• 2021年10月21日
  • 2024年7月17日

心理学の資格一覧! 取得方法や心理カウンセラーに向いている人の特徴も解説

 

「心理学の資格にはどんな種類があるの?」「心理学の資格は独学で取得できるの?」など、心理学に興味はあっても資格の種類や取得方法を知らない方は多いでしょう。心理学の資格には独学で取得できるものもあれば、大学で指定の科目を履修しなければ受験資格を得られないものもあります。

この記事では、心理学の資格の種類や取得方法を解説します。また、心理カウンセラーに必要なスキルや向いている人の特徴も紹介もしているので、ぜひ参考にしてください。

心理学とは

心理学とは、人間の心の動きや行動の仕方を科学的な手法によって研究する学問のことです。

観察・実験・調査などの方法によって一般法則を理論的に解明する「基礎心理学」と、基礎心理学をもとに生活で活用するための具体的な研究を行う「応用心理学」の2種類に大きく分けられます。

基礎心理学と応用心理学の代表的な種類は、以下のとおりです。

【基礎心理学】

  • 生理心理学
  • 発達心理学
  • 学習心理学
  • 認知心理学
  • 社会心理学
  • 人格心理学

【応用心理学】

  • 臨床心理学
  • 教育心理学
  • 犯罪心理学
  • スポーツ心理学
  • 産業心理学
  • 災害心理学

上記のほかにも、基礎心理学には知覚心理学や深層心理学、応用心理学には経済心理学や交通心理学などがあります。

心理カウンセラーとは

心理カウンセラーとは、心理学などの専門知識を活用してカウンセリングを行い、心や人間関係の悩みを抱えた相談者を支援する心理専門職です。近年は心理的サポートのニーズが高まっている傾向にあり、医療・福祉・教育・産業などのさまざまな分野で心理カウンセラーの需要が増加傾向にあります。

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心理カウンセラーにおすすめの心理学に関する資格一覧

心理学に関する資格には国家資格である公認心理師や民間資格の臨床心理士、認定心理士、産業カウンセラーなど、さまざまな資格があります。資格の取得方法は試験の受験やカリキュラムの受講など、資格の種類によってさまざまです。

以下では、心理学に関する資格の種類と概要、取得方法を解説します。

公認心理師

公認心理師は、心理系の資格としては国内初の国家資格です。2015年9月9日に公認心理師法が成立し、2017年9月15日に同法律が施行されました。

公認心理師は、心理学に関する専門性の高い知識や技術を駆使して、助言や指導、援助などを行います。

資格の取得方法

公認心理師国家試験を受けて合格し、資格登録をすることで公認心理師になれます。国家試験の受験資格を得るには、大学または大学院で指定科目の履修が必須です。

試験の概要

試験は年に1回、マークシート方式の筆記試験が行われています。試験時間は午前120分、午後120分の計240分で、問題は150問から200問です。合格発表は、大体1か月後から2か月後に行われます。

参照元:厚生労働省「公認心理師」

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公認心理師とは? 受験資格・年収・臨床心理士との違いを解説

臨床心理士

臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。心理系の民間資格のなかでは知名度が高く、1988年に初めて試験が行われました。2024年4月1日時点で41,883人の方が臨床心理士の資格を取得しています。

資格の取得方法

臨床心理士になるには、日本臨床心理士資格認定協会の試験に合格しなければなりません。
試験を受けるには「同協会が指定する大学院を修了し、所定の条件を満たしている」「臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了している」などの受験資格をクリアする必要があります。医師免許取得者は心理臨床経験が2年以上あれば受験可能です。なお、資格取得後は5年ごとに更新を行います。

試験の概要

試験は年に1回実施されます。試験は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験が筆記で、二次試験が口述面接試験です。

筆記試験では多肢選択方式の試験と論文記述試験の2種類が行われます。二次試験の受験資格は一次試験の多肢選択方式試験の成績に基づいて判定され、最終的には多肢選択方式試験と論文記述試験、口述面接試験の3つを総合的に判断して合否が決定されます。

参照元:公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」

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臨床心理士とは? 公認心理師との違い・仕事内容・なり方・難易度も

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神保健福祉士法に基づく名称独占の国家資格です。
精神科病院などの医療機関で働き、心の病・精神障害を抱える施設利用者の方への支援や社会復帰に関する相談対応を行います。

