• 2022年1月6日
  • 2022年1月21日

准看護師の資格を取るには? 主婦や働きながらの取得方法も!

 

超高齢化社会に突入した日本において、看護師をはじめとした医療従事者の需要はますます伸びています。医師や看護師の指示を受けてからでなければ看護業務を行えない准看護師も、当然例外ではありません。

また、准看護師は看護師よりも資格の難易度がやや低いため、「看護師として活躍してみたい」という人にもおすすめの入り口といえます。

そこで今回は、准看護師と看護師の違いや准看護師資格の取得方法から、准看護師資格取得後の主な勤務先と働き方まで徹底的に解説します。准看護師や看護師を目指す人は、ぜひ参考にしてください。

准看護師になるには資格が必要?

准看護師になるには、都道府県知事によって交付される「准看護師免許」が必要です。准看護師免許がなければ、看護業務を行うナースとして活躍することはできません。

准看護師になろうとする者は、准看護師試験に合格し、都道府県知事の免許を受けなければならない。

(引用:e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」

そもそも准看護師とは、医師や看護師(正看護師)の指示に従って、病院患者や施設利用者への看護や診療補助を主に行う職業です。勤務先は病院・クリニック・介護福祉施設など多岐にわたり、具体的な仕事内容も勤務先の種類によって異なります。基本的には、下記のような業務を日々行います。

准看護師の仕事内容
  • 点滴・採血・注射
  • バイタルチェック
  • 入浴や食事、排せつ介助
  • 診療・手術・処置の補助
  • ナースコール対応
  • カルテ記入 など

准看護師の細かな業務内容については、基本的に看護師と大きな変わりはありません。しかし、准看護師はこれらの業務を自身の判断だけで行えないという決定的な違いがあります。

准看護師と看護師とでは、その他にもさまざまな違いが存在します。

准看護師と看護師の違い

下記は、准看護師と看護師の違いをまとめた表です。

  准看護師 看護師
資格 都道府県知事によって交付される資格 厚生労働大臣によって交付される資格(国家資格)
養成学校の入学要件 中学校卒業 高校卒業
定義 医師や歯科医師、または看護師の指示を受けて、診療補助などを行うことを業とする者 (保健師助産師看護師法第6条) 傷病者もしくは産婦に対する療養上の世話、または診療補助を行うことを業とする者 (保健師助産師看護師法第5条)
業務 自身の判断で業務を行えない 自身の判断で業務を行える
他看護師への指示 不可能 可能

(参考:厚生労働省「保健師助産師看護師法」

准看護師と看護師とで、基本的な業務内容に変わりはありません。しかし、それぞれ異なる定義付けがされており、准看護師は自身の判断で業務を進めることはもちろん、他看護師やたとえ後輩の看護師であっても指示することが不可能です。また、看護計画の立案もできません。

そのため、よくあるチームでの看護体制で仕事を行うにあたり、准看護師は指示を受ける側の立場となることや、管理職への昇進ができない点に注意してください。

准看護師の資格を取得する方法

准看護師養成学校で勉強する女性

准看護師の資格は、必要課程を修了して准看護師試験の受験資格を得たのち、准看護師試験に合格することで取得できます。必要課程を修了するルートは、最終学歴が中学校卒業なのか、高校卒業なのかで異なることを覚えておきましょう。

最終学歴 必要課程の修了ルート
中学校卒業
  • 准看護師学校養成所
  • 衛生看護科のある高等学校
高校卒業
  • 准看護師学校養成所
  • 看護系の大学・短大

ここからは、各ルート(養成校)の概要や取得の流れについて詳しく解説します。

准看護師学校養成所

准看護師学校養成所は、中学校を卒業した人であれば誰でも入学できる准看護師の養成所です。基本的に全日制と半日制の2つがあり、全日制の場合は2年間、半日制の場合は4年間通うこととなります。

