准看護師ができないことは何?
  • 2021年10月25日
  • 2021年11月16日

准看護師ができないことは何? 仕事内容やキャリアアップの仕方を解説

 

「看護師にできて准看護師にできないことは何? 」「准看護師と看護師の違いは? 」など、看護職に対して疑問を持っている方もいるでしょう。准看護師と看護師はそれぞれ「保健師助産師看護師法」で定義されており、双方には明確な違いがあります。

この記事では、准看護師と看護師の定義の違いを解説。また、准看護師の仕事内容とできないことも紹介します。准看護師は訪問看護の現場でも行えない業務があるため、ぜひご一読ください。

准看護師と看護師の定義の違い

「保健師助産師看護師法」において看護師と准看護師は定義されており、双方には明確な違いがあります。

「保健師助産師看護師法」において、看護師は「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義されています。一方、准看護師は「道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者」です。

看護師免許は厚生労働大臣が発行している国家資格ですが、准看護師免許は都道府県知事が発行しており、国家資格ではありません。また、看護師は自身の判断で看護業務を行えますが、准看護師は業務を行う際に必ず医師や看護師の指示を受ける必要があります。

参照元
厚生労働省
保健師助産師看護師法

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准看護師の仕事内容

点滴を行う准看護師の女性

准看護師の主な仕事内容は以下のとおりです。

・体温や血圧、脈拍の測定
・点滴や採血
・診察補助
・患者へ病状や薬の説明
・入院中の生活介助(食事・排泄・入浴など)
・体位変換
・移乗介助
・服薬管理
・投薬管理
・シーツ交換
・手術補助
・カルテ記入
・患者の送迎
・カンファレンスへの参加

准看護師の仕事は、基本的に看護師と同じです。そのため、看護師と同等の知識やスキルを身に着ける必要があります。
ただし、准看護師は医師や看護師の指示を受けてからでないと、看護業務を行うことができません。

准看護師ができないこと

准看護師の女性

看護師と准看護師は定義や免許が異なることで、看護師にはできて准看護師にはできないことがあります。

自己判断での看護業務

「保健師助産師看護師法」にも記載があるとおり、准看護師は医師や歯科医師、看護師の指示を受けてからでないと看護業務を行えません。

たとえば、患者から体位交換や入浴介助をお願いされた場合、看護師であれば自分で判断してすぐに行えます。しかし、准看護師は医師または看護師に報告をして指示を仰がなければならないのです。

准看護師の場合、どの業務を行うにしても自己判断はNGです。その都度医師や看護師に報告して指示を仰がなければならないため、看護師に比べて業務効率は下がるといえるでしょう。

看護計画の立案

准看護師は、看護計画を考えて立案することができません。なぜなら、看護師と准看護師では教育の基本的な考え方が異なるからです。

日本看護協会の「看護業務基準(2016年改訂版)」によると、看護師と准看護師の教育の基本的な考え方について、以下の記載があります。

・看護師
科学的根拠に基づき、看護を計画的に実践する基礎的能力を養う

・准看護師
医師、歯科医師、又は看護師の指示のもとに、療養上の世話や診療の補助を、対象者の安楽を配慮し安全に実施することができる能力を養う

上記のとおり、看護師と准看護師では教育方針が異なります。看護師は科学的根拠や倫理にもとづいた看護計画を行い、実践するための教育を受けていますが、准看護師は受けていません。

そのため、同資料には「准看護師は看護師の立案した計画に基づき、看護師の指示のもと、看護を必要とする人に対する支援を行う」と明記されています。このように、看護師と准看護師では求められている役割や教育水準が異なるのです。

参照元
日本看護協会
看護業務基準(2016年改訂版)

ほかの看護師への指示出し

保健師助産師看護師法にもあるとおり、准看護師は看護師から指示を出される立場です。そのため、准看護師が看護師に指示出しをすることはできません。

准看護師が先輩で看護師が後輩の場合も、このルールは変わりません。たとえ、准看護師が勤続30年のベテランであってもです。

新人看護師が処置に困っていても准看護師は指示ができないため、業務上不便に感じることもあるようです。

管理職への昇進

准看護師は、管理職への昇進ができないと考えられています。

准看護師は管理職になれない、という明確な決まりはありません。しかし、看護師への指示出しはもちろん、看護計画の立案もできないことから、准看護師が管理職へ昇進するのは難しいでしょう。

