• 2021年11月19日
  • 2024年4月5日

看護師が海外で働く方法|働き方と給与の違い・転職するメリットも

 

日本で看護師の勉強をして実務経験を積んだ方のなかには、海外で看護師として働く道を選ぶ方もいます。海外で看護師として働くことは大変な面もあるものの、日本国内ではできない経験が積める方法です。

海外の看護師として働くことに興味があり、海外で働く看護師の仕事内容や転職方法を知りたい方も多いのではないでしょうか。当記事では、日本と海外における看護師の違いから、国別の看護師免許の取得方法、看護師が海外で働くメリットや転職する方法まで、海外で働きたい看護師に向けた情報を解説します。

日本の看護師と海外の看護師の違い

海外の看護師として働くためには基本的に日本同様、看護師免許や所定の機関への登録が必要です。しかし、海外の職場には日本と異なる文化があります。海外の看護師に転職すると国内の病院やクリニックに勤務していた時代には想像しなかった働き方を要求され、驚くこともあるでしょう。

以下では、転職後のギャップを回避するために知っておきたい日本の看護師と海外の看護師の主な違いを紹介します。

職種・業務が細分化されている

海外の看護師は多くの場合、特定の分野に限定した経験を積み、専門性を磨きます。海外では看護師の職種や業務が日本以上に細分化されているケースも珍しくありません。

たとえば、オーストラリアでは手術室看護師の求人を機械出し・外回りなどの職種別に行います。オーストラリアには「病理検査アシスタント」と呼ばれる採血や検体採取の専門職種もあり、看護師資格のみでは採血や検体採取を行えません。

海外の看護師は基本的に自分自身の専門性が生きる業務に集中し、担当外の仕事を行わないことから、時間外労働の負担は軽いといえます。部署異動を指示されることは、原則的にありません。

医師と対等な立場にある

日本の看護師は、医師の指示を受けて日々の業務にあたることが通常です。日本の病院では職場の雰囲気として、医師に対する意見や助言が制限されるケースもあります。

海外の職場では看護師と医師が相互に認め合い、対等な立場で働くことが可能です。看護師から医師に対し、積極的に意見できる雰囲気の職場も多くあります。

看護師資格の取得難易度が比較的高い国では特に、看護師と医師との対等な関係性が顕著です。看護師自身が専門性の高い知識を持っているからこそ自信を持ち、自分の意見を医師に伝えられます。

海外で日本の看護師免許は使える?

看護師として働くときに看護師資格が必要である点は、日本も海外も違いはありません。しかし、日本と海外では必要な「看護師資格の種類」が異なります。

日本で働く看護師の必要資格は、日本の厚生労働省が所管している「日本の看護師資格」です。日本の看護師資格は看護師国家試験に合格することで取得できます。
(出典:厚生労働省「外国で看護師免許を取得している方の受験資格認定について」

一方、海外で働く看護師の必要資格は、働きたい「当該国の看護師資格」です。たとえば、アメリカで働くときはアメリカの看護師資格を取得しなければなりません。

そのため、原則海外の看護師として働く際には日本の看護師免許をそのまま使用することはできません。しかし、一部の国では現地機関が実施する審査の通過などを条件として、日本の看護師免許を書き換えることができます。学歴が一定以上の場合は教育プログラムの受講が免除される国もあり、多くの場合、一から資格取得を目指す必要はありません。

【国別】看護師免許の取得方法|語学力は必要?

【国別】看護師免許の取得方法|語学力は必要?

海外の看護師免許の取得条件や必要手続きは、国によって異なります。ここでは日本の看護師が海外で働く場合に必要な現地免許の取得方法や手続き内容を国別に紹介するため、夢を実現するまでの道のりを具体的に確認しましょう。
(出典:日本看護協会「海外の看護師資格取得について」

アメリカ

アメリカの看護師免許は、州ごとに発行する仕組みです。アメリカの看護師免許取得を目指す際には、最初に就職する州を決定しましょう。州の決定後は「Nursing Board」が指定する方法で審査を受け、「NCLEX-RN(アメリカ版の看護師試験)」を受験して、看護師免許を取得します。

多くの州ではNCLEX-RNの受験資格を得るため、CGFNS(外国看護学校卒業生審議会)の審査に通過することが必要です。CGFNSの審査を受ける際には英語資格のスコアを提出し、語学力を証明する必要もあります。

