あと少しで夏のボーナスシーズン♪ そこで今回は、2019年の夏のボーナスがどのくらい支給されるのか? 「マイナビ看護師」が看護師1000人に実施したボーナス調査や、業界別平均額などを元に令和元年のボーナス金額を予想します。
1.大手企業の令和初夏ボーナスは2年ぶり減少
経団連は2019年6月11日、大手企業の2019年夏ボーナスの一時集計結果を発表しました。2018年は調査開始以来の最高値を記録しましたが、今年は18年比で2.52%減少、平均妥結額は97万1777円でした。第1回の集計結果としては2015年から5年連続で90万を超える水準となり、賃上げの勢いは続いているようです。
こうした最新のボーナス事情を踏まえ、ファイナンシャルプランナーの斉藤 勇さんに平成最後のボーナス事情から令和初となる夏ボーナス予想、気になる看護師のボーナス事情などを解説いただきます。
2.平成最後の夏ボーナス全業種の平均は4.7%増額
平成30年 夏のボーナス平均支給額は?「38万3879円(昨年比4.7%増)」(参照:厚生労働省)
看護師の夏のボーナス支給額を紹介する前に、まずはさまざまな業種のボーナス支給額を振り返ってみましょう。
厚生労働省が公表している毎月勤労統計によると、平成30年の夏のボーナス支給額は38万3879円で、平成29年に比べて4.7%増加しました。
※参照:厚生労働省
※データは平成31年4月時点で公表されているデータです
※5人以上の事業所が調査対象で、平成30年6月から8月に「特別に支払われた給与」のうち、賞与として支給された給与を特別集計
平成30年の「業種別ボーナス支給額」を見てみると、全産業のボーナス支給額平均38万3879円(4.7%増)、医療福祉は26万7661円(2.0%減)でした。
業種別のボーナス支給額はまちまちですが、業績が好調だった「建設業」の支給額が前年より22.7%増えたほか、人手不足が課題になっている「運輸業・郵便業」が前年より17.2%増えるなど、上昇率の大きさが目立ちました。一方で、低金利で経営環境が厳しさを増している「金融業・保険業」が前年より10.8%減少するなど、全体の支給額が増える中で減少している業種もありました。
3.気になる看護師の令和初ボーナス<上がる? 下がる?>
過去5年(平成26~30年)の看護師ボーナス平均額は看護師「40万5780円」、准看護師「32万5300円」でした。
ボーナス支給額はその年によって増減を繰り返しており、過去5年間の平均支給額は看護師が40万5780円、准看護師が32万5300円でした。このことから、看護師と准看護師のボーナス支給額はその年の景気に左右されることなく、安定して支給されていると言えそうです。
※「賃金構造基本統計調査 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与」のデータセットから年間賞与を抜粋し、2/1にて算出
看護師と准看護師の「令和元年 夏季ボーナス」の金額は、大手企業の支給額の伸び悩みが予想される中、人手不足を背景にわずかながら上昇して、看護師が41万3149円、准看護師が33万2796円と予想します。
前年の金額に対し1.2%増で算出したところ、令和初ボーナスは看護師「41万3149円」、准看護師「33万2796円」と予想しました。
4.【夏ボーナス】看護師1000人アンケート、4人に1人が「30~40万円」
続いて、マイナビが看護職員として働いている20代・30代の男女1000名を対象に実施した、アンケート結果を見てみましょう。
※2019年1月実施「マイナビ看護師アンケート」(楽天インサイト調べ)
看護師1000人にアンケートを実施、夏のボーナス支給額の第1位は1位30万~40万円 、第2位は20万~30万円、第3位は40万~50万円という結果となりました。
昨年の夏のボーナス支給額を聞いたところ、最も多かったのが「30万円以上40万円未満(24.5%)」で、およそ4人に1人が該当しました。続いて多かったのは「20万円以上30万円未満(18.2%)」と「40万円以上50万円未満(17.7%)」となりました。
一方で、夏のボーナスは「支給なし(9.1%)」や「10万円未満(7.9%)」と回答した方も。今回の調査対象者の属性を見ると、看護職員としての経験年数が「1年未満」と回答した人が3.6%、「1年以上3年未満」と回答した人が7.1%いました。さらに、アンケートに回答した看護師の57.0%が複数の職場で勤務をした経験(転職の経験)があると回答しており、転職したばかりで勤続年数が少ない看護師の場合は夏のボーナス支給額が少なかったようです。
「ボーナス支給額」働き方によるに差はあるの?
