【質問】仕事を手伝わない上司にイライラ
「残業はしないで」と常日頃から言っている割に、病棟が忙しくて回らないときも師長はスタッフの業務を少しも手伝ってくれません。前の病院の師長は、あまりにも忙しいときや人手が足りないときには声をかけてくれ、手伝ってくれました。
病院によって管理職はこうも違うものなのでしょうか。(埼玉県在住 看護師歴8年目 40歳)
【回答】期待が生む弊害に気づく
依存が敵対心を生む
師長や主任などの管理者は、あくまでも「管理業務」を最優先にすることが望ましいといえます。しかし、看護業務は、一度に複数の業務を担うこともしばしばですので、「こんなに忙しいのだから、少しくらい手伝ってくれても良いのではないか」という思いが湧き上がってくるのも無理もないでしょう。ですが、問題の焦点は、実際に上司が仕事を手伝ってくれるかどうかではありません。
「少しぐらい手伝ってくれても良いのでは」という不満は、「忙しいときは手伝うのが当然」という思考から生まれます。相手に期待を持ち続けることは、「依存心」を育てることにもなりかねないですし、一挙一動を監視し、ジャッジする傾向に陥りやすいため、注意が必要です。
こちらからも声かけを
本来であれば、「上司は手伝わないのが当たり前」という考え方をもっていたほうがスタッフの自立心も育ちやすいといえます。しかし、それは決して、「管理職に依頼をしてはいけない」というわけではありません。
看護師の仕事は多忙を極めることが多いため、場合によっては患者さんに危険をもたらすこともあります。どうしても人手が足りないときなどは、相手の自発的な行動を望むのではなく、きちんと声をかけてお願いをするなどのコミュニケーションをとるよう努めましょう。