取得した看護師免許の有効期限や更新方法は、州によって異なります。更新手続きをする際に継続教育単位の提出を要求される州もあるため、事前によく確認しましょう。

イギリス

イギリスで看護師として働くためにはNMC(イギリスの看護助産師協議会)に申請し、看護師として登録を受ける必要があります。日本の看護師がNMCへ登録申請するためには、語学力・実務経験・学歴に関する条件を満たすことが必要です。

NMCによって条件を満たしていることが確認されると、外国人看護師向けの教育プログラムを受講できます。受講後にNMCの登録を受けると、看護師として働くことが可能です。

NMCへの登録を維持するためには毎年、登録費を支払う必要があります。支払いを忘れると登録停止の処分を受け、看護師として働けなくなるため注意しましょう。

NMCへの登録は、3年ごとに更新する必要があります。登録を更新するためには、臨床経験・最新知識・技術力などの基準を満たすことが必要です。

オーストラリア

オーストラリアで看護師として働くためにはAHPRA(オーストラリアの医療従事者協会)の審査を受け、看護師として登録する必要があります。4年制大学を卒業して日本の看護師免許を取得した方の場合は、日本の看護師免許・実務経験・語学力の証明書類などをAHPRAに提出し、書類審査を受ける流れです。

書類審査の通過後に知識テストと実技テストを受け、所定のオリエンテーションに参加すると、看護師として登録できます。短大・専門学校を卒業して日本の看護師免許を取得した看護師は所定の教育プログラムを受講したうえ、登録を受けてください。

いずれの場合も看護師としての登録は、1年ごとに更新する必要があります。更新手続きを行うためには自己学習時間の条件を満たすことが必要です。

ニュージーランド

ニュージーランドでは​​NCNZ(ニュージーランド看護協会)への登録により、看護師として働けます。NCNZへの登録は1年ごとに更新が必要です。

下記に日本の看護師が​登録を受けるための主な条件を示します。

  • 身分証明
  • 語学力
  • 看護師登録
  • 学歴
  • 実務経験

語学力については、NCNZの指定する英語資格で基準以上のスコアを取得することが必要です。NCNZへの申請時点で有効な日本の看護師免許があれば、看護師登録に関する条件を満たせます。学歴は、ニュージーランドの看護学士同等の教育を受けていることが条件です。実務経験は、過去5年間で最低2,500時間以上の基準を満たす必要があります。条件を満たしていない場合には​​教育プログラムの受講を勧められるケースがあるため、注意しましょう。

カナダ

カナダの看護師登録は、州ごとに行う仕組みです。日本の看護師がカナダで働くためには就職を希望する州の規制機関に申請し、規定の審査や試験を受けてください。審査や試験の内容は州によって異なるため、事前の確認が必要です。特に語学力の審査はフランス語の場合と英語の場合があるため、注意しましょう。

申請した州によって受験資格が認められると、「NCLEX(カナダ版の看護師試験)」を受験できます。NCLEXに合格したうえで各州の規制機関による登録を受けると、看護師として働くことが可能です。

カナダの看護師免許は、1年ごとに更新する必要があります。手続きを怠ると看護師として働けなくなるため、忘れずに更新しましょう。

【国別】看護師の平均給与|各国の特徴も

【国別】看護師の平均給与|各国の特徴も

日本の看護師と海外の看護師を比較するうえでは、給与面の違いも知っておくことが大切です。まずは日本で働く看護師の平均給与(年収)を紹介します。

【日本で働く看護師の平均給与(年収)】

男女計 男性 女性
約508.1万円 約522.7万円 約506.4万円
(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

上記の金額はあくまでも平均給与である点に注意してください。看護師には新人看護師から看護主任・看護師長・看護部長までが存在し、年功序列で受け取れる給与額は上がります。

対して、海外の看護師はどのくらいの平均給与を受け取っているのでしょうか。海外で働く看護師の平均給与について、アメリカ・イギリス・オーストラリアのそれぞれの傾向を解説します。

アメリカで働く看護師の平均給与の傾向
2024年2月時点で、アメリカで働く看護師の平均給与は約1,370万円です。経験年数が1年未満の看護師でも平均給与は約1,240万円であり、記録的な円安の影響も受け、日本の看護師よりも高収入を狙いやすい傾向があります。ただし、アメリカの看護師は細分化された職種の内容や、勤務する州によって、給与額に大きな差が見られる点に注意してください。
※1$(USD)=147円と換算
(出典:Indeed「Registered Nurse salary in United States」

