• 2016年12月23日
  • 2021年11月12日

温泉の効能・泉質・特徴で選ぶこだわりの湯10選

 

家で湯船に浸かるのも気持ち良いですが、休日に温泉に行くのも素敵ですよね。美肌効果があったり、ストレス発散になったり、疲れが取れたり……日々の癒しにつながるのではないでしょうか。今回は温泉を選びの際に役立つ豆知識をご紹介します。10種の泉質・効能から選ぶこだわりの湯でストレス解消しませんか?

温泉ってどんなもの?

温泉とは「温泉法」という法律によって定義されています。では、温泉の定義とはどんなものでしょうか?

温泉の定義
「地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とするガスを除く)で、下記に掲げる温度又は物質を有するものをいう」と定義されています。

【1】温泉源から採取されるときの温度が摂氏25度以上
【2】ガス性のものを除く溶存物質を1㎏中に、1,000㎎以上含有する
【3】「遊離二酸化炭素」「リチウムイオン」「ストロンチウムイオン」「バリウムイオン」「総鉄イオン」「第一マンガンイオン」「水素イオン」「臭素イオン」「沃素イオン」「ふっ素イオン」「ヒドロひ酸イオン」「メタ亜ひ酸」「総硫黄」「メタほう酸」「メタけい酸」「重炭酸そうだ」「ラドン」「ラジウム塩」といった18の特定成分のうち1つ以上の物質を規定量以上含有する

つまり、温泉とは温かいものに限らず、冷たくとも上記の特定成分を含んでいれば温泉ということになります。 さらに、温泉の中でも治療目的に利用されるものは「療養泉」といい、他にも「泉温による分類」や「水素イオン濃度による分類」、「浸透圧による分類」「温泉の泉質による分類」によって分類されています。

10種の泉質・効能から選ぶこだわりの湯でストレス解消!

①単純温泉
特徴:日本で一番多い温泉です。肌触りが柔らかく、肌への刺激が少ないのが特徴です。
適応症:自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
代表的な温泉地:栃木県 鬼怒川温泉、岐阜県 下呂温泉など

②二酸化炭素泉
特徴:炭酸ガスの気泡が肌につく温泉です。炭酸ガスが毛細血管を拡張させ血行を良くします。保温効果があるので身体が温まりやすいのが特徴です。
適応症:切り傷、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
代表的な温泉地:青森県 みちのく温泉、大分県 長湯温泉など

③炭酸水素塩泉
特徴:「美人の湯」「美肌の湯」と呼ばれる温泉です。古い角質を除去することから肌が滑らかになり、つるつるした感触になるのが特徴です。
適応症:切り傷、末梢循環障害、冷え性、皮ふ乾燥症
代表的な温泉地:新潟県 赤倉温泉、千葉県 鴨川温泉など

④塩化物泉
特徴:塩分が主成分のため、お湯が塩辛い温泉です。保温効果があり、湯冷めしにくいのが特徴です。
適応症:切り傷、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮ふ乾燥症
代表的な温泉地:北海道 洞爺湖温泉、神奈川 湯河原温泉など

⑤含よう素泉
特徴:平成26年の鉱泉分析法指針の改訂で新たに加わった泉質で、殺菌力がある温泉です。
適応症:浴用の場合、泉質別適応症はなく、一般的適応症のみ(疲労回復、健康増進など)
代表的な温泉地:東京 大手町温泉、宮崎県 木花温泉など

⑥硫酸塩泉
特徴:「きずの湯」「美肌の湯」などと呼ばれる温泉です。肌をしっとりさせる保湿効果がある一方、余分な脂分を落とすため乾燥肌にも脂性肌にも適しているのが特徴です。
適応症:切り傷、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮ふ乾燥症
代表的な温泉地:福島県 いわき湯本温泉、神奈川県 箱根強羅温泉など

⑦含鉄泉
特徴:鉄分を多く含んだ温泉です。赤褐色の色をしたお湯が多いことと、体がよく温まるのが特徴です。
適応症:浴用の場合、泉質別適応症はなく、一般的適応症のみ(冷え性、関節痛など)
代表的な温泉地:岐阜県 長良川温泉、山梨県 赤石温泉など

⑧硫黄泉
特徴:卵が腐ったような臭いをしている温泉です。殺菌力が強いのが特徴です。刺激の強いので肌が弱い方には向きません。
適応症:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症など
代表的な温泉地:熊本県 黒川温泉、栃木県 日光湯元温泉など

⑨酸性泉
特徴:pH値が低い(酸性度が高い)温泉です。殺菌力が強いのが特徴です。刺激の強いので肌が弱い方には向きません。
適応症:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症
代表的な温泉地:群馬県 草津温泉、福島県 岳温泉など

⑩放射能泉
特徴:「ラジウム温泉」「ラドン温泉」などと呼ばれる療養向けの温泉です。放射能を含む温泉ですが含有量は極微量のため身体に悪影響はありません。
適応症:高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など
代表的な温泉地:山梨県 増富温泉、新潟県 村杉温泉など

(※ご紹介した泉質10種類には泉質別適応症のほかに一般的適応症(末梢循環障害、病後回復期、疲労回復、健康増進など)も含まれます。)

以上のように温泉は、泉質により特徴や効能がさまざまです。多彩な泉質から、自分にぴったりの温泉を選んでみるのも楽しいですね。「忙しくて温泉なんて行けない」という場合は、わざわざ遠くの温泉地に出かけずに、温泉施設を利用するのも◎です! 激務な仕事だからこそ、休日は身体を癒してストレス解消してくださいね。

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