• 2022年1月17日
  • 2024年4月9日

保健師の難易度は? 国家試験の概要と職場ごとの就職難易度も

 

保健師として働くためには国家試験に合格し、国家資格の保健師免許を取得する必要があります。保健師国家試験に向けた勉強をしていて、国家試験の合格率や難易度がどのくらいか気になる方も多いのではないでしょうか。

保健師を目指す方は、国家試験の難易度を把握して、合格までの道筋を考えることが重要です。当記事では保健師国家試験の合格率・難易度と、合格するための方法や就職先ごとの需要などを解説します。

そもそも「保健師」とは?

保健師は、人々の健康を守るための保健サービスに従事している方・職業のことです。よく知られているのは、行政の自治体に勤務している「行政保健師」です。地域の保健所や保健センターで、健康相談や健康診断、乳幼児健診、健康推進イベントなどを行います。

行政保健師以外にも、企業に就職して社員の健康管理をする「産業保健師」、学校に勤める「学校保健師」、病院で働く「病院保健師」など、勤め先によって種類があります。学校保健師の業務内容は、生徒や教職員の健康管理、ケガ人の応急処置や保健だよりの作成などです。病院保健師は、健康指導のほか、院内の感染対策も行います。病院保健師は、看護師の仕事と保健師の仕事を兼務しているケースも珍しくありません。

保健師の仕事は、ケガや病気を未然に防ぐ「予防医療」が中心となります。また、保健師は、乳幼児から高齢者まで、各世代のあらゆる相談に対応する点が特徴です。個人の健康だけでなく、地域や企業など、コミュニティ全体の健康推進を担っています。

保健師資格を取得するまでの主な2つのルート

保健師資格を取得するまでの主な2つのルート

保健師資格を取得するためには、保健師国家資格に合格する必要があります。また、保健師免許を取得する際は、看護師の資格取得が必須です。そのため、保健師になるためには、2つの国家試験に合格することが求められます。ここでは、保健師資格を取得するまでの主なルートを紹介します。

(1)看護師国家試験と保健師国家試験をまとめて受験するルート

1つ目は、看護師国家試験と保健師国家試験をまとめて受験するルートです。

看護師国家試験と保健師国家試験をまとめて受験するルート
STEP1 保健師課程を選択できる4年制の看護学系大学または看護専門学校でカリキュラムを修了する
STEP2 看護師・保健師国家試験を受験・合格する
STEP3 看護師免許・保健師免許を申請・取得する

保健師課程を選択できる養成校に通えば、看護師国家試験と保健師国家試験をまとめて受験できます。保健師国家試験は、看護師国家試験の数日前に行われることが多いです。

ただし、看護師国家試験が不合格であった場合、保健師国家試験に合格しても、保健師になることはできません。この場合、翌年以降に看護師国家試験に合格すれば、保健師資格を取得できます。

(2)看護師国家試験と保健師国家試験を別々に受験するルート 

看護師養成学校に保健師養成課程がない場合は、別々に受験可能です。

看護師国家試験と保健師国家試験を別々に受験するルート
STEP1 看護師養成課程のカリキュラムを修了する
STEP2 看護師国家試験を受験・合格する
STEP3 看護師免許を申請・取得する
STEP4 1年制の保健師養成課程または3年次編入の大学保健師養成課程を修了する
STEP5 保健師国家試験を受験・合格する
STEP6 保健師免許を申請・取得する

看護師養成課程には、3年制の短期大学や専門学校、中学校卒業時に入学する5年一貫養成学校など、さまざまな種類があります。看護師の資格取得後、医療機関で実務経験を積みながら、保健師養成学校に進学し、国家試験に臨む方もいます。

保健師国家試験の概要と合格率|難易度はどれくらい?

保健師国家試験の概要と合格率|難易度はどれくらい?