全日制
朝から夕方まで授業がある准看護師学校養成所です。授業のある日は週3~5日程度で、細かな日数規定は学校によって異なります。

半日制
平日の午後や夜間に授業がある准看護師学校養成所です。半日制の場合、平日週5日と毎日通う必要があります。

また准看護師学校養成所は、1年目と2年目で学習内容が異なる点も特徴です。主に1年目は履修科目、2年目は実習科目となります。

准看護師の資格取得に必要な授業を集中して学べることから、最短2年で資格取得を目指せる点や、自身のライフスタイルに合わせて通学方法を選択できる点がメリットと言えるでしょう。

2年間、または4年間准看護師学校養成所で必要課程を修了したら、各都道府県が実施する准看護師試験に臨みます。准看護師試験は、学校で学んだ科目から150問が出題されます。試験合格後は、免許申請手続きを速やかに行いましょう。

衛生看護科のある高等学校

衛生看護科のある高等学校は、最終学歴が「中学校卒業」の人に適したルートです。衛生看護科のある高等学校では、准看護師試験の受験資格を得るための教育を3年間受けることとなります。

衛生看護科のある高等学校での学習内容は、准看護師試験に関わる内容だけでなく、普通の高校で勉強するような内容(英語・数学など)も含まれます。高校卒業資格と准看護師試験の受験資格のダブル取得が叶うため、いち早く社会人デビューをすることもできますが、それだけハードな日々となることも覚えておきましょう。

衛生看護科のある高等学校で3年間必要課程を修了したあとは、准看護師試験に臨むことができます。

看護系の大学・短大

看護系の大学・短大は、最終学歴が「高校卒業」の人に適したルートです。看護系の大学・短大で3~4年(看護大学の場合は4年間)教育を受けると、准看護師試験の受験資格を得られます。

看護系の大学・短大は、3~4年間で看護に関するあらゆる学習に集中して取り組めることが最大のメリットです。しかし、看護系の大学・短大の卒業とともに看護師国家試験の受験資格も得られるため、主に看護師資格の取得を目的に入学する人が多いことも覚えておきましょう。

従って、最終学歴が高卒であり、准看護師を目指すという人は准看護師学校養成所への入学のほうが適切であることに注意が必要です。

【状況別】准看護師資格の取り方

准看護師資格の取り方

前述の通り、准看護師資格は最短2年で取得を目指せます。そのため、主婦やすでに働いている人でも問題なく挑戦できるでしょう。

では、主婦やすでに働いている人が准看護師資格を取得するには、どうすればよいのでしょうか。ここからは、主婦・働いている人というケース別に准看護師資格の取得方法を紹介します。

主婦でも准看護師になるには?

主婦から准看護師を目指すには、准看護師学校養成所に入学し、2年の課程を修了しなければなりません。高校を卒業している・将来的に看護師資格の取得も視野に入れているという場合であれば、看護系の大学・短大に通うこともおすすめです。

しかし、子どもがいて家事・育児に日々追われている人は、学校と家事・育児の両立がやや困難となる可能性もあります。准看護師学校養成所の場合、2年目から体力負担のある実習が始まるため、学校に通っている間は子どもを保育園に預ける、夫や家族など周囲の人にフォローしてもらう体制を作っておくなどして、両立できる環境を整えておきましょう。

また准看護師学校養成所では、全日制・半日制のいずれかをライフスタイルに合わせて自由に選択することが可能です。モチベーションの維持につながるよう、なるべく自分に適した制度を選ぶことをおすすめします。

働きながら准看護師になるには?

働きながら看護師を目指す場合も、准看護師学校養成所がおすすめです。全日制の場合、週3日の通学で問題ないケースも多々あります。週3日の昼間に通学するレベルであれば、ちょっとしたアルバイト・パートでの仕事と両立することも不可能ではありません。

しかし、正社員としてフルタイムで働きながら准看護師学校養成所に通うことは困難です。そのため、准看護師学校養成所に通っている間はアルバイト・パートで働くことをおすすめします。

働きながら准看護師学校養成所への入学を検討する人は、「週何日通学する必要があるか」「仕事を含むライフスタイルに合った学校生活を送ることができるか」をチェックしましょう。

准看護師資格の取得費用に活用できる制度

准看護師資格の支援制度

准看護師資格の取得には、少なからず費用がかかります。特に、家庭や仕事と両立しながら准看護師試験の受験資格を得られる学校に通うことは、費用がネックとなる可能性もあるでしょう。