そのため、どれだけ長年勤めても管理職へのキャリアアップは厳しいというのが現状のようです。

訪問看護の現場で准看護師ができないこと

訪問看護を行う准看護師の女性

病院やクリニックなどの医療機関内だけでなく、訪問看護の現場でも准看護師はできないことがあります。

訪問看護計画書および報告書の作成

准看護師は看護計画を立案できませんが、それと同様で訪問看護計画書や報告書の作成もできません。厚生労働省の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」には、訪問看護計画書等の記載要領について次のように書かれています。

「作成者①②」の欄にはそれぞれ氏名を記入し、併せて看護師若しくは保健師又は理学療法
士、作業療法士若しくは言語聴覚士のうちそれ ぞれ該当する職種について○をつけること。

このように訪問看護計画書や訪問看護報告書の作成は、看護師か保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかに定められており、准看護師が作成することは認められていません。

参照元
厚生労働省
訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて

訪問看護ステーションの管理者

准看護師は、訪問看護ステーションの管理者になることができません。厚生労働省の訪問看護に関する資料によると、訪問看護ステーションの管理者は「専従かつ常勤の保健師又は看護師であって、
適切な指定訪問看護を行うために必要な知識及び技能を有する者」と定められています。

訪問看護ステーションの管理者になれるのは、看護師か保健師のみです。訪問看護ステーションの管理者は看護師や保健師に指示を出したり、育成を行ったりしなければならないため、准看護師では業務が全うできないのです。

参照元
厚生労働省
訪問看護

24時間対応体制の担当

24時間対応体制とは、電話などで訪問看護の利用者やその家族から看護に関する意見を求められたときに、常時対応できる体制を整えていることです。

厚生労働省の「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて」では、「24時間対応体制に係る連絡相談を担当する者は、原則として、当該訪問看護ステーションの保健師又は看護師とし、勤務体制等を明確にすること」と定められています。

そのため、准看護師は24時間対応体制の担当ができません。

参照元
厚生労働省
訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて

准看護師から看護師にキャリアアップすることも可能

看護師資格の勉強をする准看護師の女性

「自分で判断して臨機応変に看護をしたい」「管理職になりたい」という准看護師の方は、看護師をめざすことも可能です。

准看護師から看護師になるには、看護師学校養成所で2年課程を修了して看護師国家試験を受ける必要があります。看護師学校養成所には全日制、定時制、通信制があるので、ライフスタイルに合ったコースを選ぶと良いでしょう。

・全日制
全日制は、最短で看護師資格を取得できるコースです。

全日制の受験要件は、准看護師免許を持っていることです。ただし、中学卒業後すぐに准看護師になった人は、実務経験が3年以上必要となります。

・定時制
定時制には昼間定時制と夜間定時制があり、2年課程を3年かけて修了します。3年の月日はかかりますが、働きながら看護師資格を取得できるのがメリットです。

定時制の受験要件は、全日制と同じく准看護師免許を持っていることです。中学卒業後すぐに准看護師になった人は、実務経験が3年以上必要です。

・通信制
通信制では、基本的に座学は通信教材を使って行います。面接授業や病院での見学実習などもありますが、比較的自分のペースで勉強ができるので、働きながら正看護師をめざしやすいでしょう。

ただし、通信制の受験要件は、准看護師免許を持っていて実務経験が7年以上あることです。7年以上准看護師として働いている方は、通信制で看護師をめざすと良いでしょう。

まとめ

准看護師は看護師と教育課程が異なるため、自己判断で看護ができなかったり、管理職に就けなかったりなどの制限があります。しかし、仕事内容は基本的に変わりません。

看護師は免許を取得するまでに3年かかりますが、准看護師は2年で取得が可能です。期間が短い分、看護師よりも費用をかけずに資格を取得できます。そのため、看護の現場に立ちたいと考えている社会人や主婦の方は、看護師免許よりも准看護師免許を取得するほうがハードルが低いでしょう。准看護師になってから看護師にステップアップすることも可能なので、まずは准看護師から看護職をめざすのもおすすめです。

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