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東京都

公益財団法人 日本医療機能評価機構

日本医療機能評価機構は、国民の健康と福祉の向上に貢献することを目的に、1995年に設立された公益財団法人です。「倫理と自立性を重んじ、中立的・科学的な立場で医療の質・安全の向上と信頼できる医療の確保に関する事業を行い、国民の健康と福祉の向上に寄与する」という理念のもとに活動しています。そのなかの主力事業の1つが「産科医療補償制度」の運営です。分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児とそのご家族の経済的負担を速やかに補償し、脳性麻痺発症の原因分析を行い、再発防止策を提言するなど運営全般を担っています。業務は書類作成などのデスクワークが中心ですが、専門性が高く、医療知識が必要なことから、助産師・看護師の臨床経験者に限定して採用しています。臨床現場とは業務内容が異なりますが、有意義な制度の運営に関わるやりがいを感じられるとともに、夜勤なし・土日祝日休みと働き方も安定しています。

画期的な制度の運営を図り
優秀な医療系職員を求めています

障害を負った患者さんとご家族を救済する、日本で初めての医療補償制度
まず産科医療補償制度について教えてください。

産科医療補償制度は、先天性要因や新生児期の要因を除き、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺のお子様と、そのご家族を対象として2009年に創設された制度です。治療などによる経済的負担を速やかに補償するとともに、脳性麻痺発症の原因分析を行い、同じような事例の再発防止に資する情報を提供することなどにより、紛争の防止・早期解決、および産科医療の質の向上を図ることを目的としています。分娩時のトラブルは突発的に起き、また過失かどうかわかりにくいものですが、従来は裁判に訴えるしか方法がなく、過失がない場合は何の補償もされませんでした。そこに対して、日本の医療分野での救済処置として誕生したのが当制度だったのです。産科医療が最もクリティカルな分野だったことから先行して創設され、今年で10年目を迎えました。

制度は具体的にどのように運営されていますか。

組織は分娩機関や妊産婦の加入・登録手続きを行う総務調整課のほか、補償申請された事例について補償対象の認定や補償金の支払いを行う審査課、なぜこうした事例が発生したかを解明する原因分析課、そして再発防止策を提言する再発防止課の4部署で構成されています。このうち審査課・原因分析課・再発防止課には医療系職員が配属し、事務系職員と協力して制度運営を行っています。

「臨床現場と違って夜勤はありませんし、土日祝日も休みなので子育て中の職員も増えています。ただし業務には専門性のほか、PCスキルや文章作成、対人折衝力などのビジネススキルも求められますし、学会にも進んで参加してもらっています。気力充分で、仕事を通して成長したいという方をお待ちしています」と鈴木さん。
中立的な姿勢を崩さず、前向きに取り組める方を歓迎します
助産師のほかに看護師を求める理由は。

制度の特色から助産師は当然必要ですが、この制度にかかる一連の流れには、新生児期を含めた小児科の知識も求められることから看護師の方も募集しています。産科と小児科の両方に精通している方はなかなかいませんからね。ですから条件としては、「助産師または看護師資格をお持ちで、原則として産科または小児科で最低5年程度の実務経験がある方」としています。この条件を満たせば、今は臨床現場から離れている方でも大丈夫です。入職後は同じ助産師や看護師が指導員として丁寧に指導するほか、小児科での実務経験が多い方は産科分野、産科での実務経験が多い方は小児科分野と、足りない分野を中心にOJTを通して補うことができます。

資質として求める人材を教えてください。

当機構の理念は、中立的・科学的立場で医療の質を向上させることです。とくに私たちは医療補償に関わる第三者機関ですから「中立的」な姿勢が不可欠です。臨床現場だと、どうしても情緒的に母親に共感してしまいがちですが、ここでは感情に流されない、客観的な第三者視点が求められます。また制度の約款に詳しい事務系職員と協働することも多いほか、専門委員会や部会の先生方と接したり、委員会などでは資料を説明したりと対人折衝能力も大切になってきます。医学的な知識はもちろん、カルテから経緯をまとめる力や文章力も必要ですね。期待するところは多いですが、障害に苦しむお子様やご家族を救う制度に関わる仕事の意義、委員の先生方を通して産科医療や小児科医療の最新の知見に触れたり、学会に参加したりできる知的環境のほか、ワークライフバランス良く働けるなどメリットも沢山あります。興味のある方はぜひ検討してほしいと願っています。

産科医療補償制度の運営組織には約70名の職員が携わっている。そのうち約半数が助産師・看護師を含む医療系職員だ。10年目を迎える同制度は、昨年までの9年間で2,233人が補償対象となった。原因分析報告書は1,606人に上り、その要約版は同制度のホームページ上で情報公開している。

