• 2021年5月14日
  • 2021年11月18日

【看護師の悩み】患者と疾患が結びつかず、視点をどうやって増やしていいかわかりません

 

【質問】患者と疾患が結びつかず、視点をどうやって増やしていいかわかりません

私は看護師2年目です。
大学卒業後、病院に就職しましたが「患者と疾患が結びつかず、受け持ちも増えない」「毎日怒られるだけ」「成長できず周りに迷惑しかかけない」。そんな自分が嫌になり12月に辞めてしまいました。

病院で働くのが嫌になり3月から施設看護師として働き始めました。しかし「あいかわらず患者と疾患が結び付いていない」「視点がない」「自分でも気づかない視点をどうやって増やしていけばいいかわからない」という状況で困っています。視点を増やすために関連図を書くなど、疾患の勉強はおこなっています。

私の根本の問題は他者から自分が嫌われたくない、迷惑をかけたくない、怒られるのではないかと思い、逃げてしまうことにあります。

どうすればもっと視点が増えるでしょうか。
不安があっても利用者のためと思い、分からないことを受け入れて質問していくことが方法のひとつと私は考えています。

この他に方法があれば知りたいです。そして、こんな私でも看護師を続けていけるのでしょうか。辞めて違う道を探すべきなのではないかといろいろ考えてしまい悩んでいます。(福岡在住 看護師歴2年目 23歳)

【回答】問いを持って過ごして

良質な質問の習慣を

視点を増やすために勉強をすることはもちろん大切ですが、真の意味で視点を増やし成長に結びつけるためには「より広い視野」と、自分自身への「良質な問い」が必要不可欠です。

「より広い視野」の例として、「短期的視点」ではなく「長期的視点」で考えることが挙げられます。

短期的視点で考えると「視点を広げたいのに広げられない自分」にばかり意識が向いてしまうため、どれだけ勉強しても視点が広がらないといったジレンマにさいなまれる可能性が非常に高いです。

そのため、月もしくは年単位といった長期的視点で、焦らず確実に物事を進めるためには、どういう取り組みをすれば良いのかといった視点で物事を考える必要があります。

また、「良質な問い」の例として「視点を増やすことで、自分は今後どういう看護師になりたいのか」といった理想の未来に関する問いが挙げられます。

また、「うまくいっている人は、こういうときどういう物の考え方をするだろう」など、理想の考え方のモデリングをすることも大切です。

さらに、仕事だけでなく日常で起こるネガティブな出来事に対しても、「この出来事を肯定的に捉えるにはどのような視点を持つと良いだろう」など、視点を変換させる問いを習慣化させていくようにしましょう。

自己評価の視点を増やして

自分の「できていないところ」ばかりに目を向けることは、「物の見方」に偏りが生じる可能性が高く、その時点で「視野の狭い考え方」になると言えます。

問題の根本は「逃げてしまうこと」ではなく、「こんな私でも……」「違う道を探すべきなのでは……」などと考えて自分を否定することです。

自己否定が根本にある場合、いくら勉強をしても疲弊感に襲われ、ますます自己否定へつながるといった悪循環が生じやすくなります。

患者様のために看護師としての責任感を持ちつつ、視点を増やすために日々勉強に勤しまれていることは成長意欲の表れです。

また、ご自身なりに問題点や方法を模索していることも、自分自身ときちんと向き合おうとしていることの表れだと思います。

まずはご自身ができているところにも目を向けて、楽しみながら物事に取り組むことをおすすめします。

著者プロフィール