• 2021年10月1日
  • 2021年11月8日

企業で働く保健師とは? 仕事内容や給料事情を紹介

 

企業で働く医療関係者には、産業医と産業保健師がいます。産業保健師は一人の社員として企業に所属し、社員の健康管理や保健指導を行っています。

この記事では、産業保健師のなり方や給料事情を解説。産業保健師の求人の探し方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

企業で働く保健師とは?

保健師は働く場所によって、名称が異なります。企業で働く保健師は「産業保健師」と呼ばれ、社員の健康管理や保健指導を行っています。

保健師は予防医療のエキスパート

保健師は、人々の保健指導や健康管理を行う予防医療のエキスパートです。保健師助産師看護師法の第2条では、「保健指導に従事することを業とする者」と定義されています。

保健師が保有する資格は、看護師国家資格と保健師国家資格の2つ。人々の保健指導や健康管理を行うために、看護師としての各疾病の知識や医療現場の技術も持ち合わせているのです。

参照元
保健師助産師看護師法 第2条

企業で働くのは「産業保健師」

保健師は勤務する場所によって名称が異なり、企業で働く保健師は「産業保健師」と呼ばれています。保健師の名称と勤務先は以下のとおりです。

・産業保健師
産業保健師とは、民間企業に勤務する保健師のことです。

社員の健康状態の把握や健康診断の実施、生活習慣病の予防、ストレスチェックなどを行っています。近年ではメンタルヘルス領域での活躍も期待されています。

・行政保健師
行政保健師とは市区町村の役所や保健所、保健センターなど、行政関係の施設に勤務する保健師のことです。行政保健師の多くは、公務員として勤務しています。

行政保健師の主な仕事は、感染症の予防と対策、高齢者や障がい者の生活支援、産後女性への保健指導、乳幼児健診、予防接種のサポートなど地域住民の健康管理を行うことです。また、依存症、虐待、DVへの介入や支援も行います。

・病院保健師
病院保健師とは、病院やクリニックなどの医療機関に勤務する保健師のことです。勤務する医療機関によっては、看護師業務と兼務することもあります。

病院保健師の主な仕事は、病気予防のアドバイスや感染症対策、退院後の生活指導などです。健康診断や予防接種のサポートなど、患者だけでなく医療機関で働くスタッフの健康管理も行います。

・学校保健師
学校保健師とは、学校に勤務する保健師のことです。保健室の先生と呼ばれる養護教諭とは異なります。

学校保健師の主な仕事は、怪我をした人の応急処置や体調不良者の看護、メンタルケアなど、生徒や教職員の健康管理をすることです。

産業保健師は全体の4.6%

日本看護協会の「令和2年看護関係統計資料集」によると、2019年の保健師の人数は64,819人でした。そのうち、事業所で勤務する産業保健師の人数は2,974人。産業保健師は保健師全体の4.6%しかおらず、かなり少ないことがわかります。

産業保健師を設置する企業自体が少なく、それに比例して産業保健師の人数も少ないと考えられます。

参照元
日本看護協会
令和2年 看護関係統計資料集

企業で働く産業医と保健師の違い

企業で働く産業医の女性

企業で働く医療従事者には、保健師のほかに産業医がいます。

50人以上の労働者がいる事業所では、選任要件を満たした14日以内に1名以上の産業医を選任および設置するよう義務付けられています。労働者が3,001人以上の場合は、2名以上の選任および設置が必要です。また、常時1,000人以上の労働者がいる事業所では、その企業に常勤する専属産業医が必要となります。

一方、保健師の設置は義務付けされていません。そのため、産業保健師の認知度は産業医に比べて低い傾向にあります。

参照元
労働安全衛生法第13条
労働安全衛生規則第13条
厚生労働省 産業医について

企業で働く保健師の仕事内容

企業で働く産業保健師は、健康管理室や医務室で以下の仕事を行っています。

  • 社員の健康状態の管理
  • 健康診断の実施
  • 病気や怪我の応急処置
  • 成人病や生活習慣病の予防や啓蒙活動
  • ストレスチェックの実施
  • 社員のカウンセリング
  • 職場の過重労働対策

産業保健師の主な仕事は、社員の健康状態を把握することです。外部の健診機関と日程を調整して健康診断を実施し、結果の管理や保健指導を行います。また、健康診断の結果を分析して、成人病や生活習慣病などの病気の予防や啓蒙活動も実施。社員からの健康相談にものります。