資格の取得方法

精神保健福祉士になるには、精神保健福祉士国家試験の合格が必須です。
受験資格には「保健福祉系4年制大学で指定科目を履修」や「保健福祉系2年制短大で指定科目を履修し、実務2年以上」など、複数のルートがあります。

資格試験合格後に資格登録申請を行うことで、精神保健福祉士資格を取得できます。

試験の概要

試験は年1回実施・2日制です。

1日目は「精神疾患とその治療」などの専門科目、2日目は「人体の構造と機能及び疾病」などの共通科目に関する試験を行います。試験問題は適切な答えを5つの選択肢から選ぶ形式です。

参照元:公共財団法人 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士」

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、2016年4月1日の法律改正によって新たに創設された国家資格です。労働者にキャリアコンサルティングを行い、職業選択やキャリア形成に関する支援を行います。

資格の取得方法

キャリアコンサルタントになるには、登録試験機関が実施するキャリアコンサルタント試験に合格する必要があります。以下のいずれかを満たすことで、試験を受験できます。

  • 厚生労働大臣が認定する講習課程を修了している
  • キャリアコンサルティングにかかわる3年以上の実務経験がある
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種における学科試験もしくは実技試験に合格している

資格取得後、キャリアコンサルタント名簿に登録すると「キャリアコンサルタント」を名乗ることができます。

試験の概要

試験は年3回、学科試験・実技試験(論述)と実技試験(面接)の2日に分けて行われています。
学科試験はマークシート方式の筆記、実技試験(論述)は記述式、実技試験(面接)はロールプレイングと口頭試問です。

参照元:特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会「国家資格 キャリアコンサルタント試験」

認定心理士

認定心理士は、社団法人日本心理学会が認定する民間資格です。
大学では心理学に関する学部・学科でも、名称に「心理学」が含まれていない場合があります。これらの学部や学科を卒業した場合でも、心理学に関する基礎学力と技能を持っていることを証明するために認定心理士の資格が作られました。

資格の取得方法

認定心理士になるための資格試験はありません。大学や大学院で日本心理学会が指定する科目を履修する必要があります。

具体的には、指定科目のうち基礎科目で12単位以上、選択科目で36単位以上の修得が必要です。指定科目を履修したら日本心理学会に資格認定の申請を行い、審査に合格することで資格を取得できます。

参照元:公益社団法人 日本心理学会「認定心理士の資格を取りたい方」

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格です。
産業カウンセラーは働く人のメンタルヘルス対策、キャリア形成、職場における人間関係や職場環境改善への支援を行うことを求められています。また、働く人だけでなく、その組織に対しても支援や働きかけを行います。

資格の取得方法

産業カウンセラーの資格は、産業カウンセラー試験に合格することで取得できます。
産業カウンセラー試験は、「協会が行う産業カウンセリング養成講座を修了した満18歳以上の方」もしくは「大学か大学院で指定の専攻を修了および単位取得した方」が受験可能です。

試験の概要

試験は学科試験と実技試験があり、別日に行われます。

参照元:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー試験」

JADP認定メンタル心理カウンセラー®

JADP認定メンタル心理カウンセラー®は、一般社団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する民間資格です。取得することで、医療現場や福祉施設、教育現場、一般企業などで求められるカウンセリング能力を備えていることを証明できます。

資格の取得方法

JADP認定メンタル心理カウンセラー®の資格は、協会が指定する認定教育機関で全カリキュラムを修了後に検定試験を受験し、合格することで資格を取得できます。カリキュラムは通信講座で受講可能です。

試験の概要

試験は在宅受験が可能です。

試験問題は、履修内容である「カウンセリングに関する基礎知識」「クライエントに関する基礎知識」「心理学に関する基礎知識」「精神医学の基礎知識」のなかから出題されます。70%以上の得点率で合格となり、合否結果は答案受付から1か月程度で送付されます。

参照元:一般財団法人日本能力開発推進協会「JADP認定メンタル心理カウンセラー®」

メンタルケアカウンセラー®

メンタルケアカウンセラー®は、メンタルケア学術学会・一般財団法人生涯学習開発財団・一般財団法人ヘルスケア産業推進財団の3団体が認定する民間資格です。取得することで、心理学の基礎知識と円滑なコミュニケーションが行える基礎スキルがあることを証明できます。

