• 2021年11月17日
  • 2022年1月21日

特定機能病院とは? 役割・仕事内容や向いている人の特徴も

 

第二次医療法改正において、1993年より「特定機能病院」の区分が制度化されました。特定機能病院は、地域にある一般的な病院と同様、医療を提供するという目的は同様です。しかし、定義や役割において細かな違いがあります。そのため、特定機能病院で働くスタッフ・看護師の仕事内容も、一般病院とやや異なるでしょう。

そこで今回は、特定機能病院の役割・一般病院との違いから、特定機能病院の仕事内容と働くメリット・デメリットを徹底的に解説します。最後に特定機能病院で働くことが向いている看護師の特徴も解説するため、特定機能病院に興味があるものの、自分に合っているのかわからず悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

特定機能病院とは?

特定機能病院とは、高度医療の提供や、高度の医療技術の開発および評価、高度の医療研修の実施能力を備えた病院のことです。

特定機能病院としてみなされるためには、承認要件を満たしたうえで厚生労働大臣からの承認を受けなければなりません。2021年4月時点では、全国で87もの病院が厚生労働大臣から特定機能病院として承認を受けています。
(出典:厚生労働省「特定機能病院について」

特定機能病院の役割

特定機能病院の最も大きな役割は、「高度の医療提供」です。高度の医療とは、一般病院では対応できないケガや病気、疾患に対応できる医療技術を指します。

また、「高度な医療技術の開発・評価」も特定機能病院として欠かせない役割となっています。主に研究を行う規模の大きい大学病院やがんセンターでは特定機能病院として承認を受けていることも多く、実際に特定機能病院として承認を受けている87病院のうち79病院が大学病院です。

上記のほかにも、「高度の医療に関する研修」や「高度な医療安全管理体制」も特定機能病院の重要な役割として挙げられます。高度な治療を来院患者に提供するだけでなく、高度な医療提供のための体制づくりも欠かせません。
(出典:厚生労働省「特定機能病院について」

また、医療法第十二条の三により、特定機能病院の開設者は毎年厚生労働大臣に業務報告書を提出することが規定となっています。提出した業務報告書の内容は、厚生労働省や各都道府県ホームページにて公表されます。

第十二条の三 特定機能病院の開設者は、厚生労働省令の定めるところにより、業務に関する報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

2 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の報告書の内容を公表しなければならない。

(引用:e-Gov法令検索「医療法」

特定機能病院と一般病院の違い

一般病院や診療所は誰でも受診でき、患者さんは自由に来院することが可能です。一方で特定機能病院は、高度な治療が必要な患者さんに対して最優先での医療提供を図るべく「紹介制」となっています。一般病院で診察・治療を受けたあと、特定機能病院の紹介状をかかりつけ医から受け取らなければ、特定機能病院で受診することができません。

その他にも、特定機能病院と一般病院には主に承認要件・規模・医療体制においてあらゆる違いがあります。

承認要件

特定機能病院は、厳しい要件を満たす必要があります。特定機能病院として承認を受けるためには、特定機能病院の定義ともなる承認要件をすべて満たさなければなりません。特定機能病院の承認要件は、下記のとおりです。

  • 高度の医療提供、開発および評価、研修を実施する能力を有している
  • 地域の病院・クリニックからの紹介患者に医療を提供している
    (紹介率50%/逆紹介率40%以上)
  • 400床以上の病床を有している
  • 定められた人員配置を満たしている
  • 院内に集中治療室・無菌病室・医薬品情報管理室を有している
  • 医療安全管理体制を整備している
  • 16の診療科を掲げ表わしている
  • 査読のある雑誌に掲載された英語論文数が年間70件以上ある

規模

特定機能病院の承認要件には、人員配置の条件が存在します。特定機能病院は一般病院よりも多くのスタッフを配置しなければならず、最低でも下記規模の人員配置が必要です。

医師:一般病院のおよそ2倍(配置基準の半数以上が何らかの専門医)

薬剤師:入院患者数÷30

看護師など:入院患者数÷2

管理栄養士:1名以上

なお、一般病院において薬剤師は「入院患者数÷70」、看護師などは「入院患者数÷3」が最低配置基準となっています。このように、特定機能病院は一般病院よりも多くの人員配置が必要です。

医療体制

一般病院は、主に「地域のかかりつけ医」として、地域住民に必要な医療を提供します。しかし特定機能病院は、地域住民に対してではなく、高度医療技術での治療が必要な患者さんに対して機能する病院です。一般病院の医療体制のような、いわゆる「地域完結型」ではありません。