さらに、社員のカウンセリングをおこなったりストレスチェックを実施したりなど、近年ではメンタルヘルスケアも行っています。

企業で働く保健師の給料事情

企業で働く保健師の給与事情

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、保健師の平均給料は以下のとおりです。

きまって支給する現金給与額:32万4,200円

年間賞与やその他特別給与額:86万7,400円

よって、保健師全体の平均年収は475万7,800円です。

企業で働く保健師の場合、勤務する企業によって基本給やボーナスが異なります。中でも大手企業に勤める保健師は比較的高収入で高待遇の割合が高いといわれているため、上記の保健師の平均給料よりも高い金額を得られる可能性があります。

参照元
厚生労働省
令和2年賃金構造基本統計調査

企業で保健師として働くメリット

企業で働く保健師は、働きやすさや高待遇であることがメリットとして挙げられます。詳しくは以下のとおりです。

土日休みの場合が多い

企業によって異なりますが、一般的に土日を公休としている企業が多いです。企業で働く保健師は一社員として勤めているため、就業先の業務時間に合わせた働き方をします。そのため、土日休みだけでなくゴールデンウイークやお盆休み、年末年始などの長期連休も、一般社員と同様に取得することがほとんどです。規則的な休みが欲しい方や家族と休日を過ごしたい方などには、大きなメリットといえるでしょう。

負担の少ない働き方ができる

前述したように、企業で働く保健師は就業先の業務時間に合わせて働くため、夜勤帯の勤務はほぼありません。また、看護師のように体力を使う仕事も少なく、デスクワークがメインです。9時から18時など、規則的な勤務が基本なので身体的負担は少ないでしょう。残業も多くないため、生活リズムや体調を維持しやすい働き方が可能です。

企業によっては高収入を見込める

企業によって保健師の給料は異なりますが、規模が大きいほど高収入を期待できるでしょう。産業保健師を設置している企業の多くは、大企業といわれています。そのため、各種手当や賞与などの待遇面が手厚いだけでなく、福利厚生も充実している場合が多いようです。

企業で保健師として働くために必要な資格とは?

企業で働く保健師の女性

企業で保健師として働くために、特別な資格は必要ありません。各企業の募集要項によって異なりますが、基本的には「〇年以上の経験が必要」というような経験年数も問われないので、未経験でも産業保健師として勤務可能です。

ただし、大前提として看護師資格と保健師資格を保有する保健師である必要があります。保健師になるためのルートは、以下の2つです。

①看護師と保健師、2つの国家試験を同時受験してどちらも合格する

②看護師資格を取得後、1年制の保健師養成学校に通う、または看護系大学保健師養成課程に3年次編入して保健師資格を取得する

①のルートでは、保健師と看護師の統合カリキュラムがある4年制大学や専門学校で学びます。看護師と保健師の国家試験を同時受験し、どちらも合格すれば保健師として勤務することが可能です。

②のルートでは3年制の短大や看護学校に進学して看護過程を修了し、まずは看護師国家資格を取得します。その後、1年制の保健師養成学校に通うか、看護系大学保健師養成課程に3年次編入して保健師課程を修了。保健師国家試験を受験して合格すると保健師になれます。

すでに看護師資格を保有している方は、1年制の保健師養成学校に通うか看護系大学保健師養成課程に3年次編入して保健師資格を取得し、産業保健師をめざします。

企業で働きたい! 産業保健師の求人の探し方

産業保健師の求人は、主に企業のホームページや求人サイトで募集しています。しかし、産業保健師は高収入かつ高待遇の傾向にあり、人気のある仕事です。よって、求人募集があっても応募する人が多く、産業保健師になるのは難しいといわれています。また、「土日祝休み」「夜勤なし」「残業少なめ」という働きやすさも相まって産業保健師の定着率は高く、求人募集自体が少ないのが現実です。

産業保健師は企業のホームページや求人サイト以外に、転職エージェントの非公開求人として募集していることがあります。そのため、企業で保健師として働きたい方は転職エージェントを活用するのがおすすめです。とくに看護職に特化した転職エージェントであれば、一般的な転職エージェントよりも産業保健師の求人を見つけやすいでしょう。

企業で働きたい方や転職をお考えの方は、マイナビ看護師にご相談ください。

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