資格の取得方法

メンタルケア学術学会が指定する講座を受講し、課題を提出します。課題の添削の結果、一定基準の知識があると判断されれば合格となり資格を得られます。

参照元:メンタルケア学術学会「メンタルケアカウンセラー®について」

チャイルドカウンセラー

チャイルドカウンセラーは、一般社団法人日本能力開発推進協会(JADP) が認定する民間資格です。児童心理のスペシャリストで、主に医療・福祉・教育現場など子どものいる施設で活躍しています。 資格取得により、子どもに対するカウンセリングの知識やスキルがあることを証明可能です。

資格の取得方法

チャイルドカウンセラーの資格は、協会が指定する認定教育機関で全カリキュラムを修了後に検定試験を受験し、合格することで資格を取得できます。カリキュラムは通信講座で受講可能です。

試験の概要

試験は在宅受験が可能です。

試験問題は、履修内容である「チャイルドカウンセリングの役割と理念」「現代社会における子どもの問題行動」「子ども理解のあり方」「連携とは」「家族問題との関わり」「来談者との関わり」「問題行動」「障害」のなかから出題されます。70%以上の得点率で合格となり、合否結果は答案受付から1ヶ月程度で送付されます。

参照元:一般財団法人 日本能力開発推進協会「チャイルドカウンセラー」

キャリアカウンセラー

キャリアカウンセラーは、一般社団法人日本能力開発推進協会 (JADP) が認定する民間資格です。取得することで、個人の職業能力や社会的・経済的地位の向上をサポートするスキルがあることを証明できます。

資格の取得方法

キャリアカウンセラーの資格は、協会が指定する認定教育機関で全カリキュラムを修了後に検定試験を受験し、合格することで資格を取得できます。カリキュラムは通信講座で受講可能です。

試験の概要

試験は在宅受験が可能です。

試験問題は、履修内容である「キャリアカウンセリングに関する基礎知識」「キャリアカウンセリング理論」「キャリアカウンセリングの実践に関する基礎知識」「キャリアカウンセリングの実施等に関するスキル」のなかから出題されます。70%以上の得点率で合格となり、合否結果は答案受付から1ヶ月程度で送付されます。

参照元:一般財団法人 日本能力開発推進協会「キャリアカウンセラー」

心理学検定

心理学検定は、一般社団法人日本心理学諸学会連合が認定する民間資格です。

心理学検定には「特1級・1級・2級」という3段階の級があり、合格した級によって自分が修得している心理学の基礎知識・能力を証明できます。特1級や1級を取得することで、特定の大学・専攻課程における大学院入試の優遇措置や所定の単位などを得られます。

資格の取得方法

心理学検定を取得するには、取得したい級の検定試験に受検申込をして、合格する必要があります。心理学検定は受検資格がなく、学歴・年齢を問わず受検することが可能です。

試験の概要

試験はA領域5科目・B領域5科目の計10科目で行われます。各科目20問で構成され、解答形式は4肢選択です。CBT(Computer Based Testing)方式によって実施されます。

参照元:一般社団法人 日本心理学諸学会連合「心理学検定」

EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC®)

EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC®)は、特定非営利活動法人EAPメンタルヘルスカウンセリング協会が認定する民間資格です。取得すると、EAP(従業員支援プログラム)とメンタルヘルスケアの専門家であることを証明できます。資格保有者は企業や医療機関、自治体などでメンタルヘルスケアやEAPの設計、運営に携わることが期待されています。

資格の取得方法

EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC®)になるには、EMCA認定カリキュラムの受講が必須です。修了証取得後に資格認定試験に合格し、EMCA協会への入会を経て資格が認定されます。資格の有効期間は5年で、更新が必要です。

試験の概要

試験は年に2回、1次試験(学科)と2次試験(実技)で構成されます。学科試験ではEAPとメンタルヘルスに関する専門知識が問われ、実技試験ではカウンセリングのスキルが評価されます。

参照元:特定非営利活動法人 EAPメンタルヘルスカウンセリング協会「EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)」

