• 2019年9月24日
  • 2021年11月15日

【看護師の悩み】ミスを隠蔽しようとしてしまった

 

【質問】ミスを隠蔽しようとしてしまった

看護師2年⽬です。先⽇、夜勤で鎮静剤の誤認投与をしてしまいました。患者さんに指摘され発覚したものの、それをすぐに報告せずに隠蔽しようとしてしまいました。すぐに患者さんのご家族さんよりクレームが入って問題になり、病院全体を巻き込む⼤騒動になりました。患者さんに迷惑をかけたことをいちばん申し訳なく思いますが、私が隠蔽しようとしたことがいちばんの問題で、信⽤信頼すべて失ったと思います。次の出勤は明後⽇なのですが、他のスタッフにも迷惑をかけ、どのような顔で出勤すればいいのか……後悔しか残りません。

信頼を取り戻せるように真⾯⽬に働くしかないのはわかっているのですが、今まで教えてきてもらった先輩⽅に申し訳なさすぎて、つらいです。(鳥取県 看護師歴2年目 22歳)

【回答】解決の近道は「責めない」

責めることに逃げない

重大な過失をしてしまったとき、その是非は別として、人間の心理として隠したくなる気持ちはわからなくもありません。今回の件に関しては、たとえご自身に原因があるとはいえ、ご心労は多大なるものだったと思います。たくさんのことを後悔しながら、今後自分はどのようなあり方で患者さんに向き合っていけばいいのか、自問自答を繰り返しす日々だったのではないでしょうか。

人はアクシデントを起こしたとき、それが重大であればあるほど、「自分を責め、落ち込む」を繰り返す傾向にあります。「頭ではわかっているけど、できない」と言い続け、今まで以上に人の評価を気にしておびえ、前に進むどころか立ち直れなくなるほどの精神状態を自らつくり上げてしまうのです。その背景には、「私は罰を受けて当然の人間」という「罪の意識」があるため、その状態からは容易に抜け出すことができません。
後悔し、自分を責めずにはいられないこともあるかと思います。しかし、これから考えるべきは、「過去に何をしたか」ではなく、「未来をどうしていくのか」ということです。
「過去に隠蔽をしたのだから、私はどんなにつらく苦しい思いをしても、当然の報いとして受け入れなければならない」という「罪の意識」ではなく、「これだけの経験をしたからこそ、自分に、患者さんに、スタッフに対し、どうありたいのか」という「自分のあり方」を大切にしていただければと思います。

周りはあなたほど気にしていない

自分を守るための嘘やミスを隠そうとすることが、どれだけ自分や周囲にダメージを与えるかをしっかりと理解できたわけですから、今後はこの経験を必ず力に変えていくことができます。
周囲の人からはさまざまな反応があると思いますが、人はみな他人のことより自分のことでいっぱい。常にあなたのことを審判・評価しているわけではありません。また、良い・悪いは別として、人の記憶は、それが他人のことであればあるほど次第に薄らいでいくものなのです。現段階で無理してでも笑顔で、とは言わないので、少しずつあなたらしさを取り戻していけるよう願っています。

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