患者さんの状況を的確に把握するためのポイント
患者さんが訴える痛みや苦しさなど、症状や状態の程度が把握できていないと、的確な対処が困難になる場合があります。
例えば、痛みを訴える患者さんに鎮痛剤を与薬した後の効果を確認した際、患者さんから「少しだけ良くなった」と言われたとします。しかし、この「少しだけ」という言葉は曖昧な表現のため、どのくらい良くなったのかがわからず、鎮痛剤の効果を正確に評価することが難しくなります。
そんなときは、「1が『まったく痛みがない状態』、10が『我慢できないくらい痛む状態』としたとき、いまは1から10でいうと、どのくらい痛みがありますか?」と痛みの程度を数値化することで、患者さんの状態を把握しやすくなります。
これは、「今日は(1~10でいうと)どのくらい気分が良いですか?」「(1~10でいうと)どのくらい食欲はありますか?」など、さまざまな場面で活用できる有効な方法です。 この方法で患者さんの状態を正確に把握し、適切な処置を行いましょう。
文:看護師/カウンセラー 坂口千絵