メンタルトレーニング検定

メンタルトレーニング検定は、パフォーマンス向上や目標達成に必要な知識とスキルを評価する、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会の民間資格です。行動科学や心理学、脳科学など多角的な視点から、日常生活やスポーツでのメンタルスキルを評価します。

資格の取得方法

メンタルトレーニング検定は3級から1級まであります。協会の指定校で開催されるカリキュラムを所定時間数受講し、レポートの提出や実技スキルのチェックを受けることが資格取得の条件です。

3級は6時間以上のカリキュラム受講とレポート提出、2級は3級を取得後に40時間以上のカリキュラム受講とレポート提出が必要です。1級は、2級を取得後に20時間以上のカリキュラムを受講し、実技スキルチェックを受けると取得できます。

参照元:一般社団法人 日本メンタルトレーナー協会「メンタルトレーナーになる」

教育カウンセラー

教育カウンセラーは、特定非営利活動法人日本教育カウンセラー協会が認定を行っている民間資格です。学校教育において、生徒指導や授業、家庭訪問など多岐にわたる教育活動で、カウンセリングの手法を活用するプロフェッショナルといえます。教育分野へ関わっている方に向けた資格で、初級・中級・上級の3つに分かれています。

資格の取得方法

初級は教育カウンセラー養成講座を修了し、相談・援助の実践歴が2年以上で認定試験に合格すると取得できます。中級は実践歴が5年以上、または関連領域で修士以上の学位を持つことが条件です。上級は実践歴7年以上か修士以上の学位、そして研究歴や講師歴が求められます。

参照元:特定非営利活動法人 日本教育カウンセラー協会「教育カウンセラーとは」

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心理学の資格は独学で取得可能か?

前述のとおり、心理学の資格によって取得方法や試験の受験要項は異なります。独学で取得可能な資格と取得不可能な資格は、以下をご確認ください。

【独学で取得可能な心理学の資格】

  • 認定メンタル心理カウンセラー
  • メンタルケアカウンセラー
  • チャイルドカウンセラー
  • キャリアカウンセラー など

【独学で取得できない心理学の資格】

  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 認定心理士
  • 産業カウンセラー など

公認心理師や臨床心理士などの資格は、大学や大学院で指定の科目を履修する必要があるため独学では取得できません。

社会人が心理学の資格を取得する4つの方法

ここでは、社会人が心理学の資格を取得する方法を4つ紹介します。自分にあった勉強法を考えてみましょう。

1.大学に通う

大学では心理学の基礎からしっかりと学べますが、入学金や授業料など、それなりに費用がかかります。また、社会人として働きながら大学に通うのは、なかなか難しいでしょう。

「働きながら学びたい」「費用はできるだけ安く抑えたい」という方には、通信制の大学もあります。ただし、大学によって入学金や授業料・学べる内容・目指せる資格は異なるので事前に確認しましょう。

また、通信制といっても基本的に単位の4分の1程度は、通学して取得しなければなりません。そのため、できるだけ自宅から近い大学を選ぶのがおすすめです。

2.本を読んで学ぶ

心理学に関する書籍は数多く出版されているので、取得したい資格に合った内容の本を購入して勉強しましょう。資格によっては、試験の対策テキストや問題集、過去問が出版されています。過去問を解くことで試験の出題傾向も分かるでしょう。

書籍は1冊数千円程度なので、費用をかけずに資格取得の勉強ができるのがメリットです。また、自分のペースで勉強できるので、忙しい社会人にとって最適な勉強法といえるでしょう。

ただし、書籍だけでは理解が難しく、分かりにくい内容も。難易度の高い資格試験の場合は、書籍だけでは合格が難しい場合があります。

3.通信講座で学ぶ

分かりやすいテキストを用いて勉強したい方は、通信講座で学ぶのがおすすめです。通信講座では、心理学の基礎に関する勉強はもちろん、資格試験対策も行えます。また、書籍と同様、自分のペースで勉強できるのがメリットです。

書籍で学ぶよりは多少費用がかかりますが、書籍だけの勉強では不安な方や物足りない方は通信講座を活用すると良いでしょう。

4.民間のスクールに通う

民間スクールは通信講座より費用はかかりますが、対面授業になるので独学よりも内容を理解しやすいでしょう。また、スクールによっては座学だけでなく、カウンセリング方法やコミュニケーションの取り方といった実技を学べます

