医療施設とひとくちにいっても、提供する医療やサービス・対象の患者さんによってあらゆる種類に分けられます。そのなかでも、死期の近い患者さんのケアを専門とする施設の1つが「ホスピス」です。
終末期患者をケアする施設は、ホスピス以外にもいくつかあります。そのため、ホスピスとほかの施設を混同して考えている方もいるのではないでしょうか。また、「ホスピスで働くことを検討しているものの、どのような役割を果たすのか、どのようなやりがいがあるのかが知りたい」と考える看護師さんも多いでしょう。
この記事では、ホスピスの概要や対象患者、提供するケアのほか、ホスピスで働く看護師の役割・やりがいを紹介します。
ホスピスとは
ホスピスとは簡単にいうと、末期がんなど生命を脅かす病気を患った死期の近い患者さん(終末期患者)を対象とした、身体的・精神的苦痛の緩和治療やケアを行う施設のことです。
本来、ホスピスは施設を指す言葉ではなく、終末期患者に対する苦痛の緩和治療や医療行為およびケアそのものを指す言葉でした。以前は病院の緩和ケア病棟が主にホスピスケアを行っていましたが、年月が経った現在では全国にホスピス専門の施設が点在しています。
参照元:厚生労働省「緩和ケア」
ホスピスの対象者
ホスピスの主な対象者は、「身体的・精神的な苦痛を和らげ、快適に最期のときを過ごしたい」と考える終末期の患者です。年齢や病気の種類に関する制限は基本的にありませんが、日本ではがん患者を中心に受け入れており、「根本的な治療が難しい患者のみ」など対象患者の条件や制限を設けている施設もあります。
ホスピスの対象者の傾向を見て分かるように、ホスピスはあくまでも苦痛を和らげるためのケアや看護を提供するための施設であり、治療は行いません。ホスピスを利用する患者さん本人がホスピスの趣旨を理解していなければ、最期のときを穏やかに過ごすという目的を果たせないでしょう。そのため、患者さんは家族や医師と病気のこと・今後のことを話し合い、ホスピスの趣旨をしっかり理解したうえで利用するケースがほとんどです。
ホスピスケアを受けられるところ
ホスピスというと病院のイメージがありますが、介護施設や自宅でも受けられます。以下では、ホスピスケアを受けられる「緩和ケア病棟」「特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅」「自宅(訪問看護)」について解説します。
緩和ケア病棟
病院の緩和ケア病棟では、病院とはいっても治癒を目指した治療を行うことはなく、主に身体的・精神的苦痛を和らげる治療やケアを行います。がん患者のケアをメインに行っている緩和ケア病棟が多いのが特徴です。
2022年6月15日時点で、緩和ケア病棟の病床数は9,579床です。32年前の1990年は120床しかありませんでしたが、毎年病床数は増え続けています。施設数に関しても、1990年は届出受理施設の累計は5施設でしたが、2022年6月15日時点では463施設にまで増えています。
超高齢社会である日本では、患者さんの苦痛を和らげる緩和ケアの需要が今後さらに高まると考えられるでしょう。
参照元:特定非営利活動法人 日本ホスピスケア協会「緩和ケア病棟入院料届出受理施設数・病床数の年度推移」
特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅
ホスピスケアを行う介護施設には、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅などがあります。前述した緩和ケア病棟は病院によって入院期間が定められているところがほとんどですが、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅には入居期間に定めがありません。ただし、身体介助に介護保険を利用するので、特別養護老人ホームの場合、要介護3以上の認定を受けている方が対象になることがほとんどです。
介護施設では介護職や理学療法士、作業療法士などが在籍しており、日々の介護のほかレクリエーションやリハビリなどが行われます。施設によって特色は異なるので、患者さん自身にあう介護施設を選ぶことが大切です。
自宅(訪問看護)
在宅で受けるホスピスケアは「在宅ホスピス」と呼ばれ、医師や訪問看護師が患者さんの自宅を訪れてケアを行います。緩和ケア病棟や介護施設とは違ってプライバシーはより確保されるうえ、家族と生活を送ることができます。住み慣れた自宅でさまざまなケアを受けられるため、患者さんにとっては最期のときを安心して迎えられるでしょう。
もし、自宅で具合が悪くなった場合は病院に入院することも可能です。加えて、自宅で介護をする家族が身体的・精神的負担を感じ、十分な介護ができなくなると判断した場合は、レスパイト入院(一時的な入院)もできます。
