• 2019年1月15日
  • 2022年2月17日

【看護師の悩み】自分が本当は何をしたいのかわからない

 

【質問】自分が本当は何をしたいのかわからない

看護師として働いて7年目ですが、今の総合病院が4つ目の転職先です。初めての職場は大学病院で、忙しさと人間関係に疲れて2年で辞めてしまいました。その後は別の病院に転職し、オペ室や外来を経験。

今の総合病院では内科病棟から外科病棟に異動になった途端とても忙しくなってしまい、緊急入院や緊急手術が多くめったに定時で帰れません。

人とかかわるのが好きで看護師になったものの、どの診療科に行ってもピンと来なくてしんどいので、自分が何をしたいのか分からなくなってきました。

今の病院に勤めて3年目ですが、看護師自体を辞めることも考えています。看護師の仕事も十分にできない私は社会人としてダメな人間なんでしょうか……?(総合病院外科病棟勤務 看護師歴7年目 29歳)

【回答】「好き」「得意」がわかればどの仕事でも活躍できる

実は「看護師」ってスゴイ仕事!

看護師のあなたは日々、複数の患者さんを同時に受け持っていますよね? そのうえ、自分の受け持ちの患者さんでなくてもナースコールがあればベッドサイドに駆けつけたり、患者さんのご家族やあらゆるスタッフに呼び止められたり、急なオーダーや入院・退院・検査・手術への対応など、ものすごい業務量と闘っていますよね。「そんなの当然」だと思いますか?

医療職全体から見て、看護師ほど「同時に」複数の人とかかわりながら複数の業務をこなす職業はほとんどありません。そして、これほど常に多重業務を並行して行う仕事は医療職以外から見ても非常に珍しいんです。

そう、看護師にとって日常的な「多重業務状態」は、医療職以外の人から見ると実はいい意味で「非常識」。「看護師に向いてない」と思って一般企業に転職をした方が、「時間調整が的確」「気遣いがスゴイ」などと高評価を得てビックリした……という話を私は何度も聞いています。

さまざまな仕事に通ずる技術や対応力を、知らず知らずのうちに看護師は身に着けています。看護師に向いていないと感じたからといって「社会人としてダメ」はまったく当てはまらないどころか、自分を過小評価しすぎている可能性があります。

仕事の中で何が好きか一つひとつ見直そう

看護師の業務は、医療行為や患者さんへの技術的援助や心理面へのフォロー、相手の人柄や状況に合わせた臨機応変な対応をはじめ、記録業務、電話やクレームの対応、患者さんのトイレ・入浴・オムツ交換・体位交換・処置・検査・シーツ交換・掃除洗濯・送迎……にいたるまで多岐にわたります。

医療行為から看護業務・雑務までを同時並行しており、正直、これだけ多岐にわたる業務をすべて「好き」と言える人はいないと思います。

そこで試してみてほしいのが、業務の一つひとつを細分化して「好き」「嫌い」「得意」「不得意」を考えてみること

たとえば「患者さんとゆっくり話すのが好き」「テキパキ処置がこなせたとき気持ちいい」「意外と記録や事務的な仕事が得意」「○○系の疾患は得意だけど、△△系はどうしても苦手」「同時に複数のことをこなすのは苦手」などです。

誰でも日々の業務の中に好みや得意不得意があります。すべてを完璧にしようとして「看護師に向いてない」と決めつけてしまうのは、とてももったいないことです。

得意不得意を見直したうえで転職を考えるなら、最近は働き方が多様化していますから選択肢がたくさんあります。たとえば「患者さんと話すのがとにかく好き」なら、一対一で患者さんとかかわる訪問看護、心理コーチ・カウンセラー、健康・保健指導の仕事などが向いているでしょう。看護師として長所を伸ばすことも、看護師の経験を活かして他の分野で活躍することも可能です。

あなたは「看護師としてダメ」でも「社会人としてダメ」でもありません。自分に合った環境やがんばり方が見つかれば、人は誰でも・何歳からでもイキイキと働くことができます。職場を転々としてきたということは、それだけ多くの経験を積んだ証拠。今の職場でがんばるか、ほかの働き方を選ぶかはあなた次第です。

仕事に疲れているみなさん。一度自分の仕事を見つめ直して「好き」「得意」をゆっくり考えてみませんか? どんなに小さなことでもいいんです。思わぬ発見があるかもしれません。

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