• 2019年8月29日
  • 2021年11月15日

【看護師の悩み】死と向き合うには

 

【質問】死と向き合うには

新人看護師です。急性期の病院に配属となって、毎日業務に追われ、慣れない日々です。急に患者さんが亡くなってしまったとき、先輩看護師はすぐにケアの準備をしていますが、私は心がついていきません。気持ちはいつも置いてけぼりで、ただ業務をこなしていく感じがとってもイヤです。涙だって出そうになるけど、ご家族の方がつらいから泣けません。業務に追われながらも死と向き合っていくにはどういう気持ちで仕事をしていけばいいのでしょうか。(鹿児島県 看護師歴1年 21歳)

【回答】急激な成長を求めずに

まずは自分にねぎらいを

新人看護師時代は、仕事を覚えるだけでなく、新しい環境に適応するために懸命な時期です。また、極度のプレッシャーや不安を感じながらも時間に追われ、いろいろなことを処理しなければならない場面に遭遇する頻度が高いのも、新人看護師の特徴であるといえるでしょう。

さらに急性期の病院の配属ともなると、目まぐるしい日々を乗り切るだけで精いっぱいでしょうし、頭の中の整理が追いつかず、ついていくだけでも大変であるとお察しします。
そのような状況で急に亡くなってしまう患者さんの死と向き合うのは並大抵のことではありません。まずは、これまで患者さんのことを思い、たくさんの戸惑いや歯がゆさを抱えながら、早く一人前になりたいと頑張ってきたご自身をまずはねぎらってほしいと思います。

気持ちを味わうことが大事

亡くなった患者さんを思って涙が出そうになりながらも、ご遺族のお気持ちに配慮し、寄り添おうとする姿勢はとても素敵です。しかし、「悲しい」と感じる気持ちそのものは、看護師もご遺族も同じ。時にはご遺族に声をかけ、寄り添いながらともに涙することがあってもいいのではないでしょうか。

先輩たちの死に対する受け止め方は、人それぞれ「受容過程」を経て培われてきたのだろうと思います。その過程を踏むことなしに、必死に受け入れようとしてもいつかひずみが出てきます。「死」という大きなテーマと向き合うときには、ゆっくり時間をかけてご自身の気持ちを味わうことが重要です。きちんと悲しみやつらさを感じられるご自身を否定せず、日々を歩んでいただけたらと思います。

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