• 2014年12月5日
  • 2021年11月15日

「いまの職場で働くことがつらい」と感じているあなたへ

 

つらさの渦中にいたときには気づきもしなかったこと

つらいことを好んで経験したがる人はいませんが、好む・好まないにかかわらず、生きていると「つらい」と感じることはあるものです。看護師という職業は、患者さんとの関わりや職場の人間関係、責任の重さや多忙で不規則な生活など、ストレスを感じやすい仕事です。これを読んでいるあなたも、もしかしたらつらい気持ちの真っただ中にいるのかもしれませんね。

私も20代の頃は自分にも他人にも厳しかったので、同僚との関係が悪くなったり、上司に反発することもありました。毎日がつらさの連続だったことを思い出します。

完璧主義が災いして、何事も100%を目指すあまり、それができない自分や相手を責めていました。どう頑張っても変わらない状況に苛立ちを感じることも多く、「自分の経験が財産になる」なんてみじんも感じたことはありませんでした。

あの頃は、問題が起こるたびに悩みながらも真正面からぶつかることで何とか乗り越えてきましたが、今思えば、「100%で完璧」ではなく、「80%で完璧」とするくらいの心のゆとりをもつことができたなら、あそこまでつらい思いをすることはなかっただろうと思います。

すべてのつらさは幸せになるための通過点にすぎない

どんなにつらい経験も、振り返ってみると、「人間は『経験すること』そのものが自分の財産になっているのではないか」と感じています。嬉しいことや楽しいことばかりではなく、つらいこと・苦しいことも含めて、すべてが「自分の財産」になります。

とくにつらさや苦しみを経験する過程で、「自分や相手を理解する気持ち」あるいは「今の自分に必要な気づき」などが培われ、考え方や対応の仕方に幅が広がり、人間的にも深みが出てきます。反対に、つらさや苦しみのない人生なんて、何と薄っぺらく渇ききった人生なのでしょう。

つらさや怒り、悲しみをしっかりと味わうことができて初めて人生の深みが増し、より豊かな自分へと近づいたり、周りにいる大切な人々に還元していくための財産になるのです。そう考えると、いまのつらい状況は、これからあなたが生きていくために必要な経験であり、まさに無駄なものなど何一つありません。

もし私が、つらい経験や苦しんだ経験をしたことのない人生を送っていたとしたら。人の苦しみを理解しようとも思わないですし、このように自分の経験を伝えていくということすらできなかったと思います。渦中にいるときはわかりませんでしたが、「あのつらさは今の私にたどり着くために必要なことだったんだなぁ……」とも感じています。

もしかしたら、「つらさ」というのは、「人生の深みを増すために必要不可欠なスパイス」なのかもしれませんね。

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