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愛知県

社会福祉法人杏嶺会 一宮医療療育センター

一宮医療療育センターの開設は2016年1月。尾張西部地区初の民間による「重症心身障がい児者施設」として誕生しました。地域医療のさらなる拡充に向け、同施設が担う新たな役割に期待が集まるなか、「健康を守り生活を支える医療」「生活の充実のためのリハビリテーション」「個性を重んじ人権を尊重した医療」を理念に掲げ、利用者さまに寄り添った医療・介護ケアを行なっています。一方で、職員が働きやすい環境づくりも積極的に推進。入職後のOJT研修から外部研修まで、多彩な研修制度をベースに教育体制の充実を図ることで職員の成長をサポートしています。また、福利厚生面では24時間体制の保育所を設置。看護師の仕事にしっかりと向き合えるよう、安心して働ける環境が用意されています。

利用者さまはもちろん、
職員も笑顔になれる施設をめざして

利用者さまにとっては“自分の家”。だから、壁紙ひとつにもこだわります
一宮医療療育センターの特徴を教えてください。

当施設は、尾張西部地区における民間初の重症心身障がい児者施設です。1Fは小児リハビリの外来、2~4Fは利用者さまが日中活動やリハビリを行なう居住スペースとなっています。ベッド数は、愛知県内でもっとも多い120床。内訳は長期入所が117床、短期入所が3床となっており、現在は110床余りをご利用いただいています。また、各フロアには約100畳の広々としたリビングがあり、看護師をはじめとしたすべての職員が、このリビングで利用者さまの生活支援を行なっています。

設備だけでなく、内装にもこだわっていると聞きました。

はい。たとえば、利用者さまは多くの時間を横になって過ごされるため、天井が視界に入りやすくなりますので、その点も考慮して天井の壁紙を選びました。また、リビングに大きな窓を設置していることで外の景色を眺めたり、夏は濃尾大花火が鑑賞できるようになっています。そのほか、利用者さまが“自分の家”と認識できるように、病室の表札に好きなアイドルの写真を貼ることも。当たり前のことですが、もし自分の両親や子供が施設に入るとしたら、環境の良い施設を選びたいですよね。とくに当施設は長期入所される方がほとんどですから、できるだけ快適に過ごしてほしいと思っています。

「リハビリスタッフの数が愛知県でもっとも多いのも、当施設の特徴。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を配置して重点的なリハビリを行なっており、看護師もそのスキルを学ぶことができます」。
日々の小さな変化を発見する喜び。それが、この仕事の醍醐味です
看護師への支援体制はどうなっているのでしょうか。

利用者さまにとって過ごしやすい施設・環境を実現するためには、設備投資もさることながら、職員の意識向上とスキルアップが不可欠です。そのため、教育制度の1つとして外部研修を積極的に推奨しています。ほかの施設を見学することで、自分たちに足りないもの、逆に良いところを見つめ直してもらいたいという意図です。また、現場においては一人ひとりの性格や成長スピードに合わせた指導を行なうなど、看護師にとっての“働きやすさ”も追求。看護支援部長が中心となって細かな部分まで配慮しています。

重心施設で働く醍醐味はどこにあるのでしょうか。

実際に利用者さまと接すると、驚かされることがたくさんあります。直接言葉を交わすことができなくても、目が見えなくても、耳が聞こえなくても、わずかな表情の動きや視線から感情を読み取ることができます。その小さな変化を一つひとつ、利用者さまに寄り添いながら発見していく。それが、ほかにないこの仕事の素晴らしいところだと思います。ほかの職員との連携が重要な仕事です。周囲の方々と円滑なコミュニケーションを取れることが、当施設の看護師として求める条件でもあります。

「個人的な印象ですが、イキイキと働いている職員が多いと感じています。周囲とコミュニケーションを取りながら利用者さまを支援していくやりがいを、新しく入職される方にも感じてほしいですね」。

看護師本来の役割を全うできる、
やりがいのある環境を実現するために

医師経験を活かした“現場目線”で施設を運営
もともと医師としてご活躍されていたと聞きました。

総合病院や小児病院などで約30年、腎臓小児科の医師として主に透析や腎移植に携わっていました。現在は、センター長として利用者さまにとって快適な環境づくりと、職員にとって働きやすい環境づくりに取り組む一方、これまでのキャリアを活かして医師として現場に出ています。具体的には、利用者さまやリハビリ外来の患者さまの診察が主な業務。私が小児科の常勤医として入職し、非常勤の医師2名とあわせて小児科医3名(全員で8名)の体制が整ったことで、今春から全病棟3フロアのオープンおよび20歳未満の重症心身障がい児者の受け入れも可能になりました。

医師としての経験は、施設運営に活かされていますか?

今まで、さまざまな病棟で多くの看護師さんと一緒に仕事をしてきました。そうした過去を振り返るなかで思うのは、職場選びにおいてマッチングはとても重要だということです。仮に、高い志を持って入職されたとしても、その想いを達成できる環境が整っていなければ離職という結果につながってしまいます。実際に、そういった場面も見てきました。だからこそ施設を管理する立場となった今、看護師としての役割を全うできる環境や、そのなかで一人ひとりがやりがいを感じられる環境をつくっていくことの重要性を強く感じています。

働く看護師さんの笑顔が印象的。一人ひとりの心が満たされていることが、利用者さまに対するケアの充実にもつながるという考えのもと、同施設では研修による業務面の育成・サポートやモチベーションの管理に努めています。
多彩な研修と万全の教育体制で、一人ひとりの看護師をフォロー
そのために重要なのが、教育体制・研修制度ということですね。

