• 2022年9月20日
  • 2022年9月20日

血管造影(アンギオ)の仕事内容|働くメリット・看護ポイント

 

血管造影(アンギオ)とは、血管の狭窄や膨らみ、閉塞などを調べる検査方法です。主にくも膜下出血や脳腫瘍、心筋梗塞などの脳や心臓、腹部などで血管の異常が見られる疾病を発見するために用いられます。高度なスキルと専門性が求められるので、スキルアップを考えている看護師さんには魅力的な仕事です。

当記事では、血管造影室(アンギオ室)での仕事内容や、検査の手順、看護ポイントについて解説します。血管造影室で働くメリットについても紹介しますので、血管造影の仕事に興味のある看護師さんは、ぜひお読みくださいね。

【看護師】血管造影室(アンギオ室)の仕事内容と必要なスキル

血管造影検査(以下、アンギオ検査)は、医師の働き方改革において看護師さんに推進される仕事のうちの1つです。「タスクシフト/シェア」への取り組みの一環として、アンギオ検査に関する業務の習得が進められています。
(出典:厚生労働省「現行制度上実施可能な業務の推進について」

また、血管造影室(以下、アンギオ室)は、主に心臓・脳・腹部などさまざまな部位の血管の検査を行うため、看護師さんにはさまざまなスキルが求められます。ここでは、アンギオ室の仕事内容と看護師さんに求められるスキルについてご紹介します。

仕事内容

アンギオ室での仕事内容は、以下の通りです。

・アンギオ検査

アンギオ検査は、血管内に挿入したカテーテルから幹部に造影剤を注入し、X線を使用して写し出した血管の記録を残す作業です。血管には動脈と静脈があり、それぞれの検査方法は異なります。

動脈造影検査 鼠径部の大腿動脈や、前腕部の橈骨動脈または肘動脈から、直径数mmのカテーテルを造影する位置まで進め、造影剤を注入し撮影する方法です。
静脈造影検査 下肢などの静脈瘤の検査は、直接針を刺して造影剤を注入します。肺動脈造影は、動脈造影検査と同じようにカテーテルを使用して造影剤を注入し、撮影します。
(出典:公益社団法人 日本放射線技術学会「血管造影検査」

・患者さんのサポート

アンギオ検査では、患者さんは長時間同じ体勢でベットに横になり、検査を受ける必要があります。患者さんにとって、アンギオ検査は身体的・精神的に負担が大きいため、看護師さんのサポートは必要不可欠です。

また患者さんに、検査内容や、検査によって引き起こされる恐れがある偶発症について分かりやすく説明するほか、検査前の健康状態のチェックも行います。検査中には患者さんに励ましの声をかける、苦痛を感じていないかを確認するなど、患者さんの負担軽減につながるサポートをします。

求められるスキル

アンギオ室で働く看護師さんには、以下のようなスキルが求められます。

・コミュニケーション能力

アンギオ室で働く看護師さんには、コミュニケーション能力が求められます。検査中の患者さんを励まし、話を振って気を紛らわせることは、看護師さんの重要な役割の1つです。

・観察力、洞察力

アンギオ検査には、出血や造影剤使用によるショック症状などの偶発症を引き起こす恐れがあります。看護師さんには、患者さんの異変やトラブルの兆候を見逃さない高い観察力・洞察力が必要でしょう。

・臨機応変な対応

アンギオ室において看護師さんは、患者さんに配慮しつつ異変やトラブルがないか観察し、そのうえで医師や技師と連携し検査を進めます。さまざまな対応を同時進行で行うので、その場の状況を見極めて臨機応変に対応するスキルが求められます。

看護師が血管造影室(アンギオ室)で働くメリット

看護師が血管造影室(アンギオ室)で働くメリット

看護師さんがアンギオ室で働くと、自身のスキルアップはもちろん、働き方や取り入れる知識によってはキャリアアップにつながる可能性があります。

ここでは、看護師さんがアンギオ室で働くメリットを2つ紹介します。アンギオ室での勤務を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

専門性が高まりスキルアップにつながる

アンギオ室で働くと、血管や疾患についての専門知識を身につけることが可能です。検査を行うことで、脳や心臓、手足の血管の状態が分かるほか、血管の障害の程度を認識できるようになります。血管の状態や障害の程度が分かると、患者さんの症状やレベルに合わせた看護が可能となります。