規則正しく働けるオフィスワーク。
助産師・看護師経験が活かせます

産科経験がなくても大丈夫。指導員がじっくりと教えてくれます
入職の理由を教えてください。

【松田】 産科から離れて手術室で働いたことで、あらためて専門性の高い助産師として働きたいという気持ちが強くなりました。その上で、重度脳性麻痺発症の原因分析に興味を持ったことから応募しました。臨床現場においては、どうしてそんなことが起きてしまうのか原因が明確にわからないまま次の仕事に移らざるを得ません。ここでは1つの事例を掘り下げて考えられるのが魅力でした。
【長谷部】NICUで働いているとき、長期入院をされているお子様のご家族が産科医療補償制度の補償認定を請求したことがあり、それをきっかけにこの制度を知り興味を持ちました。最初は産科の経験がないことが不安で、実際、はじめの頃は産科特有の専門用語がわからずに戸惑うこともありましたが、審査課の先輩には助産師の方も多く、相談しやすい環境なので助かりました。また先輩が指導員としてついて、1年ほどじっくりと教えてもらえたのもありがたかったですね。
【松田】 仕事の内容以外では、規則的に働けることも魅力でした。現場の助産師は夜勤が避けて通れませんが、不規則な生活が続くのが苦痛な性質(たち)だったからです。当機構では夜勤はもちろんなく、土日祝日が休みなので規則正しい生活が送れるようになりました。

審査課ではチームで仕事をすることから、協調性やコミュニケーション力が求められる。向上心があり、目的をしっかりと持っている人が多いため、自然と仲間意識が芽生え、職場の雰囲気はとても和やか。
素晴らしい先生方のもとで高度な医療知識を学んでいます
実際に仕事をして感じたことは。

【松田】 病院は医療従事者との関わりが中心なので、ここで医療系職員以外の事務系職員と一緒に仕事をするのが新鮮でした。事務系職員は制度の約款に詳しいので、補償認定の一次審査に備えて、私たち医療系職員とミーティングをして資料の方向性や考え方を話し合います。異なる視点を知ることはとても勉強になりましたし、視野も広がりました。
【長谷部】私は審査委員会などを通して、臨床現場でもなかなか接することのできない先生方と近い距離感でお話できることが大きいですね。補償対象の認定が行われる審査委員会は産科医、新生児科医、小児神経科医、リハビリテーション科医、そして法律家の先生で構成されていますが、その道の権威の先生方ばかりで、高度な知識を身近で吸収することができます。
【松田】 本当にそうですね。私も最初は緊張していましたけど、専門家としてはもちろん、人間的にも素晴らしい先生ばかりで心から尊敬できます。入職理由は原因分析がしたいというものでしたが、ずっと審査課にいて成長したいと思うようになりました。
【長谷部】 はじめは臨床と大きく違い、デスクワーク主体の業務で戸惑いましたが、補償申請される事例にはNICUに入院されていたケースが割と多いので、臨床経過のイメージがつかみやすく、必要な情報を簡潔に先生方に提出できるのが自身の強みだと思っています。前職での経験もしっかり活かせています。
【松田】  そうですね。カルテなど膨大な情報の中から審査委員会の審議に必要な情報を正確に抜き出す作業は、ここで習得するのはもちろん、やはり今までの臨床経験が役立っているなと感じます。また審査はどちらかというと産科よりも新生児や小児科分野の知識が求められるので、ほかのメンバーから教わることも多いです。臨床現場とはやりがいも特徴も違いますが、社会貢献的な意義も大きく、プライベートとバランス良く仕事に取り組めます。

審査委員会の様子。補償対象の認定審査は書類審査(一次判定)と、審査委員会における審議(最終判定)を経て決定される。助産師、看護師は規定に則った資料を作成するとともに、事務系職員や産科医、小児科医と補償対象について協議し、その結果を踏まえて一次判定が行われる。審査委員会は月に一回開催され、助産師、看護師は事例の概略説明や論点整理、参考文献の準備など多岐にわたりサポートする。

