• 2021年8月18日
  • 2021年11月8日

准看護師とは? 正看護師との違いや給料を解説

 

准看護師と正看護師の違いは、見た目ではわかりません。仕事内容もあまり変わりませんが、資格や業務の進め方は大きく異なります。

この記事では、准看護師と正看護師の違いを資格や仕事内容、勤務先などに分けて解説。また、准看護師のなり方や給料、将来性について紹介します。看護職を目指す方はぜひ参考にしてください。

准看護師とは?

准看護師とは、都道府県知事が発行する准看護師免許を持っている看護師のことです。免許を発行するのは都道府県知事ですが、資格を持っていれば全国どこでも働けます。病院やクリニックなどで医師や歯科医師、看護師の指示のもと、診療の補助や看護を行うのが仕事です。

日本看護協会の「令和2年看護関係統計資料集」によると、2019年の准看護師の人数は30万5,820人です。増加を続ける看護師とは異なり、准看護師の人数は毎年減少しています。2010年と比べると9年間で約8万人も減っており、今後も減少が続くと考えられています。

参照元
日本看護協会
令和2年看護関係統計資料集

准看護師と正看護師の違い

准看護師の女性

准看護師と正看護師の違いを、「資格」「教育課程」「仕事内容」「勤務先」「キャリアアップ」の5つに分けて解説します。

資格

准看護師と正看護師では、保有している資格が異なります。准看護師は都道府県知事が発行する免許ですが、正看護師は厚生労働大臣が発行する国家資格です。そのため、資格を取得した地域から離れ県外で勤務する場合は、新たな勤務先の都道府県へ申請手続きが必要になることもあるので注意しましょう。

教育課程

准看護師免許を取得するには中学卒業後に准看護師養成所へ入学し、2年課程で1,890時間以上の履修が必要です。一方、正看護師免許を取得するには、高校卒業後に大学や看護師養成所に3~4年間通い、3,000時間以上の履修が必要です。

准看護師は中学卒業後に2年で免許が取得できるのに対し、正看護師は取得までに高校卒業後3年から4年かかります。

仕事内容

准看護師と正看護師では、仕事内容はあまり変わりません。いずれも診察の補助や健康管理、注射、採血などを行います。ただし、准看護師と正看護師では業務の進め方が異なります。

保健師助産師看護師法によると、正看護師は第5条で「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義されていますが、准看護師は第6条で「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者」とされています。

正看護師は自身の判断で看護業務を行えるのに対し、准看護師は医師や正看護師の指示がないと業務を行えないのです。

参照元
保健師助産師看護師法

勤務先

准看護師と正看護師の勤務先に変わりはありません。しかし、勤める人数の割合が異なります。

日本看護協会の「令和2年看護関係統計資料集」によると、准看護師の勤務先は病院が最も多く、全体の36.3%でした。次に多いのはクリニックで34.6%です。そのほかにも、居宅サービスや介護老人保健施設、介護老人福祉施設に勤務している人の割合が多いことがわかります。

一方、正看護師は68.9%と約7割近い人が病院で勤務しており、クリニック勤務者は15%、そのほかの勤務先はいずれも5%以下でした。

正看護師の多くが病院勤務なのに対し、准看護師はクリニックや施設などさまざまな勤務先で活躍しています。

参照元
日本看護協会
令和2年看護関係統計資料集

キャリアアップ

准看護師と正看護師では、キャリアアップ先が大きく異なります。

准看護師がキャリアアップを目指す場合、正看護師の免許を取得します。一方、正看護師の場合は認定看護師や専門看護師、保健師、助産師など、キャリアアップ先は多岐にわたります。

准看護師が認定看護師や専門看護師、保健師、助産師を目指す場合は、まずは国家資格である正看護師の免許を取得しなければならないのです。

准看護師の仕事について

ここでは、准看護師の主な仕事内容を解説。また、准看護師が業務上できないことも紹介します。

准看護師の仕事内容

准看護師の主な仕事は、以下のとおりです。

  • ・体温、血圧、脈拍の測定
  • ・診察補助
  • ・点滴、注射、採血
  • ・食事介助
  • ・排泄介助
  • ・入浴介助
  • ・体位変換
  • ・服薬管理
  • ・手術補助
  • ・シーツ交換
  • ・患者の移送
  • ・カルテ記入
  • ・カンファレンスへの参加

