• 2020年4月16日
  • 2021年11月9日

【看護師の悩み】「できない自分」を責めてしまう

 

【質問】「できない自分」を責めてしまう

私は病棟の同期の中でも仕事が遅く、看護技術の自立にも時間がかかっています。
「ミスをなくしたい、早くできるようになりたい」と思って、たくさん勉強をしているつもりですが、つい焦ってミスをしたり、時間がかかってしまったりして……。そのたびに自分を責めてしまいます。
先輩は「大丈夫だよ」「前よりもできているよ」と、いつもフォローしてくれますが、それでも完璧にできない自分にイライラするし、悲しくなったりもします。
どうすればミスなく、そして手早く仕事ができるようになりますか?(埼玉県在住 看護師歴1年目 22歳)

【回答】最初から何でも完璧にできる人はいない

完璧主義は自己否定を生み出してしまいます

看護師は、患者さんの問題やリスクの管理など、常にストレスがかかる環境で仕事をしています。加えて、命を扱うプレッシャーも大きい。だからこそ、職場には過酷な労働環境や厳しい人間関係が生まれやすく、自分にも厳しくなりがちです。看護師を目指す人には、もともと頑張り屋で責任感の強い人が多いのですが、そうした性格も自分を責めてしまう原因かもしれません。

もちろん、責任を持って頑張る姿勢はとても素敵ですが、その気持ちが強すぎると、自分にも他人にも必要以上に厳しくなったりするもの。その結果、足りない部分やできていない部分にばかり目が向いて、自己嫌悪・自己否定に陥り、さらに失敗を招いてしまう……。そんな“負のループ”にはまっていくのです。

減点方式から加点方式に切り替えて!

先輩が「前よりもできている」といってくれているように、あなたは着実に上達しているはず。でも、常に100点満点を目標にしていると、できなかった部分にばかりフォーカスして「ここがダメだった」と、“減点方式”で自分を評価してしまいます。また、「失敗してはいけない」「完璧にやらなきゃ」と高いハードルを課してばかりいると、自分で自分の首を絞めることにもなります。そこから抜け出すためにも、まずはできなかった部分ではなく、できていることに目を向ける“加点方式”に、思考を切り替えてみてはいかがでしょう。

常に100点を課すのではなく、最低限の合格ラインを決めたうえで、「ここまでできたから、今日は60点だけど合格」「ここは時間がかかったけど、前回よりスムーズにできたな」「次回は〇〇もできるようにしよう」と、プラスの面に意識を向けることで自分を認めていく——。そうやって自己肯定を積み上げていくことで、心身のセルフコントロールがしやすくなり、視点が「失敗しないように」から、「よりうまくいくように」に切り替わるので、焦りや緊張感が緩和され、失敗しにくい精神状態をつくることにつながります。

最初から何でも完璧にできる人はいません。ペースに個人差はあっても、少しずつ身に着けていけば大丈夫。昨日より今日、今日より明日。日々成長している自分に、“◎印”や“合格”をプレゼントしながら、一歩ずつ前進しましょう。

お一人で悩まず、看護師専任の
キャリアアドバイザーに相談してみませんか?

著者プロフィール