このように、特定機能病院と一般病院はあらゆる面において大きな違いをもつものの、それぞれ「患者さんをサポートする」「医療の安全を確保する」という1つの目的は同様です。そのため、互いに連携をとりつつ役割分担をすることも重要とされています。
(出典:厚生労働省「特定機能病院について」

特定機能病院の仕事内容

特定機能病院で検温する看護師の女性

特定機能病院は、高度先進医療を提供する病院です。そのため、一般病院での仕事内容とはやや異なる点が存在します。

とは言え、特定機能病院として承認を受けている医療機関に適した仕事を行うことが基本です。特定機能病院として承認を受けている医療機関は大学病院がほとんどであることから、基本的には大学病院での仕事内容と同様と考えてよいでしょう。

参考として、大学病院での仕事内容は下記の通りです。

  • 患者さんへの検温・脈拍測定・投薬・身の回りのケア・巡回・記録など
  • その他配属される診療科に応じた業務
  • 研究・学生の教育

看護師が特定機能病院で働くメリット・デメリット

特定機能病院で働く看護師と医者

規模が大きく、あらゆる経験を積むことのできる特定機能病院には働くメリットが多く、キャリアアップを目的とする転職者にも適した職場と言えます。しかし、働くデメリットも少なからずあるため、特定機能病院での看護師求人を探す前に、あらかじめメリット・デメリットを把握しておくことが大切です。

ここからは、看護師が特定機能病院で働くメリット・デメリットを紹介します。

メリット

看護師が特定機能病院で働くメリットは、下記の3つです。

〇実際に高度な先端医療に触れ、技術や知識を身につけることができる

特定機能病院は、一般病院にはない医療設備を有しているだけでなく、定期的に研究機関による研修会や勉強会なども開催されます。先進的医療を身近に触れながら日々業務に携われるため、一般病院では身につけられない技術や知識を得ることが可能です。特定機能病院で培った経験は、今後の転職でも有利になるでしょう。

資格取得などスキルアップに関するサポートが充実している

特定機能病院は、医療従事者の教育・スキルアップにも積極的です。特に資格取得などのスキルアップに関するサポートが充実している職場は多く、成長しやすい環境が十分に整備されていると言えるでしょう。

福利厚生が充実している

特定機能病院として承認を受けている医療機関は基本的に規模が大きく、勤務スタッフに対する待遇や福利厚生が充実していることが特徴です。保育所が併設されていたり、男女問わず育児休暇を得られる職場もあります。

デメリット

看護師が特定機能病院で働くデメリットは、下記の2つです。

特定機能病院の多くが24時間体制で夜勤があるため、多忙になりがち

特定機能病院は、24時間対応可能な医療体制を整えています。夜勤・当直業務もあり、多忙になりやすい点がデメリットです。特に最低限の人材しか配置されていないような職場では、なかなか休みがとれないというケースもあるでしょう。

医療事故が発生すると経営にダメージが生じ、収入・待遇への影響も発生する

高度な医療を提供する特定機能病院は、大きな医療事故が発生する可能性もゼロではありません。医療事故が発生した場合は特定機能病院としての承認が取り消されるケースもあります。承認が取り消されると経営に大きなダメージが生じ、働くスタッフの収入・待遇に重大な影響を及ぼすでしょう。

特定機能病院で働くことが向いている看護師の特徴

特定機能病院で働くことが向いている看護師

特定機能病院で働くことが向いている看護師の特長は、下記のとおりです。

  • 学ぶこと、成長することに貪欲な人
  • 高い専門性を身につけたい人
  • 働きながら資格取得を目指している人

前述のとおり、特定機能病院は一般病院では得られないあらゆる知識や経験を身につけることができます。特定の診療科に配属するだけでなく、特定機能病院ならではの高度な医療を身近に触れることができるため、学ぶことや成長することに貪欲な・高い専門性を身につけたい人は向いていると言えるでしょう。

また、日々の研究業務や定期的な研修や講習会、さらに職場によっては資格取得のサポートが受けられるため、働きながら資格取得を目指す人もおすすめです。

まとめ

特定機能病院は、高度な医療を提供できる能力を備えた病院のことです。承認要件を満たしたうえで厚生労働大臣からの承認を受けて、初めて特定機能病院として運営できます。

特定機能病院は、高度医療・最先端医療を提供する病院であるため、一般病院での仕事内容とはやや異なる点が存在します。専門的かつ高度な知識を得られるなど働くメリットが多く、キャリアアップを目的とする転職者にも適した職場です。

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