しかし、准看護師資格の取得には、給付金や奨学金制度を利用することが可能です。ここからは、准看護師資格の取得費用に活用できる2つの制度を紹介します。

教育訓練給付制度

教育訓練給付制度とは、雇用安定と就職促進を目的に創設された、資格を取得するために通う学校費用の一部が給付される制度です。アルバイト・パートや社員などで労働者経験があり、一定期間だけでも雇用保険に加入していた人であれば、厚生労働大臣が指定した教育訓練の修了時点ですべての人が受給できます。

教育訓練給付制度にはレベルに応じて3つの種類があり、准看護師資格は「専門実践教育訓練」にあたります。対象者や給付金の詳細は、下記を参考にしてください。

対象者
  • 在職者または離職者のうち、被保険者資格の喪失日から対象講座の受講開始日までの期間が1年以内の人 (※妊娠や育児、疾病などやむを得ない理由により適用対象期間が延長された場合は最大20年以内)
  • 受講開始日までの雇用保険の加入期間が3年以上ある人 (初回の場合は2年以上)
対象講座
  • 准看護師資格の取得を目的とする学校・養成所の課程
給付金 教育訓練経費(入学費用・授業料など)の50%(上限年間40万円)/6か月ごと
(出典:厚生労働省「教育訓練給付制度
(出典:厚生労働省「専門実践教育訓練給付制度のご案内」

教育訓練給付制度は、准看護師試験の受験資格を得られる学校の入学費用や授業料などが一定割合で6か月ごとに給付されるという非常にお得な制度ですが、雇用保険の加入期間などにおける条件が定められていることに注意が必要です。制度の利用を検討している人は、まずハローワークで支給要件照会の手続きを行い、制度を利用できるかどうかを確かめましょう。

看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金

看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金とは、日本看護協会により創設された、看護師資格の取得を目指す准看護師に対する奨学金制度です。無利息型であり、他奨学金との併用が可能という特徴をもっています。対象者や貸与額の詳細は、下記を参考にしてください。

対象者
  • 2年課程(通信制)に在籍している、または入学許可のある准看護師
  • 日本看護協会の会員(新規入会可)
奨学金

年額36万円/48万円(自由選択可)

返還条件 貸与修了の翌年10月~最長4年以内(無利息)
(出典:公益財団法人日本看護協会「看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金」

当制度は、就業先や在住都道府県による特例・限定はありません。なお、貸与額は年度ごとに変更される可能性があり、各年度で応募期間が定められています。看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金の利用を検討している人は、必ず公式ホームページから詳細をチェックしましょう。

准看護師の資格を取る難易度

准看護師の資格の難易度について考える女性

准看護師資格は、各都道府県6ブロックに分けて開催され、出題内容や難易度も多少異なることが特徴です。そのため、「資格難易度が高い」「落ちないか不安」と考えている人も多いのではないでしょうか。

下記は、2018年~2020年度に開催された准看護師試験の合格率です。

試験年度 合格率
2018年度 96.9%
2019年度 96.0%
2020年度 99.0%
(出典:厚生労働省「平成30年度准看護師試験の実施状況を公表します」
(出典:厚生労働省「令和元年度准看護師試験の実施状況を公表します」
(出典:厚生労働省「令和2年度准看護師試験の実施状況を公表します」

上記を見てわかるように、准看護師試験の合格率は数年連続して95%を超えています。きちんと学校・養成所に通い、夢に向けて日々勉強を積み重ねれば、合格は決して難しい結果ではないことが伺えます。

准看護師試験に合格するためのポイント・勉強のコツは、看護に関する基礎的&応用的な知識をおさえたうえで、隙間時間も有効に活用して過去問題を繰り返し解きながら出題傾向をつかむことです。

なお、准看護師試験では、受験願書・出願6か月以内に撮影した顔写真・返信用封筒・その他指定提出書類と、5,400円の試験手数料が必要となります。必要書類を忘れた場合は試験を受けられない可能性もあるため、数日前から準備しておくなどして忘れず持参しましょう。