学ぶことがいっぱい。
臨床とは違う形で社会貢献ができます

研修も充実。他部署の知識もバランス良く得られます
入職の理由と今の仕事を教えてください。

【畠山】 産科の臨床から離れて数年経った頃、これまでの助産師経験を活かせる仕事に就きたいと思い始め、そんなとき、ここの求人を知りました。臨床の現場は日々最前線で、日々のケアをじっくりと振返る機会を持てないこともあったため、ここでなら7年間の助産師経験を振返り、整理しながら改めて自分の学びとして習得できるのではないかと思ったのがきっかけです。
【佐野】 結婚を機にライフスタイルを見直したとき、現場だと夜勤が切り離せないことがネックでした。ここでの業務は、臨床以外に助産師経験が活かせること、臨床とはまた違う側面で社会貢献ができることが決め手になりました。
【畠山】 私の所属する原因分析課は7つの部会があり、それぞれに担当者が配置されています。1部会ごとに6事案、1か月で合計42事案を審議して原因分析報告書を作成します。基本的に指導者のもと、OJTで仕事を覚えていきますが、そのほかの教育体制としては全体研修も部門別研修もあります。全体研修では佐野さんと一緒でしたね。
【佐野】 再発防止課は事例をマスで数量的に分析して「再発防止に関する報告書」を取りまとめるのですが、私には初めての仕事でもあり、原因分析についても知識がないと進められませんでした。そういう点で原因分析課の皆さんにはとてもお世話になっています。また原則的に職員全員が、審査・原因分析・再発防止の各委員会を傍聴しますので、幅広く最新の知識が得られます。

コミュニケーションが活発で、産科、小児科とそれぞれ不足する知識を補え合える。ほかにも研修や学会参加など研鑽の機会が豊富。「臨床から離れていても、審議を聞いているだけで臨床現場の状況を知ることができ、最新の医学知識を得ることができます」と畠山さん。
臨床現場の経験がさまざまに活かせる仕事です
現場との違いや、現場経験が役立っていることは。

【畠山】 病院では患者さんやご家族、メディカルスタッフの方と主に関わってきましたが、今は事務系職員や部会の先生方などと密に関わっています。また制度の対象となった保護者の方と電話でお話し、想いをお聞きすることもあります。一方で、私たちは第三者機関として、公平・中立な立場でなければなりません。提出された診療録から重要な情報を正確に読み取り、保護者のご意見を理解するにあたり、臨床経験が活かされていると感じます。
【佐野】 病院だと外からの電話を受けることはなかったので、最初はとても緊張しましたが、今ではすっかり慣れました。再発防止課では報告書を通して、多くの産科医療関係者が実現可能な提言を行う必要がありますが、私も臨床現場の状況が想像できるため、現場で受け入れてもらえるような提言はどのレベルか、現実的に考えることができているのではないかと思っています。今回初めて、テーマ分析を担当し取りまとめたことで自信がつきました。
【畠山】 私も入職3年目を迎えて、産科医療補償制度について俯瞰して考えられるようになったかなと考えています。当機構で扱っている制度は唯一のものであるため、入職される方は全員ゼロからのスタート。同じくゼロから出発した経験と、これまでに培った知見を、新人の方に少しでも還元するのが今の目標です。勉強熱心でかつ親切な先輩ばかりですから、意欲的な方なら大きく成長できますよ

「長期間かけて作成された原因分析報告書を分娩機関とご家族にお送りする際には、重責とともに達成感を感じます。数年ごとに実施しているアンケートでは『原因分析が行われてよかった』という回答も多く、少しでもお役に立てたかなと感じています」と畠山さん。佐野さんもまた「再発防止に関する報告書が教材として使われたり、自分がまとめたデータが利用されて再発防止につながるのがやりがい」と語る。周産期医療の体制整備が求められるなか、社会的な意義も大きい仕事だ。

産科医療補償制度は、裁判に頼らず、経済面や原因解明の点から患者さんを速やかに救済する、医療分野で初めて創設された補償制度です。また補償対象となった患者さんへの救済のみならず、再発防止に貢献する情報提供にも取り組んでいます。助産師・看護師の業務は、診療録からの情報収集、保護者から提出される意見の整理、委員会・部会の運営など多岐にわたります。専門知識に加えて多くのスキルが必要ですが、それだけに臨床現場以上に成長できる環境といえるでしょう。業務内容はハイレベルですが、職場のサポート体制をはじめ勉強の機会も豊富。助産師・看護師経験を活かせるだけでなく、臨床を客観的に考えられる視点が身につきます。入職時は契約職員としてのスタートですが、ほとんどの方が1~2年後には正職員に昇格。公益財団法人の信頼性はもとより、オフィスワーク中心の職員として、長く安定して働けます。

公益財団法人 日本医療機能評価機構

設立 1995年7月
所在地 東京都千代田区神田三崎町1-4-17
企業の特色 ■同機構は、国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的とし、中立的・科学的な第三者機関として医療の質の向上と信頼できる医療の確保に関する事業を行う公益財団法人です。

【事業内容】
病院機能評価事業/認定病院患者安全推進事業/産科医療補償制度運営事業/EBM医療情報事業 (Minds)/医療事故情報収集等事業/薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業