保健師国家試験の合格を目指すにあたって、あらかじめ試験概要や難易度をしっかりと理解しておくことが大切です。ここでは、保健師国家試験の概要と傾向、合格率について紹介します。

受験資格

保健師国家試験の受験資格について、厚生労働省は以下のように定めています。

  • 文部科学大臣の指定した学校において、1年以上保健師になるのに必要な学科を修めた者
    (2024年3月15日(金曜日)までに修業する見込みの者を含む)
  • 都道府県知事の指定した保健師養成所を卒業した者
    (2024年3月15日(金曜日)までに卒業する見込みの者を含む)
  • 保健師助産師看護師法に規定する外国の学校もしくは養成所を卒業した者
    または外国において保健師免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が(1)又は(2)に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの
  • 2010年年4月1日時点で改正法による改正前の保健師助産師看護師法(旧法)第19条第1号に該当する者
  • 改正法の施行日の前に旧法第19条第1号に規定する学校に在学し、施行日以後に同号に規定する要件に該当することとなった者
    (施行日以後に同号に規定する学校に入学し、当該学校において6月以上保健師になるのに必要な学科を修めた者を除く)

(出典:厚生労働省「保健師国家試験の施行」

保健師の受験資格は、指定された養成学校を修了した方のほか、外国の養成学校を卒業した方や、外国で保健師免許に相当する免許を受けた方にも与えられます。また、2010年に施行された「保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保の促進に関する法律の一部を改正する法律」に伴い、受験資格が詳細に定められています。

試験範囲

保健師国家試験では筆記試験のみが行われます。試験範囲は下記の4科目です。

  • 公衆衛生看護学
  • 疫学
  • 保健統計学
  • 保健医療福祉行政論

(出典:厚生労働省「『保健師助産師看護師国家試験出題基準 令和5年版』について」

それぞれの科目について、内容と要点を解説します。

・公衆衛生看護学

公衆衛生看護学とは、公衆衛生への取り組みとして保健師が行うべきことを体系化した科目です。公衆衛生看護学は地域看護学とも呼ばれ、地域全体の保健活動や、対象者ごとの支援活動方法などを学びます。

公衆衛生看護学の試験範囲は広く、学校保健・産業保健や健康危機管理なども含んでいることが特徴です。保健師に必須となる公衆衛生の基礎知識と理解が問われます。

・疫学

疫学とは、規定された集団のなかで発生する健康関連の事象を分析し、治療や予防などに役立てる科目です。疫学は公衆衛生看護の基盤となる学問であり、疫学調査法やスクリーニングなど、疾病の研究や対策に欠かせない知識を中心に学びます。

集団を対象とする疫学は、データの調査・分析に統計学を活用することが特徴です。疫学の試験範囲では、疫学の概念や調査方法についての理解が問われます。

・保健統計学

保健統計学とは、疫学調査によって得られたデータを統計学的に分析する科目です。保健統計学は疫学と密接に結び付いており、保健統計学はデータの分析についてだけではなく、データを医療・看護に活用できる形で適切に情報処理する方法も学びます。

試験では、近年の人口統計や保健統計についての知識も問われることが特徴です。保健にかかわる統計情報は動向を押さえておきましょう。

・保健医療福祉行政論

保健医療福祉行政論とは、日本の保健医療や福祉にかかわる法制度を中心として、制度の基本構造や機能を学ぶ科目です。行政や法制度にかかわることが多い保健師にとって、保健医療や福祉のネットワーク理解につながる保健医療福祉行政論は重要といえます。

保健医療福祉行政論の試験範囲は、制度の基本的な理念や行政・財政の仕組み、具体的な機能が主な内容です。

合格基準と評価方法

保健師国家試験の合否評価は、試験の得点による絶対評価です。そのため、一定基準を超える点数を獲得できれば、試験に合格できます。出題は「一般問題」と「状況設定問題」に分かれています。一般問題は75問、状況設定問題は35問であり、一般問題は1問1点、状況設定問題は1問2点の合計145点満点です。

保健師国家試験の合格基準は、例年正答率60%とされています。したがって、一般問題と状況設定問題を合計して87点以上であることが、合格点の目安です。

最新の受験者数と合格率

2023年2月に行われた第109回保健師国家試験における、最新の受験者数と合格率は以下の通りです。

試験実施年 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
2023年 8,160人 8,085人 7,579人 93.7%
(出典:厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験及び第112回看護師国家試験の合格発表」

なお、2023年は、一般問題が1問1点の74点満点、状況設定問題が1問2点の70点満点であり、総得点87点以上が合格基準でした。合格率は93.7%であり、これは国家試験のなかでも高い合格率であるといえます。