ホスピスで提供される治療・ケア
ホスピスでは、患者さんの病気そのものの治療や、積極的な延命措置の提供は行いません。そのため、抗がん剤の使用や治療手術は行われないことになっています。しかし、医療的な治療・ケアが一切行われないということではありません。
ホスピスでは、必要に応じて患者さんに対する医療的なケアも提供します。以下では、ホスピスで提供される治療・ケア内容について詳しく紹介します。
緩和ケア
ホスピスでは、緩和ケア病棟で主に提供される「緩和ケア」を行っています。緩和ケアとは、疾患による身体的・精神的苦痛を和らげるためのケアのことです。
ホスピス・緩和ケア病棟ともに、対象患者は主に「がん患者」です。がんになると、多くの患者さんが倦怠感や痛みを感じます。それだけでなく、がんである事実や日々の症状に落ち込む、迫りくる死への恐怖を感じるなどの理由から、精神的な苦痛が生まれることも少なくありません。
そのため、ホスピスでは苦痛を軽減させることはもちろん、最期のときまで患者さんが自分らしく過ごせるように心のケアも行います。
ターミナルケア
ターミナルケアとは、病気の進行度によってあらゆる医療がすでに無効であり、余命わずかと判断された終末期に行われる「終末期医療」を指します。
ターミナルケアは身体的・精神的苦痛を取り除き、QOLの維持・向上を目的としたケアが中心であり、延命を目的とした治療は行いません。体の痛みを除去する「身体のケア」と、疾患に対する不安や恐怖を緩和する「心のケア」、さらに経済的な負担を取り除く「社会的ケア」の3つに分けられます。一人ひとりどのようなケアを念頭に置くかは、患者さんの希望によって異なります。それぞれの具体的な取り組み内容は、下記の通りです。
身体のケア |
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心のケア |
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社会的ケア |
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看取りケア
看取りケアとは、死が避けられないと判断された患者さんに対して、身体的・精神的な苦痛を緩和するとともに、人生の最期のときまで「尊厳ある生活」を支援することです。「看取り介護」とも呼ばれています。
ターミナルケア(終末期医療)は「医療」という言葉がついているように、終末期に適した医療・看護を提供します。一方で、看取りケアは日常生活におけるケアが中心です。緩和ケアと少し似た部分もありますが、緩和ケアは病気の治療や生活の支援が主であるのに対し、看取りケアはより最期のときに近い支援を行います。
「身体的・精神的な苦痛を和らげ、穏やかに最期のときを過ごしたい」と考える終末期患者が主な対象患者となるホスピスでは、日常的にこの看取りケアが行われています。
死別ケア
ホスピスや緩和ケア病棟でのケアプログラムでは、患者さんだけでなくその家族も対象としたケアが存在します。家族を対象としたケアのなかで、最も重要となるのが死別ケアです。「グリーフケア」とも呼ばれています。
残された家族は深い悲しみを感じ、生きる意味を見失う人も珍しくありません。人生に悲観的になると、新たな人生を歩み始めることが困難になります。ホスピスでは、このような悲しみを抱えた遺族に対し、医師や看護師、心理療法士が中心となって、普段の日常生活に再び適応できるよう支援・援助します。
死別ケアの具体的な取り組み内容には、「医師や病棟スタッフから遺族に手紙を郵送する」「死別1年後など定期的に“偲ぶ会”や“家族会”を開催する」「遺族によるサポートグループを運営する」などが挙げられます。
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ホスピスの費用相場
看護師として働くうえで、利用者さん一人ひとりが負担するホスピスの費用を把握しておくことが大切です。以下では、緩和ケア病棟・介護施設・訪問看護のホスピスの費用相場について解説します。
緩和ケア病棟
ホスピス・緩和ケア病棟の入院費は、公的医療保険の対象です。緩和ケア病棟入院料1の病院と、緩和ケア病棟入院料2の病院があり、病院ごとに異なります。
【1日あたりの入院費用】
1 ~30日 | 31日~60日 | 61日以上 | |
---|---|---|---|
緩和ケア病棟入院料1 | 51,070円 | 45,540円 | 33,500円 |
緩和ケア病棟入院料2 | 48,700円 | 44,010円 | 32,980円 |