通常の看護のスキルに加えて専門知識を高めることで仕事の幅が広がり、患者さんやご家族の方、同僚からも信頼を得られるでしょう。

患者さんの疾患の状態について把握しやすくなる

アンギオ検査専門で勤務する看護師さんは少なく、一般の病棟勤務と並行して業務を行うことが多い傾向です。アンギオ検査を行う頻度が高い病院で働くと、脳や心臓などエリアごとの疾患の内容や程度を実際に確認しながら知識を増やせます。

疾患への理解が深まると、患者さんの変化に気づきやすくなり、アセスメント力の向上も期待できますので、医師など一緒に働くほかの業種の方とよりスムーズな連携をとれるでしょう。

血管造影検査(アンギオ検査)の手順

血管造影検査(アンギオ検査)の手順

アンギオ検査の手順は、検査部位や疾患によって異なります。ここでは、一般的なアンギオ検査の手順について紹介します。

検査前
  • 患者さんに検査内容や方法、検査による合併症や偶発症の説明をする
  • 検査の3~6時間前に絶飲食をしてもらう
  • 検査前に排せつを促す
  • カテーテルを挿入する部分の除毛をする
  • 検査着の着用し、義歯などの装着物を外す
  • 医師の指示で検査前に鎮静目的の投薬をする

検査中
  • 点滴を使用し水分補給をする
  • 患者さんにアンギオ検査室の検査台に移動してもらう
  • 心電図や血圧計を装着する
  • 検査中は身体を動かさないように説明する(状況によっては患者さんから許可を得て四肢を固定する)
  • カテーテルを挿入する部分を消毒し、局所麻酔をする
  • カテーテルを挿入する
  • 患者さんに適宜声かけと説明、バイタルのチェックをする
  • レントゲン撮影をする
  • カテーテルを抜き取る

検査後
  • 医師が圧迫止血をする
  • 患者さんが帰室後、4時間ほど仰向けの姿勢で安静を保つ
  • 特に異常がなければ水分摂取をすすめ、軽食をとってもらう
  • 検査後、半日~1日は腕や足を屈折しないように安静を保つ
  • 検査翌日の入浴は避けてもらう(程度による)

(出典:医療法人 原三信病院「血管造影検査(アンギオ)」
(出典:北海道大学病院 放射線部「血管造影」
(出典:MSDマニュアル家庭版「血管造影 – 26. その他の話題 – 」

血管造影検査(アンギオ検査)における看護ポイント

血管造影検査(アンギオ検査)における看護ポイント

アンギオ検査のなかでも、カテーテルの挿入は合併症や副作用のリスクが高く、患者さんにとっては不安を感じる工程です。そのため、看護師さんには、バイタルチェックで患者さんの少しの異変も見逃さないこと、患者さんの不安に寄り添うことが求められます。

ここでは、アンギオ検査における看護のポイントを検査前・検査中・検査後に分けて解説します。

●検査前

・患者さんの検査を受ける目的や体質の確認
アンギオ検査の前には、患者さんに検査方法や当日の流れ、検査目的の説明が必要です。同時に、検査による合併症や偶発症についても説明し、同意書へサインをもらう必要があります。

また、患者さんの体質の確認も大切です。患者さんが薬物や食物にアレルギーがある場合、投与する予定だった鎮静剤や鎮痛剤が使えない恐れもあります。

●検査中

・時折声をかけて患者さんの状態を把握する
患者さんのバイタルチェックと声かけを行い、患者さんの状態を把握することもポイントです。特に、気分が優れず嘔吐がみられる場合は、誤嚥に注意しましょう。

●検査後

・検査前と検査後の状態を比較する
血圧や体温、呼吸状態などのバイタルサインを検査前と検査後で比較するのも重要です。検査後も異常が継続する場合は、速やかに医師に報告し対処しましょう。

・副作用や合併症の確認・観察をする
患者さんに副作用や合併症が起きていないかを確認・観察することは、アンギオ検査において重要な業務の1つです。患者さんに胸部不快などの症状がないか、カテーテル挿入部位に出血や血腫がないかを観察しましょう。

まとめ

アンギオ検査は医師の働き方改革において看護師さんに推進されている仕事の1つで、自身のスキルアップやキャリアアップにつながるというメリットがあります。アンギオ室で働くと、血管や疾患についての専門知識が深まり、仕事の幅を広げることも可能です。

マイナビ看護師では、転職サポートを実施しています。看護職専門のキャリアアドバイザーが、将来の展望や希望に沿った転職先の提供など、さまざまなサポートを行っております。アンギオ室で働くことを検討している看護師さんは、ぜひマイナビ看護師にご相談ください。

※当記事は2022年7月時点の情報をもとに作成しています

著者プロフィール