イギリスで働く看護師の平均給与の傾向
2024年2月時点で、イギリスで働く看護師の平均給与は約520万円です。イギリスでは「Band」と呼ばれる階級制で看護師の職位が分かれていて、看護師の平均給与もBandによって大きく区切られています。イギリスの看護師はボーナスが支給されないことが平均給与を低くしているものの、土日祝日や夜勤の手当は充実していることが特徴です。
 ※1£(GBP)=187円と換算
(出典:Payscale「Average Registered Nurse (RN) Salary in United Kingdom」

オーストラリアで働く看護師の平均給与の傾向
2024年1月時点で、オーストラリアで働く看護師の平均給与は約1,115万円です。オーストラリアの公立病院では、経験年数1年~8年の看護師は年功序列で給与が上がるシステムとなっています。8年目以降はキャリアアップによる給与アップが期待でき、給与額の伸びしろが大きいことが特徴です。
※1$(AUD)=97円と換算
(出典:SALARY EXPERT「Registered Nurse」

看護師が海外で働くメリット・デメリット

看護師が海外で働くメリット・デメリット

看護師が海外で働くことは給与面やキャリア面などでメリットがあります。しかし、海外で働くデメリットがあることも留意しなければなりません。

海外で看護師として働きたいと考える方は、メリット・デメリットを比較したうえで決断することが大切です。以下では、看護師が海外で働くメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

海外で働くメリット

海外で働く主なメリットは、日本で働く看護師では経験できない内容が中心となっています。

・広い視野を持って仕事に取り組める

海外の看護師は患者とコミュニケーションを取る機会が多いことが特徴です。海外の医療機関はさまざまな方たちが利用しており、日本人の患者に対応することが多い日本の環境とは大きな違いがあります。海外で働く看護師は、看護師の仕事を通してさまざまな文化や価値観の方と接することができ、広い視野を養えることがメリットです。

・海外で身につけた知識を日本でも活かせる

海外で働く看護師として身につけた知識は、日本に帰国後も活かせます。近年、日本の医療機関では外国人患者の受け入れ体制整備を進めており、海外で働いた経験がある看護師は貴重な人材です。日本語に慣れていない患者に、適切な対応で看護できることは大きな強みとなります。

・国によっては高収入を期待できる

国によっては、日本で看護師として働くよりも高収入を期待できることがメリットです。特にアメリカやオーストラリアの看護師は高収入で知られています。ただし、現地の物価が高いと高収入であっても生活費がかさむため、給与面を考えるときは物価とのバランスも考えることが大切です。

・研修や勉強会などの支援が充実している

海外の看護師は、研修や勉強会などの支援が充実していて、医療機関によるサポートも整っていることが特徴です。たとえば、フルタイムで働いていて長期研修を受けたいときには、勤務体制をパートタイムに変えてくれます。勉強会も勤務時間中に行うことが基本であり、日本のように残業してまで勉強会に参加する必要はありません。

海外で働くデメリット

海外で働くデメリットは、海外で働くときの障害となる要因が中心です。

・英語を習得する必要がある

海外で働く看護師となるためには、現地の言葉を習得しなければなりません。特に重要な言語が、英語圏の国で第一言語とされている英語です。患者とコミュニケーションを取れるように英語で日常会話ができることはもちろん、看護師の仕事内容に必要な看護・医療関係の英語力も磨く必要があります。

・看護学部に通う場合は就職トレーニングなどの教育費や生活費がかかる

海外で看護師として働くときには、現地の大学・短大などに通って看護教育プログラムや就職トレーニングの受講が必要なケースもあります。受講中は看護師として働けないだけでなく、教育費や生活費がかかることがデメリットです。海外で働く前には、現地で看護師として働けるまでにかかるお金を計算する必要があります。

・看護師資格を持っていても経験がなければ就職が難しい

現地の看護師資格を持っていても、海外の医療機関にすぐ就職できるとは限りません。看護師が人気職である国は多く、医療機関も基本的に自国の看護師や実務経験者を優先して採用したいと考えています。日本の看護師が海外で就職するためには、看護師としての経験を十分に積んで自分の強みとするのがよいでしょう。