(出典:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定項目の概要」)
上記の料金に、自己負担分をかけたものが支払う金額です。たとえば、入院日数が1~30日・緩和ケア病棟入院料1・1割負担の方の場合、51,070円×0.1で約5,000円が、1日あたりの入院費用となります。また、高額療養費制度の対象となるので、限度額を超えた分は所定の手続きをすれば、費用が返金されます。
ただし、別途差額ベッド代や食事代、おむつ代、寝具のリース料などは必要になるのと、公的医療保険の対象であるため介護保険は利用できません。
介護施設
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、介護施設タイプのホスピスの場合は、基本的には介護保険が適用されます。
介護保険サービス費は、要介護度別の支給限度額内で利用した場合は、1~3割負担です。たとえば、2万円分の介護保険サービスを利用した場合に、1割負担の方が支払う費用は、2,000円となります。
【要介護度別の支給限度額】
要介護度 | 支給限度額 |
---|---|
要支援1 | 50,320円 |
要支援2 | 105,310円 |
要介護1 | 167,650円 |
要介護2 | 197,050円 |
要介護3 | 270,480円 |
要介護4 | 309,380円 |
要介護5 | 362,170円 |
介護保険サービス費以外にも、食費・居住費・管理費などが別途かかります。ただし、胃ろうなどの経管栄養を行う場合は、医療保険が適用されるのが一般的です。
介護施設のなかには「ホスピス住宅」と呼ばれるタイプの施設もあります。介護保険が利用できないホスピス住宅の場合は、要介護認定を受けていなくても入居できるのが特徴です。一方でホスピス住宅と呼ばれていても、サービス付き高齢者向け住宅として登録されている場合は、60歳以上か、60歳未満の方は要介護認定を受けている方しか入居できません。
訪問看護
自宅で緩和ケアを受ける場合は、医師や看護師が訪問して行うケアに対しては医療保険が適用されるので、1~3割負担となります。衛生材料費や交通費、院外処方の薬代などは、基本的に自己負担です。
【訪問看護の概算費用例(管理療養費、基本療養費のみで算定)】
負担割合 | 週1回訪問 | 週3回訪問 | 週5回訪問 |
---|---|---|---|
3割負担の方 | 約15,000円/月 | 約40,000円/月 | 約60,000円/月 |
1割負担の方 | 約5,000円/月 | 約13,000円/月 | 約20,000円/月 |
なお、こちらも医療保険が適用される費用分は、高額療養費制度の対象となるため、一定額を超えた分は、手続きを行うことで返金されます。
また、訪問看護は利用者さんの年齢や疾患状況によって、介護保険のほうが適用となることもあります。
ホスピスで働く看護師の役割
ホスピスで働く看護師は、下記の役割を果たします。
身体的苦痛のケア
ホスピスに入院する患者さんは、病気によるさまざまな身体的問題(痛み・倦怠感・食欲不振・吐き気など)を抱える傾向にあります。ホスピスで働く看護師は、患者さんのこれら身体的苦痛をきちんと把握したうえで、医師と相談のもと適切な対処・措置を施すことが仕事です。
精神的苦痛のケア
ホスピスに入院する患者さんは病気に対する不安や絶望のほか、死への恐怖、入院による孤独感など、あらゆるストレスを抱える傾向にあります。大きなストレスを受けることで、より病状が悪化する恐れもあるでしょう。
看護師はこのような精神的苦痛を抱える患者さんに対し、制止する・諭すなどの行為は行わず、ありのままを受け入れたうえで優しく寄り添い、丁寧なメンタルケアを行います。
家族・遺族への総合的なケア
ホスピスで働く看護師はホスピスに入院する患者さんだけでなく、患者さんをともに支える家族への総合的なケアも行います。患者さんの病気に対する家族の不安やストレスを受け止め、適切に対応するだけでなく、患者さんが亡くなった後のメンタルケア・支援も、ホスピスで働く看護師の重要な役目です。
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ホスピスで働く看護師のやりがい
ホスピスで働く看護師の最も大きなやりがいは、患者さんやその家族・遺族から「ありがとう」と言われることです。どの職種にもいえるやりがいですが、最期のときまで患者さんやその家族とじっくり関わって看護を提供する看護師さんに向けた「ありがとう」という言葉は、非常に心のこもったものとなるでしょう。