准看護師の資格取得後の勤務先・働き方

准看護師の資格を取得した女性

准看護師の勤務先は、主に医師や看護師が多くいる医療機関(病院・クリニックなど)です。しかし、それ以外にも准看護師が活躍できるフィールドは多々あります。

准看護師の勤務先として候補に挙げられるのが、病院や診療所と介護施設です。ここからは、それぞれの職場の概要や働き方を詳しく説明します。

病院や診療所

病院や診療所は准看護師の最も代表的な活躍場所で、2019年度において病院・診療所で働く准看護師数は合計で216,750人となっています。

病院 111,020人
診療所 105,730人
(出典:公益社団法人日本看護協会「看護統計資料室」

病院や診療所で働く准看護師の主な仕事内容は、医師が行う診療・手術などの補助のほか、医師・看護師の指示のもと患者さんへ看護や介助、ケアです。基本的に、看護師の業務内容と変わりはありません。

幅広い地域住民の健康をサポートする総合病院から、地域のかかりつけ医としての役割をもった小規模な診療所まで幅広く、規模や種類によっても働き方は異なります。地域密着型の診療所の場合、准看護師の業務範囲は広くなることも特徴です。たとえば、医療事務員が行うような受付・会計や清掃なども准看護師の仕事の1つとなります。

介護施設

医療的ケアを必要とする要介護者・高齢者・障がい者が利用する介護施設は、看護師のみならず准看護師の存在も必要不可欠です。2019年度において、介護施設(介護老人保健施設・社会福祉施設・介護老人福祉施設)で働く准看護師数は合計49,025人です。

介護老人保健施設 21,901人
社会福祉施設 9,798人
介護老人福祉施設 17,326人
(出典:公益社団法人日本看護協会「看護統計資料室

介護施設で働く准看護師の主な仕事内容は、介護や医療ケアが必要となった利用者が居住または利用する施設内での、利用者一人ひとりに対する健康管理・看護ケア・サポートです。

基本的に、どの介護施設においても医師や看護師のほか、多くの介護職員との連携が重要となります。必要に応じて介護業務を担当したり、利用者と深くコミュニケーションをとることも仕事の1つです。

准看護師から看護師を目指す方法

准看護師から看護師を目指す女性

准看護師は自身の判断のもと看護業務を進めたり、看護計画を立案して他の看護師に指示をしたりといった行動はできません。将来的にチームのリーダー看護師や管理職への昇格を目指すのであれば、看護師資格の取得が不可欠です。

最後に、准看護師から看護師を目指す方法を、状況別に紹介します。

中学校卒業後に准看護師資格を取得した場合

中学校卒業後に准看護師資格を取得した場合は、「3年以上の実務経験を積む」「看護専門学校で2年間(定時制の場合は3年間)、または看護短期大学で2年間の教育課程を修了する」の2つを満たすことで、看護師国家試験の受験資格が得られます。看護師国家試験の受験資格を得たうえで試験に臨み、晴れて合格すれば看護師資格を取得できます。

高校卒業後に准看護師資格を取得した場合

高校卒業後に准看護師資格を取得した場合は、看護短期大学で2年間の教育課程を修了することで、看護師国家試験の受験資格が得られます。その後看護師国家試験に合格すれば、看護師資格を取得できます。

准看護師としての実務経験が7年以上ある場合

これまで准看護師として7年以上の経験がある人の場合は、看護師学校養成所の通信制2年課程を修了することで、看護師国家試験の受験資格が得られます。通信制なため、学校に通う必要は基本的にありません。その後看護師国家試験に合格すれば、看護師資格を取得できます。

このように、最終学歴や実務経験の年数によって看護師を目指すルートはそれぞれ異なるため、自身の状況に適した進路で看護師資格の取得を目指しましょう。

まとめ

准看護師とは、医師や看護師の指示のもと看護業務を行えるナースのことです。准看護師として活躍するためには、准看護師資格の取得が必要となります。

准看護師の資格は、最終学歴によってさまざまなルートがあります。「なるべく早く資格を取得したい」「いち早く社会に出たい」など、自身の希望に沿って適切な進路を選んでください。

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