また、受験者数8,085人のうち、新卒者は7,477人です。新卒者の合格者数は、7,235人であり、合格率は96.8%と、全体よりもさらに高い合格率になっています。

過去5年間における受験者数と合格率の推移

2019年から2023年(第105回~109回)までの、過去5年間における保健師国家試験の受験者数と合格率は、以下の通りです。

試験実施年 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
2019年 8,469人 8,376人 6,852人 81.8%
2020年 8,324人 8,233人 7,537人 91.5%
2021年 7,913人 7,834人 7,387人 94.3%
2022年 8,020人 7,948人 7,094人 89.3%
2023年 8,160人 8,085人 7,579人 93.7%
(出典:厚生労働省「第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験及び第108回看護師国家試験の合格発表」
(出典:厚生労働省「第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験及び第109回看護師国家試験の合格発表」
(出典:厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験及び第110回看護師国家試験の合格発表」
(出典:厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験及び第111回看護師国家試験の合格発表」
(出典:厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験及び第112回看護師国家試験の合格発表」

過去5年間のデータを見ると、受験者数は8,000人前後で推移していることが分かります。このうち合格者数は、約6,800人~7,500人です。合格率は、低い年でも80%を超えており、近年では90%前後と高い合格率を維持しています。また、新卒者に限ると、合格率はさらに高く、約88%~97%です。

保健師国家試験は、毎年多くの合格者を出している試験です。保健師養成課程でしっかり学び、試験対策をすれば、合格できる可能性を高められるでしょう。

【比較】保健師国家試験と看護師・助産師国家試験の難易度

【比較】保健師国家試験と看護師・助産師国家試験の難易度

保健師国家試験と同時期に行われる国家試験として、助産師国家試験、看護師国家試験があります。以下の表は、2023年2月に実施された、各試験の受験者数と合格率です。

試験種別 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
保健師国家試験 8,160人 8,085人 7,579人 93.7%
助産師国家試験 2,084人 2,067人 1,977人 95.6%
看護師国家試験 64,704人 64,051人 58,152人 90.8%
(出典:厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験及び第112回看護師国家試験の合格発表」

看護師国家試験は、需要が高いだけでなく、保健師や助産師になるために必須であるため、看護師の受験者数は例年多いのが特徴です。いずれの試験も、合格率は90%以上と、高い水準になっています。

保健師国家試験に向けた勉強はどれくらい大変?

保健師国家試験に向けた勉強はどれくらい大変?

保健師国家試験の試験科目は、大学や専門学校の保健師養成課程で学べるものの、合格するためには自主的な勉強も必要です。保健師国家試験に向けた勉強は、学校のカリキュラムに余裕ができる9月頃や、遅くとも12月頃に開始する人が多い傾向にあります。

保健師国家試験の勉強方法としては、学校の教科書などで復習をして、試験の出題傾向を踏まえた予想問題集や過去問を解くことが一般的です。基礎的な学力がついた後は、保健師国家試験対策の模試を受験して、試験の感覚を掴む勉強方法もあります。

また、保健師国家試験と看護師国家試験をまとめて受験する場合は、2つの試験勉強を両立しなければなりません。まずは看護師国家試験に向けた勉強を中心に進めて、確実に看護師免許を取得できるようにしましょう。人口動態や健康支援と社会保障制度など、保健師国家試験の勉強にもつながる科目を最初に勉強することがおすすめです。

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保健師国家試験に向けて勉強する際のポイント

保健師国家試験に向けて勉強する際のポイント

保健師国家試験に合格するためには、養成課程での勉強に加えて、効率的な試験対策が必要です。ここでは、保健師国家試験に向けて勉強する際のポイントを紹介します。

勉強スケジュールを立てる

保健師国家試験は、例年2月頃に行われます。試験の開催日から逆算して、勉強スケジュールを立てるようにしましょう。保健師国家試験のみ受験する場合は、少なくとも1か月程度の勉強時間を確保しておくと安心です。