・日本よりも業務の範囲が広く看護師自身で判断する必要性も出てくる

海外の看護師は、日本の看護師よりも看護師判断で行える業務が多い反面、行える業務の範囲が広いというデメリットもあります。看護方針について医師と話し合いを行い、患者のケアや看護助手・准看護師への指示も行わなければなりません。看護方針は看護師自身で判断する必要性もあり、責任の重さも伴います。

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看護師が海外で活躍するための方法5つ

看護師が海外で活躍するための方法5つ

海外で看護師として働くためには、どのような方法で海外に就職できるかも知っておく必要があります。看護師が海外で活躍する方法ににはさまざまなものがあり、自分の状況や希望に沿った方法を選択することが大切です。

ここでは、看護師が海外で活躍するための方法を5つ紹介します。

看護留学をしたうえで海外に就労する

看護留学とは、海外の学校に留学して看護師に関する教育を受けることです。看護留学には下記のメリットがあります。

  • 海外で最新の医療技術や看護研究について学べる
  • 医療関係の英語力が磨ける
  • 就労に必要な資格取得が目指せる

看護留学をするときは、自分の目的に合った看護留学の種類を選ぶことが大切です。海外留学には、大きく分けて下記の3種類があります。

資格留学 現地で就労するために正看護師資格の取得を目指す
インターンシップ 現地で就労しながら看護師の経験・知識を積む
語学留学 看護師に必要な医療英語の習得を目指す

看護留学をしたうえで海外に就労するときは、資格留学を選ぶのがよいでしょう。

なお、看護留学では教育費を含めた留学費用がかかる点に注意してください。留学費用は留学先の国・教育機関と留学期間により異なるものの、1年間の看護留学では約200万~500万円がかかります。

海外インターンシップに参加する

海外インターンシップとは、現地の医療機関で看護師や看護助手として働くための研修を受けることです。海外インターンシップには下記のメリットがあります。

  • 医療現場で実習を行い、海外で働く看護師の経験を積める
  • カリキュラムに沿って資格取得ができる
  • 英語を使用する機会が多く、英語力が向上しやすい
  • 有給インターンシップは収入が得られる

海外で看護師として働くときに必要な資格取得・語学習得・実習を一度に行えることが、海外インターンシップの特徴です。

海外インターンシップはさまざまなエージェントがプランを提供しています。海外インターンシップに参加して海外で就労したいときは、就労したい国や希望の就労期間、予算も考えたうえでのプラン選択が大切です。 

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海外研修のある病院で働く

海外研修の制度が整備されている日本国内の病院で働き、海外研修に参加する方法もあります。海外研修のある病院で働くメリットは下記の通りです。

  • 病院側が海外研修のプランニングや研修先指定を行ってくれる
  • 研修費用は病院側が負担することが多い
  • 看護師としてキャリアアップできて、昇進にもつながる

海外研修のある施設の一例は、日本赤十字看護大学です。日本赤十字看護大学では海外研修を定期的に行っており、参加することで看護師としての国際性を高められます。

ただし、海外研修では、海外の病院に就職できるわけではない点に注意してください。海外研修を通して学んだ知見を活かし、日本国内の病院で働きたいと考える方に向いている方法です。

医療ボランティアとして看護職に就く

医療ボランティアとは、発展途上国や医療が発達していない地域で行う国際医療支援活動のことです。医療ボランティアとして看護職に就くことには、下記のメリットがあります。

  • 自分の能力を発揮して、能動的に行動できる力が身につく
  • 異なる国籍や文化の医療従事者とともに働く機会が得られる
  • 渡航費用などを団体側が負担してくれることもある

医療ボランティアとして看護職に就きたいときは、下記の活動に参加する方法があります。

・青年海外協力隊

青年海外協力隊は独立行政法人国際協力機構による、海外ボランティア派遣事業です。主な派遣先はアジア・中東・アフリカ・中南米地域の発展途上国となっています。

・国境なき医師団

国境なき医師団は非政府組織(NGO)の国際医療団体です。主な派遣先は紛争地帯・難民キャンプ・災害被災地などの医療が不足しているエリアとなっています。

・世界の医療団

世界の医療団は世界74か国で300以上の活動を行う、非政府組織(NGO)の国際医療団体です。自然災害や紛争・貧困などによって医療を受けられない方への支援を主に行っています。

