職場をしばらく離れて家事・育児に専念していると、専門知識を少しずつ忘れていってしまうのは仕方のないこと。さらに、日々進歩する医療技術。「数年前に習った知識が今はもう古い」ということもあるかもしれません。 ママになってお休みしていた看護師が仕事復帰するとき、知識についての不安は一体どう乗り越えたらよいのでしょうか? 実際に復職経験のある看護師3名の方の経験談をご紹介します。
復職支援セミナーを受講――ブランク5年、35歳Aさん
復職を目指す看護師に向け、支援セミナーを開催する病院が増えています。 「セミナーでは看護の動向や技術について、最新の情報を得ることができました。さらに採血など、自信のなかった手技の練習もさせてもらえました」と、Aさん。 講師は、セミナー開催病院に勤務する現役の看護師さんで、現場の話もいろいろ聞くことができ、とても勉強になったとのこと。 ほかに、日本看護協会が各都道府県で行う「再就業支援研修」などもあります。自分に自信をつけるため、復職前に一度受講してみてはいかがでしょうか。
復職者プリセプター制度のある病院を選択――ブランク7年、32歳Oさん
「実務経験が4年しかなく、ブランクも長かったので、仕事についていけるかとても心配でした。プリセプターがついていれば、不安な点もチェックしてもらえるし、わからないことはすぐに聞けて、とても安心でした」と話すOさん。 職場によっては復職初日から即戦力として扱われることもあり、自分では不安があっても、なかなか言い出しにくいものです。その点、復職者プリセプター制度のある病院なら、時間をかけて知識を確認できます。 また、就業規則やシステムなどについても聞くことができるので、より早く職場になじめそうですね。
経験のある科に復職――ブランク6年、36歳Hさん
解剖生理学の基礎知識は全科を通して応用でき、一度勉強したことでもあるので、記憶に残っている部分も多いでしょう。しかし、科ごとの専門知識は勤務するなかで学んでいくことがほとんどです。 「未経験の科に勤めると、まったく新しい知識を一から覚えることになります。育児をしながらではそれは難しいかなと思い、勤務経験のある科に復帰しました」とHさん。 働いたことのある科なら知っていることも多く、仕事をするうえでの安心感につながりますね。