• 2021年4月6日
  • 2021年11月16日

【看護師の悩み】院内薬局の処方ミスを自分のせいにされた

 

【質問】院内薬局の処方ミスを自分のせいにされた

今のクリニックで働くようになって16年目。職場は院内薬局で、看護師が調剤し、受付が会計と薬渡しをしています。また、カルテは⼿書きのため、薬を出した看護師がサインをし、事務で確認した⼈もサインをすると決まっています。

先日、ある患者さんのカルテを預かって薬室に向かったところ、ほかに看護師が2名いて「何の薬を出すの?」と聞かれたので、私は「セルベックスを90錠」と伝達。近くにあったほかの薬を出した後、カルテにサインをして事務に出しました。ところが……。翌⽇、患者さんが「薬が違っていた」といって来院されたのです。見ると、出ていた薬はセルベックスではなくセレコックス。そして、カルテに書かれていたのは私のサインだけ。その後、院⻑にこのことが伝わり、「なんでこんな間違いが起こるのか。僕は〇〇さんからの信頼をなくした。事務は仕事が忙しいのだから、看護師がきちんと薬を出してください!」という話になりました(直接言われたわけではありませんが、人づてにその言葉を聞きました)。

もちろん、出してくれた薬を確認せず、そのまま出してしまったのは、私の落ち度だと思います。でも、私のサインしかないというのは、明らかなルール違反。すべてが私のせいになっていることに、納得がいかないのも確かです。そのため、「セレコックスを90錠出したのは私じゃない!」といいたい気持ちと、「任せてしまった以上、ここは我慢するべきかもしれない」という気持ちが入り交じって、モヤモヤがおさまりません。どうしたらいいでしょうか︖(神奈川県在住 看護師歴24年目 46歳)

【回答】連携体制を見直すいい機会

業務改善のチャンスと捉えてみては?

「クリニックがどのような体制なのか?」について、文面だけでは把握しきれませんが、いかなる理由であれ、サインをしたということは「確認済」と同義になると思われます。

そのため、責任の所在を問われるのはやはりご相談者様になるでしょう。ただし、“表向き”がそうであったとしても、複数のスタッフが関わっている以上、事態を分析していけば「個人の問題ではなく、連携体制の見直しやシステム改善につながる問題」ということになるはずです。

個人の問題ではなく全体の問題として考えて

「私が薬を出したわけではないのに!」と思いつつも、「とはいえ、自分も責任の一端を担っているわけだし……」と思う気持ちはわかります。そのせいで、「我慢したほうがいいのかも」という気持ちが芽生えるのも無理はありません。しかし、こういった問題が生じたからこそ、体制やシステムの不具合が見えてきたのも事実。となれば、少し視点を変えて「この件は、いろいろな不具合を改善するチャンスかもしれない」ととらえてみてはいかがでしょうか。

たとえば、直近の上司に「今後、私と同じようなミスをスタッフの方が起こさないよう、どのようにしたらよいかを考えたい」と提案してみるのも、ひとつの手。そのうえで、これまでの経緯に関する「事実」を伝え、チーム全体で対策を出し合い、改善策を錬ってみるのです。

大事なのは、一人で抱え込まず、この機会を生かしてチーム全体をよくしていこうと考え、行動すること。ご相談者様のそうした思いが契機になって、職場がよりよい方向に向かうことを願っています。

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