働き方を見ると、90%の人が「正職員」として働いていますが、そのほかでは「パート・アルバイト」が5%、「短時間正職員」が3%、「派遣」が2%でした。こうした働き方の違いも、ボーナス支給額に影響していると思われます。
※2019年1月実施「マイナビ看護師アンケート」(楽天インサイト調べ)
正職員 |
90% |
パート・アルバイト |
5% |
短時間正職員 |
3% |
派遣 |
2% |
性別による差はあるの?「男性・女性 ボーナス支給額 ベスト
夏のボーナスの支給額を男女別で見ると、男性は「40万円以上50万円未満」が最も多かったのに対し、女性は「30万円以上40万円未満」が最も多く、ボリュームゾーンが男性のほうが10万円ほど高いという結果に。男性と女性の勤続年数を見ると、分布の状況には大きな差が見られませんでした。しかし、男性はアンケートに回答した全員が「正職員」として働いていましたが、女性で「正職員」として働いているのは88.7%。正職員として働く割合が高い男性は、女性よりもボーナス支給額の平均が高くなる傾向にあるようです。
夏のボーナス支給額を男女別に見ると、女性は30万~40万円が24.9%でもっとも多く、次いで20万~30万円が18.5%、40万~50万円が16.8%でした。男性は40万~50万円が24.50%でもっとも多く、次いで30万~40万円が18.2%、50万~60万円が17.7%という結果となりました。
年齢による差はあるの?「20代・30代 夏のボーナスいくら?」
一方、20代・30代でボーナスの支給額を比較すると、どちらも「30万円以上40万円未満」が最も多く、ボリュームゾーンに大きな違いは見られませんでした。
夏のボーナス支給額を年代別に見ると、20代は30万~40万円が29.2%でもっとも多く、次いで40万~50万円が16.8%、20万~30万円が16.1%でした。30代は30万~40万円が22.7%でもっとも多く、次いで20万~30万円が19.0%、40万~50万円が18.0%という結果となりました。
看護師としての経験年数の分布を見ると、それぞれのボリュームゾーンは20代が「5年以上10年未満(51.8%)」「3年以上5年未満(26.3%)」「1年以上3年未満(14.2%)」で、30代は「10年以上15年未満(42.8%)」「5年以上10年未満(31.1%)」「15年以上20年未満(12.8%)」でした。また、「正職員」として働いている人の割合は、20代が93.1%で30代が88.8%。こちらも大きな差はありませんでした。
こうしたことから、看護師のボーナス支給額は仕事の内容や働き方によって決まる傾向が強く、年齢による影響は受けにくいと考えられそうです。
5.まとめ
ボーナスの支給額は、勤務先の給与システムや仕事の内容、雇用形態によって違うため単純には比較できません。しかし、正職員として同じ職場で働き続ければ、ボーナスの支給額が増えて収入アップの近道になるといえます。転職先を選ぶときには、正職員として長く働けそうな職場を選ぶのもポイントですね。
【関連記事を読む】
看護師の年収調査「みんなより多い? 少ない?」【2019年版】
看護師2018年冬のボーナス実態調査「みんなと比べて高いの?」
看護師の冬のボーナス大調査! お金が「貯まる」ボーナスの使い方って?
看護師の夏のボーナス、高いって本当?
<参考>
厚生労働省「毎月勤労統計」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/30/3009p/dl/pdf3009p.pdf
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/30/3009p/3009p.html