また、ホスピスで働く看護師は患者さんの終末期を見守ることとなります。一人ひとりの「人生を最期まで遂げる」という姿は、自身の死生観にも大きな影響を与えるでしょう。
さらに、つねに身体的・精神的苦痛と隣り合わせの患者さんのなかには、人生に前向きになれずうつ状態となっているケースも。そのため、看護師がどれほど患者さんに寄り添った丁寧な対応をしても、結果が付いてこないことも多々あります。
しかし、このような環境においても自身にできることを最大限行い、めげずに患者さんの総合的なケアを行いたいと考える看護師さんであれば、より多くのやりがいを感じることが可能です。
ホスピス勤務に向いている看護師の特徴
ホスピスで働くことが向いている看護師の特徴は、以下の通りです。
思いやりの気持ちがある
ホスピスで働く看護師は、思いやりの気持ちがある、つまり「優しい方」が向いています。身体的苦痛だけでなく、患者さん自身からは言いにくい悩みや精神的苦痛も汲み取ることのできる看護師は、特にホスピスの現場で大きく評価されるでしょう。
相手を尊重できる
ホスピスで働く看護師は、一般的な病院で働く看護師と「立ち位置」が異なります。病院で働く看護師は、患者さんの先に立ち適切な医療や看護ケアを実施します。一方で、ホスピスで働く看護師は患者さんとつねに同じ立ち位置で患者さんを尊重したケア・支援を提供します。
そのため、相手を尊重し、かつ相手のリズムに寄り添える看護師はホスピス勤務が向いているといえるでしょう。
ホスピスで働く看護師が辛いと感じる点
どのような仕事も、それぞれ違った大変さがありますが、それはホスピスで働く場合も同じです。以下のように、一般病棟とはまた違った辛さ・大変さがあります。
患者さんの死と向き合うことになる
終末期ケアを行う仕事のため、看護師は患者さんの死と向き合うことになります。
医療従事者のなかでも、死期の近い患者さんへのケアについて意見の相違はしばしば起こります。実際に、日本看護協会の「人生の最終段階における医療に関する意識調査」によれば、「亡くなる患者(入所者)を担当する頻度が1か月に1名以上」の看護師において、約50.8%の看護師が「患者の治療方針についてほかの医療介護従事者と意見の相違が起こった経験がある」と報告されています。
(出典:日本看護協会「人生の最終段階における医療に関する意識調査」)
患者さんの意思確認ができない場合には、本人の家族と、患者さん本人にとって何が最善であるかを十分に話し合わなければなりません。 患者さんの死と向き合うことや、家族の悲しみに寄り添う瞬間が多い仕事なので、やはり辛い思いをするときは誰しもあるでしょう。
患者さんの行き場のない感情をぶつけられる
死を前にした患者さんや家族の方は、行き場のない気持ちを看護師にぶつけるケースがあります。
公益財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団によれば、終末期において患者さんは「死」そのものだけでなく、「役に立たなくなり周囲の重荷になっているのではないか」「自分には価値がなくなり見捨てられるのではないか」といった精神的な苦しみも抱きやすい、といわれています。
(出典:公益財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団「がん緩和ケアに関するマニュアル/第6章 精神的ケア-1」)
また、せん妄や認知症によって暴力的になる方もゼロではありません。看護師は患者さんやその家族の辛さ・苦しさを理解したうえで、適切なふるまいをする必要があります。
ホスピスで働く看護師に役立つ資格
看護師の場合、ホスピスで働く際に看護師資格以外に必須の資格はありません。ただし、取得しておくと役立つ資格がいくつかあります。以下では、ホスピスで働く看護師に役立つ資格を6つ紹介しているので、ホスピス勤務を希望する方はチェックしておきましょう。
緩和ケア認定看護師
緩和ケア認定看護師とは、緩和ケアにおいて熟練した看護技術と知識を有する者として日本看護協会の認定を受けた看護師のことです。
緩和ケア認定看護師になるには、認定看護師教育機関へ入学して緩和ケアについて学び、カリキュラムを修了後に認定看護師認定審査を受けます。緩和ケア認定看護師になった後も、5年ごとに更新が必要です。
なお、認定看護師教育機関へ入学できるのは、看護師の実務研修が通算5年以上あり、そのうち3年以上は緩和ケア分野の実務研修がある人が対象です。
参照元:日本看護協会「認定看護師」
終末期ケア専門士
終末期ケア専門士とは臨床ケアにおけるスペシャリストで、日本終末期ケア協会が認定する資格です。エビデンスに基づいたケアの実践を行って、終末期の患者さんを心身ともに支えます。