座学だけでなく実技も学びたい方や同じ目標を持つ人と交流したい方は、スクールに通うのがおすすめです。体験入学を行っているスクールもあるので、一度参加してみると良いでしょう。

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心理学の資格を活かせる分野と仕事内容

心理学の資格を有していると保健医療・福祉・教育など、さまざまな分野での活躍が可能です。特に、メンタルヘルスの重要性が増している現代社会では、心理学の資格を活かせる仕事は増えています。

ここでは、心理学の資格を活かせる分野とその仕事内容を紹介します。

保健医療分野

保健医療分野の主な勤務先は、病院やクリニック・保健所・保健センターなどです。

医療分野で働く場合は心理学の知識だけでなく、ある程度の医療知識が必要とされる場合もあります。そのため、心理学の資格だけでなく、看護師免許や医師免許といった医療に関する資格を有している方が活躍しやすいでしょう。

福祉分野

福祉分野の主な勤務先は、児童相談所や児童発達支援センター・障害児通所支援事業所・障害者支援施設などです。また、認定こども園や保育所、児童館といった児童福祉施設でも活躍しています。

福祉分野では、児童福祉や障害者福祉、高齢者福祉などに関して援助を行います。また、高齢者はもちろん介護を行う介護スタッフの相談に応じることもあります。

教育分野

教育分野の主な勤務先は、公立の教育相談機関や教育委員会・大学の学生相談室などです。主にスクールカウンセラーとしての勤務が多い傾向にあります。

教育分野では小学生から大学生までの学生を対象として、いじめや不登校・勉学・家族に関することなど、さまざまな問題に関する相談に応じています。また、学生だけでなく、教員の相談やストレスマネジメントにも対応しています。

産業分野

産業分野の主な勤務先は、企業の相談室や組織外の相談機関・障害者職業センター・ハローワークなどです。なかでも、企業の相談室や組織外の相談機関に勤める方が多い傾向にあります。

企業の相談室に勤める場合、社員のメンタルヘルスケアや職場復帰に関する相談・支援、ストレスチェックを活用した心理支援などを行います。障害者職業センターやハローワークでは、就職やキャリアに関する相談に応じ、支援を行うのが主な仕事です。

司法分野

司法分野の主な勤務先は、少年院や警察署・家庭裁判所などです。なかでも、少年鑑別所や少年院、刑事施設といった法務省矯正局関係の職場で働く方が多く見られます。

業務内容は、加害者を対象とした非行・犯罪の予防に関する活動や再犯防止に向けた取り組み、被害者を対象とした支援などです。人によっては、司法・犯罪分野に関する講演等の啓発活動を行うこともあります。

心理カウンセラーの年収

厚生労働省のjobtagによると、医療福祉分野のカウンセラーの年収は459.3万円スクールカウンセラーの年収は551.4万円でした。

全職種の平均年収が506.9万円のため、一概に高いとも低いとも言い切れません。心理カウンセラーといっても、携わる分野や勤務先、雇用形態などによって年収は異なります。また、勤務先や保有している資格によっても、年収に差は出るでしょう。

以下の関連記事では公認心理師と臨床心理士の平均年収を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

参照元:
厚生労働省 jobtag「カウンセラー(医療福祉分野)」
厚生労働省 jobtag「スクールカウンセラー」
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

■関連記事
公認心理師の年収は? 臨床心理士との違いや収入アップの方法を紹介
臨床心理士の平均年収は? 勤務形態・分野・経験年数・地域による違いも

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心理カウンセラーに向いている人の特徴

以下のような特徴がある方は、心理カウンセラーに向いているでしょう。

人に関心を持てる人

心理カウンセラーは、相談者の話に耳を傾け、彼らの問題や感情に真剣に向き合う職業です。人に対する関心が高い方は相談者とのコミュニケーションが自然で、理解や共感が生まれやすい傾向にあります。

距離感を適切に保てる人

カウンセラーとの距離が近すぎても遠すぎても、相談者の多くは心を開けません。また、感情移入しすぎると共依存の関係になったり、心理カウンセラー自身がメンタルの不調に陥ったりする場合があります。相談者に安心感を与えるためにも、適切な距離感が大切です。