准看護師の仕事は、診察や手術の補助、点滴、採血、カンファレンスへの参加など、正看護師の仕事とあまり変わりません。ただし、すべての業務は医師か看護師の指示を仰いで行う必要があります。

准看護師ができないこと

准看護師は医師や看護師の指示がないと業務を行えないだけでなく、准看護師が看護師に指示をするのもNGです。たとえ准看護師のほうが看護歴が長くても、後輩の正看護師に指示を行えません。そのため、准看護師は長く勤めていても、管理職への昇進は難しいとされています。

准看護師の給料

准看護師の給料

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、准看護師のきまって支給する現金給与額は28万8,000円、年間賞与やその他特別給与額は67万4,100円でした。
よって、准看護師の年収は413万100円です。

なお、准看護師と看護師の給料の差は以下のとおりです。

きまって支給する
現金給与額
年間賞与
その他特別給与額
平均年収
准看護師 28万8,000円 67万4,100円 413万100円
看護師 33万8,400円 85万7,500円 491万8,300円

参照元
厚生労働省
令和2年賃金構造基本統計調査

看護師と准看護師の給料差は、毎月の給料で5万400円、年間賞与で18万3,400円です。年収では、約78万8,200円もの差になることがわかります。仕事内容にあまり変わりはありませんが、資格や業務の進め方の違いによって、給料では大きな差がでるのです。

准看護師になるには

准看護師になるための勉強をしている様子

准看護師になるには、都道府県知事が発行する免許が必要です。ここでは、准看護師免許を取得するルートと准看護師試験の概要について紹介します。

准看護師の資格取得ルート

准看護師の資格取得ルート

准看護師免許を取得するには、主に2つのルートがあります。

①中学卒業後、准看護師養成所(2年)または高等学校衛生学科(3年)に進学する
②高校卒業後、准看護師養成所(2年)か看護大学(4年)、短大・専門学校(3年)に進学する

①のルートでは、中学卒業後に准看護師養成所(2年)または高等学校衛生学科(3年)に進学して、准看護師試験の受験資格を得るための教育を1,890時間以上受けます。そして、准看護師試験に合格することで、都道府県知事より准看護師免許が発行されるのです。中学卒業後に准看護師養成所に2年通うのが、准看護師を目指す最短ルートとなります。

②のルートでは、高校卒業後に准看護師養成所(2年)か看護大学(4年)、短大・専門学校(3年)に進学して、准看護師試験の受験資格を得るための教育を1,890時間以上受けます。①のルートのように、中学卒業後すぐに准看護師養成所に進学すれば最短2年で准看護師になれますが、②のルートで看護大学に通うとなると、中学卒業後から准看護師免許取得までは7年かかります。

主婦の方やすでに社会人として働いている方は、准看護師養成所に通うのがおすすめです。准看護師養成所であれば、2年で准看護師免許を取得できます。また、学校によって異なりますが、全日制だけでなく半日制の課程もあります。日中は家事や子育て、仕事をして、夜間に学校に通うことで、家庭や仕事との両立も可能です。

准看護師試験の概要

准看護師試験は、毎年2月に47都道府県で実施されます。試験日は都道府県によって異なるため、同年で複数回受験することも可能です。

試験科目は、「人体の仕組みと働き」「食生活と栄養」「薬物と看護」「疾病の成り立ち」「感染と予防」「看護と倫理」「患者の心理」「保健医療福祉の仕組み」「看護と法律」「基礎看護」「成人看護」「老年看護」「母子看護」「精神看護」の14科目。全150問が出題されます。

2021年2月に行われた准看護師試験は、受験者数15,198人のうち合格者は15,052人で合格率は99.0%でした。2020年の合格率は96.0%、2019年の合格率は96.9%と例年高い水準であるため、准看護師試験の難易度はそれほど高くはないでしょう。

