• 2017年12月20日
  • 2021年11月12日

不信感を募らせる受け答えをしていませんか?

 

信頼される看護師になるためには、あいさつやみだしなみなどの社会的マナーをはじめ、知識・技術などさまざまな能力を身につけることが大切です。しかし、それ以外にも気をつけておきたいのが、私たちが日常的に用いている“とある言葉”。使用する場面を間違えると、相手に不信感をもたれたり、信頼を失ったりする場合があります。その言葉とはいったい、どのようなものだと思いますか?

時には危険な「思います」という言葉

私たちは普段から「たぶん、◯◯だと思います」「大丈夫だと思います」という言葉を日常的に使っています。しかし、「思います」という言い方は、使う場面を間違えると患者さんやご家族、あるいはスタッフに不信感をもたれる場合があります。
もちろん、カンファレンスなどで自分の意見を述べるときに、「私は○○だと思います」と言ったり、相手の話に対し、「私もそう思います」と同意したりするのは問題ありません。しかし、「意見」としての「思います」と、「憶測」としての「思います」とでは意味合いがまったく異なるのです。
とくに気をつけたいのは、相手の疑問に答えるときにこの言葉を使う場合。話を「憶測」で終わらせるのではなく、「確認・行動」をとる旨(場合によっては、その結果まで)を明確に伝える必要があります。

【対患者さんの場合】
患者さん「今日、お昼に担当だった看護師さんに、『明日のお昼から、おかゆに変えてほしい』ってお願いしたけど、忙しそうだったんだよな……。大丈夫かな」

×「ちゃんと担当の看護師に伝えたんですよね? だとしたら、たぶん、大丈夫だと思います
○「念のために食事伝票の変更がされているか確認して、その結果をお伝えしますね」

【対家族の場合】
「点滴の針が入っているところが、なんとなく腫れているような気がするんですけど……。点滴がもれているわけじゃないですよね?」

×「やや腫れぼったい感じはありますが、点滴も今のところ問題なく滴下しているので、大丈夫だと思います
○「点滴は今のところ問題なく滴下していますが、やや腫れぼったい感じはありますので、定期的に確認しに来ますね」

 

【対スタッフの場合】
「主治医から食事・水分可の指示が出たって聞いたけど、薬の内服もしていいんだよね?」

×「水分・食事可なので、内服も普通にしていいと思います
○「水分・食事の許可はもらったのですが、内服については改めて主治医に確認します」

相手に安心してもらうことを意識する

私が仕事で大切にしているのは「極力、憶測で判断しない」ことですが、この考えは、長年働いていくなかで培われていった信念のようなものです。憶測で動いたがゆえに判断の甘さからアクシデントを起こしてしまったこと、先輩のあいまいな答え方に対して強い不安を抱きながら業務をこなしたこと、そして、プライベートで「患者の家族」の立場になって体験したことなど……。 そこには、さまざまな「苦い教訓」が含まれています。相手からの「信頼」を失わないよう、極力、憶測での受け答えはしないように意識していきましょう。

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