また、看護師国家試験も例年同時期に実施されます。看護師・保健師国家試験を両方受ける場合は、2か月~2か月半ほどの勉強期間を設けましょう。看護師国家試験が不合格だと、保健師国家試験に合格しても保健師になれません。看護師国家試験とまとめて受験する場合は、看護師国家試験の勉強を優先させるのも1つの考え方です。

なお、保健師になるための期間は、学校選びでも大きく変わります。4年制大学であっても、保健師養成課程を選抜制にしているところや、大学院で保健師を養成する学校も増えています。保健師を目指す際は、長期的な視点で勉強スケジュールを立てることが重要です。

過去問をひたすら解く

保健師国家試験の勉強では、過去問をひたすら解くのが効果的です。繰り返し問題を解いていくうちに、試験の出題傾向や、解答する際のポイントが頭に入ります。

問題集は、ただ解くだけでなく、正解となる根拠を理解できているかどうかが重要です。不正解であった問題や、正解したものの根拠を説明できない問題は、解説を読んで覚えるようにしましょう。

過去問題集は、冊子だけでなく、スマートフォンアプリでもあります。スマホアプリであれば、移動などの隙間時間を活用し、効率的に勉強を進めることが可能です。

参考書・レビューブックで関連ページをチェックする

問題集以外の勉強方法として、参考書やレビューブックもあります。参考書やレビューブックは、保健師としての知識をインプットしたい方に最適です。

また、問題集で分からなかった問題があった際は、過去問の解説と併せて、参考書の関連ページをチェックするとよいでしょう。参考書をチェックすることで、解答の根拠だけでなく、関連知識も深まります。

保健師は職場ごとに就職の難易度が違う? 仕事内容と求められる人材

保健師は職場ごとに就職の難易度が違う? 仕事内容と求められる人材

保健師免許の取得後は就職活動を経て、保健師として働けます。下記の表は、平成30年末時点の就職場所別に見た就業保健師の実人員数です。

就業場所 就業保健師の実人員
病院 3,307人
診療所 2,003人
助産所 1人
訪問看護ステーション 259人
介護保険施設等 1,336人
社会福祉施設 421人
保健所 8,100人
都道府県 1,351人
市区町村 29,666人
事業所 3,349人
看護師等学校養成所または研究機関 1,148人
その他 2,014人
(出典:厚生労働省「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

上記のように同じ保健師であっても、就業場所は多岐にわたり、就業場所ごとに仕事内容が異なるだけでなく、求められる人材にも違いがあります。

また、保健師は離職者が出にくいことから、採用人数が少なく設定されやすい職種です。就職に際して試験を受けなければならないなど、就職の難易度が高い職場もあります。

以下では、職場ごとに保健師の働き方を4つに分けて、それぞれの職場における保健師の仕事内容や求められる人材を解説します。

行政保健師

行政保健師とは、都道府県・東京特別区が管轄する保健所や、市町村が管轄する保健センターなどの行政機関で働く保健師のことです。行政保健師は公務員であり、保健師の働き方として高い人気があります。

行政保健師の主な仕事内容は、下記の通りです。

【行政保健師の主な仕事内容】

  • 地域の健康促進や保健指導
  • 疾病予防対策
  • 病気知識の啓蒙
  • 医療や福祉の相談支援

保健所で働く行政保健師は、伝染病の予防対策や食品施設への衛生指導など、専門的な業務を行うこともあります。

行政保健師になるためには、保健師免許を取得したうえで、公務員試験に合格しなければなりません。新卒で行政保健師を目指すケースでは、看護師国家試験・保健師国家試験に加えて公務員試験の勉強も進める必要があり、勉強量が多くなります。

行政保健師に向いているのは、地域の保健に高い関心がある方や、他人に分け隔てなく接することができる方です。行政保健師の業務では法制度などについて最新の知識が求められるため、就職後に勉強を続けられる方も向いています。

産業保健師

産業保健師とは、一般企業や企業の健康保険組合で働く保健師のことです。近年は働き方改革の一環として、企業における産業保健機能の強化が推進されており、産業保健師の需要は高まっています。

産業保健師の主な仕事内容は、下記の通りです。

【産業保健師の主な仕事内容】

  • 健康診断やストレスチェックの分析と情報管理
  • 従業員の健康増進や生活習慣病対策
  • 職場の巡視
  • 従業員のケガへの応急処置
  • メンタルヘルス対策
  • 従業員の相談対応

