• 2017年6月30日
  • 2021年11月12日

「汗・臭い」対策で体臭美人に!

 

夏になると気になるのが汗や臭いですよね。 患者さんに近づく機会が多い看護師の皆さんは何か対策を行っていますか? 汗は人間にとってなくてはならないものですが、臭いが出てしまうのは嫌ですよね。 今回は汗や臭いの対策方法をご紹介します

汗の臭いの原因は?

エクリン汗腺
エクリン汗腺は全身に分布されており、体温調整に関与しています。アセチルコリン(コリン作動性)に支配されています。 エクリン汗腺から出る汗の成分は約99%が水分で、残りが尿素、アンモニア、塩化ナトリウムなどの成分で構成されています。 エクリン汗腺からの汗が過度な場合は、「多汗症」と診断されます。

アポクリン汗腺
アポクリン汗腺は脇の下や乳輪、陰部など特定の部位に分布していて、強い臭いの原因となる汗が分泌されます。 アドレナリンとアセチルコリン(コリン作動性)の2つの支配を受けています。 アポクリン汗腺から出る汗の成分は約70%が水分で、残りが脂質、タンパク質、鉄分、アンモニアなどの成分で構成されています。

汗は皮膚にある汗腺から分泌されます。汗腺は「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」と種類が分かれていて、汗の出る原因や分布、汗の構成成分などに違いがあります。 エクリン汗腺から出る汗もアポクリン汗腺から出る汗も出てきた瞬間は臭いがほとんどありませんが、汗の成分が雑菌に分解されることで臭いが発生します。

汗を臭わせないようにするには?

では、どのように汗や臭いの対策を行うとよいのでしょうか? 汗の臭いを発生させないためのポイントは3つです。

【1】「細菌の繁殖を抑える」
【2】「汗の量を抑える」
【3】「発生した臭いを抑える」

【1】「細菌の繁殖を抑える」
汗の臭いは細菌が繁殖することで発生するとお伝えしました。そのため、臭いを発生させないために汗を放置せず、こまめに拭きとることが大切です。 汗を放置して臭いが発生するまでに1~2時間程度といわれているため、1時間毎に拭き取ることが理想的です。
効果的な成分は殺菌成分です。

殺菌成分-ミョウバン水
水に溶けると酸性になることから、アルカリ性を好む細菌の繁殖が抑制されます。また、収れん作用もあるため汗を抑える効果もあります。ミョウバン水にして拭き取りに使用したり、スプレーすると効果的です。
殺菌成分-銀イオン
銀イオンが細菌に吸着することや、強い酸化力により抗菌効果や防臭効果を発揮します。
【2】「汗の量を抑える」
汗そのものの量を減らすことで細菌の繁殖を抑えて臭いの発生を抑えます。 効果的な成分は制汗成分です。

制汗成分-塩化アルミニウム
エクリン汗腺周辺に炎症を起こし汗腺導管部を閉塞させることで汗を抑制します。
【3】「発生した臭いを抑える」
実際に発生してしまった臭いの成分を吸着・吸収するなどの方法で臭いを抑制します。 効果的な成分は消臭成分です
消臭成分-酸化亜鉛 ニオイ分子を吸着して中和することで消臭効果を発揮します。

即効制汗! 汗・臭い対策で体臭美人に

普段使いの制汗・消臭にはコスパがよくてガンガン使えるものが◎です。ここでは効果も納得のおすすめ汗対策を紹介します。

コスパ最強! ガンガン使えるミョウバン水で制汗・消臭!

ミョウバンはネットなどで100g 200円前後、ハッカ油は20ml500円前後、エタノールは500ml800円前後で購入できるので、デオドラントスプレーを購入するより断然お得!

<材料>
・ミョウバン15~20g
・水 500ml
・空のペットボトル

<作り方>
1.ペットボトルにミョウバンを入れる。
2.ミョウバンを入れたペットボトルに水を入れる。
3.冷蔵庫に入れて溶けるのを待つ(大体1~2日程度で溶けます)
4.ミョウバン水の完成

使用する時はこのミョウバン水を10倍に薄めて使用します。 (ミョウバン原液でも問題ない方もいますが、かぶれが起こることがあるので濃度調整を行った方が良いです。) ハッカ油を入れる場合は薄めたミョウバン液100mlに対して1~2滴程度を目安に。

ハッカ油は水と混ざらないので、エタノール(10ml程度)に混ぜてからミョウバン液に入れましょう。 また、ハッカ油に含まれるリモネンという成分はポリスチレンを溶かす性質を持つため、容器の材質にも注意しましょう。

舞妓さんも実践! 顔汗がピタッと止まるツボ

顔に汗をかきたくない舞妓さんは、汗を止めるプロです。そのプロたちが実践しているのが、胸回りなどのツボを帯などで押さえる方法です。ここで紹介するツボはどれも、顔やワキの汗を止める即効性があります。部位によって親指や、中指、人差し指の腹などで痛気持ちいい程度に抑えると効果的です。

臭いが強すぎたり、汗の量が多すぎる場合は病院へ

汗の量が異常に多い人や臭いが強すぎると感じる人は、多汗症やワキガの可能性があります。 その場合は病院で治療を受けた方がよい場合もあります。

多汗症やワキガ治療に効果的な成分-塩化アルミニウム(外用薬)
上でご紹介した塩化アルミニウムは多汗症治療の外用薬としても使われています。 病院で購入できる外用薬は塩化アルミニウムの配合濃度が高いのが特徴です。

多汗症やワキガ治療に効果的な成分-プロパンテリン臭化物(内服薬)
「プロ・バンサイン」という医薬品名です。アセチルコリンの働きを抑える(抗コリン作用)ことにより汗を抑えます。 保険適応です。

このように汗や臭いといってもレベルによって対応する方法が異なります。 汗や臭い対策としてこまめに拭きとることやデオドラント商品を使用することは必要ですが、ご自身の生活スタイルや汗・臭いのタイプに合わせて成分を選ぶことも大切です。

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