穏やかで辛抱強い人

相談者のなかには、心をさらけ出す決心がつかない方や抱える問題をうまく言葉で表せない方も多くいます。そのため、心理カウンセラーには相談者が悩みをすぐに打ち明けられない場合でもストレスに感じず、穏やかな態度でじっくりと待てる辛抱強さが必要です。

心理カウンセラーに必要な4つのスキル

心理カウンセラーには心理的ケアに必要な専門的知識や技術以外にも、多面的なスキルが求められます。たとえば、面接記録の作成や書類管理をスムーズに行うには、事務処理能力が必須です。相談者との信頼関係を築くには、守秘義務を厳守するコンプライアンスへの見識も重要となります。

以下で解説するスキルも、高いカウンセリング能力を発揮するためには欠かせません。心理カウンセラーに求められる力を知り、スキルアップやキャリアアップをめざしましょう。

1.傾聴力

心理カウンセラーには、単に話を聞くだけではなく、相手の気持ちに寄り添いその言葉の裏にある感情や意味を理解する能力が求められます。このスキルは、相手に安心感を与えて信頼関係を築くためにも重要です。

傾聴力の高い方には、視線を合わせる・身体言語から読み取る・声のトーンやスピードに注意を払うといった配慮が見られます。また、適度に相槌や質問を挟みつつ、安易に話題を変えずにしっかりと耳を傾けています。傾聴力があれば、相談者からの信頼が得られ、より効果的なカウンセリングが可能となるでしょう。

2.判断力

寄り添う姿勢は大事ですが、感情移入しすぎるのもよくありません。相談者の問題を理解しつつ、その背景や原因を客観的に捉える能力が求められます。自分自身の感情や価値観に影響されず、フラットな立場で相談者を観察し評価することが大切です。

問題を正確に理解したうえで、適切な支援方法を選ぶ能力も不可欠です。誤った判断は、相談者の状況を悪化させる可能性があります。冷静に判断するには、心理学やカウンセリングの豊富な知識、実践経験が必要です。また、相談者の性格・価値観・目標なども考慮に入れて判断する力が求められます。

3.論理的思考力

論理的思考力は、心理学の理論を実践に適用する際に重要です。正確な判断を下すためには、広範な心理学的視点と知識を用いた論理的な思考が必要です。論理的思考力を磨くことで、相談者に最適なカウンセリング方法を選び、効果的にサポートする力が高まります。

論理的思考力があれば、相談者の話に出てくる情報を整理しながら重要なポイントを抽出して分析し、問題の本質を把握できます。また、相談者の話の矛盾や偏見に気づくことができれば相談者の誤解や先入観にとらわれず、問題解決策を導くための正確な質問を選べるでしょう。

4.言語化能力

相談者の悩みを把握し、問題の解決方法が分かっても、相手に届かなければ目的が果たせません。カウンセリングに来る方のなかには、周囲の言葉に耳を傾けられないほどの心理状態になっている方も多くいます。相談者が抱える問題や感情を明確に表現でき、かつ相手の心に伝わる言葉や言い回しを的確に選べる能力が必要です。

また、カウンセリングでは複雑な心理学的な概念が出てくることも多々あります。心理専門職には基礎知識でも、相談者には馴染みのない言葉が少なくありません。専門的な用語を相談者が理解できるよう、一般的な言葉で簡潔かつ明瞭に説明する能力も必要です。

まとめ

近年は、心に問題を抱える方が増加傾向にあります。また、高齢化に伴い高齢者本人やその家族に向けたカウンセリングも重要視されています。心理カウンセラーの需要は年々高くなっており、活躍の場も増えていくと予想されるでしょう。

特に心理学の知識を有する看護師は、医療知識も持ち合わせていることから医療現場での活躍が期待されています。心理学に関する資格は独学で取得できるものも多く、スキルアップやキャリアアップのために取得しておいて損はありません。
看護師としてキャリアアップをめざす方は、マイナビ看護師にご相談ください。
マイナビ看護師では専任のキャリアアドバイザーがご希望をお伺いし、スキルアップやキャリアアップをめざせる求人をご案内いたします。職場の雰囲気や考え方なども熟知しているため、詳しい情報を知ったうえでのご応募が可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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