また、企業が開催する衛生委員会に、産業保健師の参加が求められることもあります。

産業保健師を目指すときの注意点は、就職の難易度が高いことです。企業への就職となるため、企業に貢献できる高い能力や、転職の場合は保健師として働いた実務経験が求められます。

産業保健師に向いているのは、就職先の企業に高い関心がある方や、保健師として健康診断などの分析・管理を行った経験がある方です。産業カウンセラーや衛生管理者といった、産業保健師の仕事内容に関連する資格を持っている方も向いています。

病院保健師

病院保健師とは、病院・診療所・訪問看護ステーションなどの医療機関で働く保健師のことです。病院保健師は施設が設置する保健指導室や地域連携室に所属し、施設利用者への保健指導などを行います。

病院保健師の主な仕事内容は、下記の通りです。

【病院保健師の主な仕事内容】

  • 健康診断や人間ドックの実施
  • 健康診断などの結果に応じた保健指導
  • 健康相談への対応
  • 予防接種のサポート
  • 入院患者の退院調整

病院保健師の仕事内容は、看護師の仕事内容と重複が多く、病院保健師と看護師を兼任することもあります。

病院保健師に向いているのは、健康に不安を抱える患者の力になりたい方や、看護師経験があって病院の業務に詳しい方です。ただし病院保健師の求人は、看護師の求人に埋もれて見つけにくいこともあるため、保健師に絞って求人情報を探せるサービスを利用しましょう。マイナビ看護師では、保健師に絞り込んだ求人検索が可能です。

学校保健師

学校保健師とは、私立の教育機関で働く保健師のことです。学校保健師は学校内の保健室に常駐して、学生や教職員の健康管理を中心に働きます。

学校保健師の主な仕事内容は、下記の通りです。

【学校保健師の主な仕事内容】

  • 健康管理や健康増進
  • 学校や家庭の悩みへの相談対応
  • ケガや体調不良への応急処置
  • 病気予防の啓蒙活動

学校保健師と似ている職業には、養護教諭があります。養護教諭とは、養護教諭免許を取得した学校の教員です。私立学校でのみ働ける学校保健師に対し、養護教諭は公立学校でも働けるという違いがあります。

学校保健師に向いているのは、若い学生の悩みと真摯に向き合える方です。学生は学校に数年間在籍するため、相手と長くかかわりながら働きたい方にも向いています。

保健師を目指すことがおすすめの方は?

保健師を目指すことがおすすめの方は?

最後に、保健師に向いている方・向いていない方の特徴を紹介します。

【保健師に向いている方】

  • 誰とでも柔軟にコミュニケーションを取れる方
  • 相手から相談してもらえる信頼感がある方
  • 観察力があり、相手が抱える悩みを発見できる方

【保健師に向いていない方】

  • 他人と話すことが苦手な方
  • 相手への思いやりを持てない方
  • 他人へのアドバイスが苦手な方

保健師は相談業務を通して、あらゆる年代・状況の方たちとコミュニケーションを取る必要があります。悩みをスムーズに聞き出せる・適切にアドバイスできる方は、保健師に向いているといえるでしょう。一方で、仕事で他人とあまり話したくない方や、相手の状況を考慮して適切なアドバイスをすることが苦手な方は向いていない可能性があります。

ただし、向いていない方の特徴に当てはまる場合も、保健師の適性がないとは言い切れません。看護師や保健師の国家試験に向けた勉強を進めるなかで、コミュニケーションやアドバイスのスキルが身につくこともあります。保健師になりたい気持ちを大切にして、ぜひチャレンジしてください。

まとめ

保健師国家試験の合格率は高く、約80~90%で推移しており、勉強をすれば合格が狙える難易度です。ただし、保健師を目指す場合、看護師免許も取得する必要があります。保健師国家試験に合格するまでのルートはいくつかあるため、自分に合ったルートを選択しましょう。

また、保健師は職場ごとに就職の難易度や仕事内容・求められる人材が異なりますので、保健師免許を取得後に、どのような就職先で働きたいかも見据えておくことが重要です。

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※当記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています

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