終末期ケア専門士になるには、終末期ケア専門士認定試験を受けて合格する必要があります。試験では、終末期ケア専門士協会認定テキストおよび時事問題から90問が出題。試験時間は90分で、パソコン試験(CBT試験)です。試験に合格したら資格登録を行い、3年ごとに更新をします。
なお、終末期ケア専門士認定試験を受けるには、看護師の場合は実務経験が2年以上、准看護師の場合は実務経験3年以上が必要です。
看取りケアパートナー
看取りケアパートナーは、一般社団法人みんなのプライドが認定している資格です。看取りケアパートナーの資格取得を通して、終末期・看取り期の介護ケアと看取りをする際に必要な知識やスキルを学べます。
看取りケアパートナーの認定試験に受験資格はなく、誰でも受験可能です。試験はマークシート形式で、自宅で受験できます。通信講座で学んで資格取得ができるので、忙しい看護師にも取得しやすい資格といえるでしょう。
臨床心理士
臨床心理士とは、臨床心理学に基づいて精神的な悩みを抱える人々(クライアント)を援助する職業です。
「緩和ケアチームが求める心理士の役割に関する研究」という論文において、「今後、心理士が精神腫瘍医と共にがん医療・緩和医療に大きな役割を果たしていくことを期待されている」と主張されています。
(引用:J-STAGE「緩和ケアチームが求める心理士の役割に関する研究」)
臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。臨床心理士資格を取得するためには、いくつかのルートがありますが、どのルートにおいても大学院で学ぶ必要があります。
(出典:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会)
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日本褥瘡学会認定師
日本褥瘡学会認定師とは、一般社団法人日本褥瘡学会が認定する資格であり、高齢者の入院中に発生しやすい褥瘡(とこずれ)の予防・処置・治療を行うスペシャリストです。
「がん終末期患者の褥瘡に対する意味づけとケアへの期待」という論文では、がん終末期患者は褥瘡の発生を体の衰弱や死と関連付けることで、肉体的にも精神的にも苦痛を感じていると報告されています。また、患者さんのなかには、褥瘡の治療により生きる励みや意欲を感じる方もいます。
(出典:J-STAGE「がん終末期患者の褥瘡に対する意味づけとケアへの期待」)
看護師が日本褥瘡学会認定師になるためには、4年以上継続して日本褥瘡学会の正会員であることが必要です。また、その期間に褥瘡の予防・医療に従事した経験と日本褥瘡学会地方会が主催する教育セミナーを受講する必要もあります。
(出典:一般社団法人 日本褥瘡学会「褥瘡認定師」)
笑い療法士
笑い療法士とは、一般社団法人「癒しの環境研究会」が認定する資格です。笑い療法士の仕事は、笑いを通じて患者さんがもつ自己治癒力を高めるサポートをすることや、笑いによって病気を予防することです。
大阪国際がんセンターの森島敏隆氏らの論文では、笑い療法が、がん生存者のQOLと症状を改善し、臨床現場における有益な介入となる可能性が述べられています。
(出典:PLOS ONE「Effects of laughter therapy on quality of life in patients with cancer: An open-label, randomized controlled trial」)
笑い療法士になるためには、書類選考ののち、講習の受講と講習後に課題を提出し、合格することが必要です。
(出典:一般社団法人癒しの環境研究会「笑い療法士のご案内」)
まとめ
ホスピスとは、余命わずかと宣告された死期の近い患者さん(終末期患者)を対象とした、身体的・精神的苦痛の緩和治療や総合的なケアを行う医療施設のことです。患者さんの苦痛を和らげるためのホスピスケアは、緩和ケア病棟のほか、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅、在宅(訪問看護)でも行われています。
ホスピスでは、治癒を目指した治療は行いません。看護師には患者さんの身体的苦痛のケア・精神的苦痛のケア・家族や遺族への総合的なケアが求められています。
ホスピス勤務を希望する方は、マイナビ看護師にご相談ください。
マイナビ看護師では、ホスピスの看護師求人を多数紹介しています。専任のキャリアアドバイザーがお悩みやご要望を丁寧にヒアリングし、キャリアに関するご相談にも対応していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。