参照元
厚生労働省
令和2年度准看護師試験の実施状況を公表します
令和元年度准看護師試験の実施状況を公表します
平成30年度准看護師試験の実施状況を公表します

准看護師の資格を取得する3つのメリット

准看護師は短期間で働きながら資格の取得が可能です。また、活躍の場が多いのも准看護師になるメリットといえます。ここでは、准看護師の資格を取得する3つのメリットを詳しく解説します。

1.短期間で資格が取得できる

准看護師のメリットは、なんといっても短期間で資格が取得できることです。准看護師養成所であれば、最短2年で准看護師免許が取得可能。正看護師になるよりも学校に通う期間が短くて済むので、その分学費も安くなります。

2.働きながら資格取得が可能

准看護師養成所には全日制と半日制があるため、自身の生活スタイルに合わせて通うことが可能です。半日制の准看護師養成所に通うことで、働きながら准看護師免許の取得を目指せます。また、主婦の方も日中に家事や育児を行い、夜間に准看護師養成所に通うことで、家庭との両立も可能でしょう。

3.活躍できる職場が多い

准看護師は医師や正看護師の指示がなければ業務を行えませんが、ニーズが低いわけではありません。小規模の病院やクリニック、特に老人ホームや老人保健施設といった介護施設でのニーズは高く、欠かせない存在となっています。

准看護師から正看護師になる方法

准看護師から正看護師になろう決意した女性

「給料アップを目指したい」「自身で判断して臨機応変に看護を行いたい」「管理職に就きたい」などの目標ができた場合は、准看護師から正看護師へのキャリアアップも可能です。

准看護師から正看護師になるには、看護師学校養成所で2年課程を修了して看護師国家試験に合格する必要があります。看護師学校養成所の2年課程には全日制、定時制、通信制があり、ライフスタイルに合わせて正看護師を目指せます。

全日制

全日制の受験要件は、准看護師免許を持っていることです。ただし、中学卒業後に准看護師となった人は、実務経験が3年以上必要となります。

全日制は、准看護師資格取得後に最短で看護師資格を取得できるコースです。

定時制

定時制の受験要件も全日制と同じく、准看護師免許を持っていることです。中学卒業後に准看護師となった人は、実務経験が3年以上必要となります。

定時制には昼間定時制と夜間定時制があり、それぞれ3年間かけて2年課程を修了します。3年の月日はかかりますが、働きながら看護師資格の取得が可能です。

通信制

通信制の受験要件は准看護師免許を持っていて、実務経験が7年以上あることです。

座学は主に通信教材で行い、実習は病院での見学実習です。そのほか、登校して面接授業や紙上事例演習も行います。

通信教材で勉強を行うのが基本なので、働きながら正看護師を目指しやすいコースといえます。准看護師として7年以上勤務している方は、通信制で正看護師資格の取得を目指すと良いでしょう。

准看護師の将来性

近年、高齢化や医療の高度化・複雑化の背景もあり、看護職には自律的に判断して看護を行う能力が求められています。そのため、日本看護協会では准看護師養成所を看護師養成所に転換し、看護師養成への一本化を目指す動きが出てきています。そのため、准看護師養成所の数が減るのに比例して、准看護師の人数も年々減少しているのです。

しかし、准看護師は小規模の病院やクリニック、介護施設ではニーズが高く、必要とされている存在です。そのため、准看護師が廃止されて完全に正看護師に一本化されることはまだないでしょう。

まとめ

准看護師と正看護師のどちらが合っているかは、各個人の生活環境や考え方によって異なります。どちらの資格も需要が高いため、就職や転職に困ることはないでしょう。

准看護師資格は2年という短い期間で、働きながら取得できます。また、かかる金額も正看護師に比べて安いので、取得しやすいのがメリットです。

そのため、まずは准看護師資格を取得して、キャリアアップを目指すのであれば正看護師資格を取得する道もあります。

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