・ジャパンハート

ジャパンハートは国内外への医療支援活動を行う日本のNPO法人です。アジア諸国への医療支援や被災地の復興支援、子どもへの福祉活動などを主に行っています。

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国際看護師として働く

国際看護師とは、海外の医療機関に就職して働く看護師のことです。国際看護師になることには下記のメリットがあります。

  • 海外で働く経験を通して、看護師としての能力が向上する
  • 文化や価値観の多様性を理解したうえで患者に対応できる力が身につく
  • 看護師の平均給与が高い国で働いたときは給与アップが期待できる

国際看護師として働くためには、下記の条件を満たすことが大切です。

  • 現地の言語を医療用語も含めて習得する
  • 現地の看護師資格を取得する

また、海外で働くときには現地の就労ビザ取得、もしくは永住権取得の必要があります。国際看護師として海外で活躍するためには看護師の実務経験も重要であるため、まずは日本国内で看護師経験を積みましょう。

海外で看護師として働くことが向いている人の特徴

海外で看護師として働くことが向いている人の特徴

日本と海外では、看護師に向いている人の特徴にも違いがあります。海外で働くときには、自分に海外の看護師に向いている特徴が備わっているかを確認しましょう。

最後に、海外で看護師として働くことを検討している方に向けて、海外の医療現場で求められるスキルや資質を解説します。

多様な人々の背景や価値観を尊重し寄り添える人

海外で働く看護師は、多様な人々の背景や価値観を尊重し、異なる考えにも寄り添えることが大切です。言語の壁があるなかで、看護師として患者と信頼関係を築くには、相手の気持ちや考え方を理解する姿勢を持たなければなりません。

また、同僚の看護師や医師とも、互いの考え方や意見を尊重することが大切です。チーム内で考え方の違いが生じたときは話し合いの場を持つなど、チームの目的を達成するための協調性も求められます。

スタッフや患者とのコミュニケーションを円滑に進められる人

海外で看護師として働くときは、スタッフや患者とのコミュニケーションを円滑に進めることが大切です。海外では、基本的に思ったことを言葉にして伝える文化があります。日本のように一歩引いた対応を取ると、「何か隠しごとをしている」と受け取られることもあるため注意してください。

コミュニケーションを円滑に進めるうえで大切なことは、できることはできる、できないことはできないと言うことです。自分の意見をはっきり伝えることが、相手との信頼関係を構築する第一歩となります。

マネジメント力・リーダーシップのある人

アメリカやイギリスで働く正看護師には、看護助手や准看護師を統括して看護業務を進める役割もあります。正看護師として多くの看護人材を動かすときは、個々の能力を活かせるマネジメント力が欠かせません。

また、海外の看護師は医療チームの一員として自発的な行動を取るシーンが多くあります。自発的な行動を取れる看護師になるためには、リーダーシップも必要です。自分の専門分野では積極的に能力を発揮し、後輩の看護師にも適切な指導を行う役割が求められます。

日本の看護師が海外に転職する前にしておくべき準備

日本の看護師が海外に転職する前にしておくべき準備

海外への転職を成功させるためには、事前の情報収集と準備が必要です。海外とひと口にいっても国により、待遇や働き方が変化します。ミスマッチを防止するためにも興味のある国を実際に訪問し、文化・看護観・医療事情を確認しましょう。現地で働く自分自身の姿を想像し、理想とする看護師像を実現できる国を選択すれば、失敗リスクを軽減できます。

海外の病院などで不安なく働くためには、十分な語学力が必要です。就職を希望する国が決まり次第、極力早い段階から語学力の向上に励みましょう。十分な語学力は慣れない海外生活を乗り切るための自信につながり、看護師としてのモチベーション維持を助けてくれます。

まとめ

海外で働く看護師は、多様な文化や価値観への理解を深めることができ、最新の医療技術・知識を学べます。日本より看護師の平均給与が高い国が多いことも、海外で働くメリットの1つです。

海外インターンシップへの参加や国際看護師など、看護師が海外で働く方法はいくつかあります。ただし、働くためには現地の看護師資格や、看護の臨床経験が必要です。看護師免許の取得方法は国ごとに異なるため、各国の看護師資格取得要件を確認しましょう。

マイナビ看護師では、キャリアアドバイザーが将来の進路や身につけたいスキルに合った求人情報を紹介しています。海外で働く前に看護師としての経験を積みたい方は、マイナビ看護師にご相談ください。

※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています

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