施設内教育の中心は、実践によるOJT研修です。先輩看護師を指導者として一定期間、同じグループの利用者さまと接しながら経験を積んでいく方法です。実践中心ですが、つねにサポートがつきますし、毎日のタスクがチェックリスト化されているので、段階的に知識・技術を習得できる仕組みになっています。同様に、研修については外部施設での実務研修や、看護協会・日本重症心身障害福祉協会が主催する研修に毎年参加するなど、学びの機会を数多く用意。今後は、協会認定重症心身障害看護師や摂食嚥下の認定看護師などの専門資格の取得についても積極的にバックアップしていきたいと考えています。

転職される方にメッセージをお願いします。

看護師の仕事は、決して高度医療に携わることだけではありません。利用者さまが医療ケアや生活支援に対して何を望んでいるのか。その理解に努め、気持ちに寄り添うことが、本来の看護師の仕事だと私は思っています。その点、当施設は医療施設ではないので、総合病院の看護師と比べて利用者さまと寄り添う時間は十分に確保できます。看護師にとって本来の仕事・役割を果たせるという意味では利点が多いですし、そこにやりがいを見出せる方にとってはモチベーションを高く持って働ける環境だと思います。

「開設3年目ということもあり、教育体制・研修制度については試行錯誤の部分も。林看護支援部長と密にコミュニケーションをとりながら、看護師にとって働きやすい環境づくりに取り組んでいます」。

心も体も、ゆとりを持って働ける。
理想的な働き方を実現できています

利用者さまが見せる笑顔が、日々の原動力になっています
転職の経緯について聞かせてください。

以前は、急性期総合病院で救急病棟の看護師として働いていました。患者さまから「ありがとう」と言われることもあり、やりがいも感じていました。ただ、それと同時に「患者さまともっと密接に関わりたい」という思いが強くなりました。当施設を選んだのは、職場の明るい雰囲気や、充実した設備に魅力を感じたから。それに、もともと重症心身障がい児者のデイサービスで働いていた親の姿を見てきました。それが看護師になるきっかけになり、当施設を選んだのは自然な流れだったかもしれません。

現在の仕事内容とやりがいを教えてください。

利用者さまの医療ケアと生活支援を行なっています。バイタルチェックや巡回、食事・排泄介助、看護記録、日中活動のサポートや外出支援などが主な業務です。私は医療依存度がもっとも高い利用者さまのフロアを担当しており、いらっしゃるのは言葉でコミュニケーションをとるのが難しい方がほとんど。そのため、スキンシップを交えたり、それが難しい場合は別の方法を考えたりと、コミュニケーションの取り方を工夫しています。最初は「誰?」という反応をされたこともありましたが、今では名前を呼ぶと表情が和らいだり、笑顔を見せてくれたり。その瞬間は嬉しい気持ちになりますし、私自身も癒されます。

「今は教えられたことを実践し、自分のなかで少しずつ咀嚼しながら覚えている段階。今後は外部施設の研修も予定されているので、そこで新たな知識や技術、考え方などを吸収できれば、と思っています」。
看護師としての幅を広げられる環境が、当施設の魅力
職場環境について教えてください。

看護師のみなさんは、明るくて優しい方ばかりです。フロアもオープンなので、困ったときにはすぐに助けを求めることもできます。また病棟勤務のときとは違い、ここでは保育士や介護福祉士を含む他職種の方々と連携をとりながら、一人ひとりの利用者さまと深く関わっていきます。たまに、介護士や保育士と一緒にオムツ交換をしたり、レクリエーションに参加したりしますが、その際の保育士のコミュニケーションの取り方など参考になる部分も多いですね。異なる職種の方の価値観や考え方を聞くことは、看護師としての幅を広げることにもつながっています。

先輩看護師として、最後にメッセージを。

介護に関する知識や技術的な要素について学べる点は、大きな魅力です。急性期病院の看護師ではなかなかできない経験ですから。一方で、医療施設ではありませんが、バイタルチェックや経管栄養などの日常業務を通して看護師として必要な基礎技術も磨くことができます。日中、利用者さまはリビングにいるため、体の状態を継続的に見られるなど、利用者さまとじっくり向き合えるのも、当施設のいい所。私がそうだったように「長く患者さまを診ていたい、接していきたい」という方にとっては、やりがいを持って働ける環境だと思います。

「利用者さまと接する際、もっとも大切にしているのが“諦めないこと”。コミュニケーションを取ることが難しい利用者さまも、いつかは必ず心が通じるときがくると信じています。だからこそ、わずかな変化であっても喜びは格別なんです」。

施設を訪問するたびに印象的なのが、職場の明るい雰囲気です。今回の取材においても撮影に協力していただいた際、自然と笑顔や会話が生まれるなど、そのやりとりから職員の方々の仲の良さを垣間見ることができました。そんな職員たちの笑顔の要因のひとつになっているのが、施設の母体である杏嶺会グループとしての総合力。杏嶺会グループは、急性期病院、老人保健施設、慢性期疾患のリハビリ施設など、あらゆるタイプの病院・施設を運営しており、一宮医療療育センターと同じ敷地内にも病院を隣接。医療ケアはもちろん、緊急処置が必要になった場合の連携もスムーズです。24時間体制の保育所も含め、安心して働ける環境が整っています。

社会福祉法人杏嶺会 一宮医療療育センター

設立 2016年1月
所在地 愛知県一宮市冨田字流筋1679番地2
企業の特色 一宮医療療育センターは尾張西部地区初の民間による医療型障がい児者入所施設です。障がいがあっても前向きで広がりのある心豊かな生活を送って いただけるよう、「健康を守り生活を支える医療」、「生活の充実のためのリハビリテーション」、「個性を重んじ人権を尊重した医療」を目指しています。
従業員数 159名

2018年8月時点