 自立 一部介助 全介助 実施なし 実施あり
13 衣服の着脱 自立 一部介助 全介助 実施なし 実施あり
14 診療・療養上の指 示が通じる はい いいえ  
15 危険行動 ない ある

C 手術等の医学的状況 点数
16 開頭手術(13日間) 1点
17 開胸手術(12日間) 1点
18 開腹手術(7日間) 1点
19 骨の手術(11日間) 1点
20 胸腔鏡・腹腔鏡手術(5日間) 1点
21 全身麻酔・脊椎麻酔の手術(5日間) 1点
22 救命等に係る内科的治療(5日間) 1点
23 別に定める検査(2日間) 1点
24 別に定める手術(6日間) 1点
(出典:厚生労働省保険局医療課「令和4年度診療報酬改定の概要」

また、急性期一般病棟の場合「看護必要度を満たす患者」とは下記のいずれかの条件に該当する患者さんです。

  • A項目3点以上
  • A項目2点以上かつB項目3点以上
  • C項目1点以上

(出典:厚生労働省「入院(その9)」

看護必要度を正しく評価するため、医療現場の状態を考慮しながら看護必要度の基準は診療報酬改定のたびに変更されています。たとえば2022年度に行われた診療報酬改定では、それまでA項目の対象となっていた「心電図モニターの管理」が削除されました。退院直前まで心電図モニターを装着しているケースがあるなど、患者さんの重症度の基準にはならないと判断されたためです。
(出典:厚生労働省「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る 評価項目及び該当患者割合の基準について 」

看護必要度の基準は定期的に見直しが行われているため、適宜変更点を確認し、知識をアップデートさせることが大切です。

看護必要度の評価方法

看護必要度の評価は、院内研修を修了した者が行え、評価者は患者さんに行った処置やモニタリング、患者さんの状態や日常生活動作の自立度を毎日評価します。評価の際は推測ではなく、記録と観察に基づいて、毎日一定の時刻で行わなければなりません。

また、病棟以外で行われた処置については評価の対象にならないため、手術室や透析室、レントゲン室での評価は含まれないことに注意が必要です。評価は基準に沿って、正確に行いましょう。
(出典:厚生労働省「一般病棟用の重症度・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」

看護必要度評価の注意点

看護必要度は、正しく評価することが大切です。適切な評価を行うためには、以下の2点に注意する必要があります。

評価漏れがないようにする
看護必要度の評価では、毎日看護師が患者さんの状態を確認し、記録に残す必要があります。多くの業務を抱える看護師さんにとって看護必要度の評価は負担になり、記載漏れが発生することがあります。

また、医師や理学療法士などのさまざまな医療従事者が患者さんに関わることや、勤務交代の時間帯に処置を行うことも多く、実態として評価漏れは非常に発生しやすい環境です。行った処置や患者さんの状態を正しく記録に残すため、看護師さんの業務負担の軽減や医療従事者内での情報共有をうまく行える体制を整えることが大切です。看護師さん自身も、勤務の終わりに評価内容を見直すなど、正しく看護必要度を評価できるような工夫をしましょう。

適切な処置を行うようにする
看護必要度は病院の診療報酬に関わります。看護必要度が高い患者さんが多ければ多いほど、病院は受け取る診療報酬を増やせるため、できるだけ患者さんへ処置を行おうとするケースが発生します。不必要な医療行為を行えば、患者さんの負担になるだけでなく、本当に医療行為が必要な患者さんが看護を受けられなくなることもあるため注意が必要です。

診療報酬のために看護を行うのではなく、きちんと患者さんの治療と回復につながる看護を行うようにしましょう。

(出典:厚生労働省「入院医療(その5)」

まとめ

看護必要度とは、患者さんがどのくらい看護を必要としているのかを把握するために用いられる手法であり、病院の診療報酬や看護師の人員配置にも関わる重要なものです。看護必要度の評価基準は、診療報酬が改定されるごとに変更・改善されています。看護必要度を評価する際には最新の情報を確認し、定期的に研修を受けるなどして知識を更新し続けましょう。

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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

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