• 2018年3月9日
  • 2021年12月23日

浣腸のマナー

 

浣腸は排便が不十分なときや術前処置などで、日常的によく行われる看護技術ですが、急激な腹痛などの苦痛を伴いやすい処置でもあります。
安全・安楽な浣腸を行うための注意点についてお伝えします。

直腸粘膜の損傷に気をつける

直腸の構造を考慮し、体位は基本的に左側臥位とします。立位は直腸穿孔を起こす危険性が高いため禁忌です。また、必要以上にカテーテルを挿入すると、直腸粘膜を傷つける恐れがあります。
カテーテルの穴をふさがないよう注意しながら潤滑剤を塗布し、成人の場合は5~6cm、小児は3~4cm程度を目安にゆっくりと挿入・抜去を行いましょう。

症状の変化に留意する

浣腸による迷走神経反射により、めまい・ふらつき・顔面蒼白・冷汗・嘔気などの症状を伴いやすくなります。排便状態だけでなく、全身状態の観察もしっかりと行いましょう。また、血圧低下やショックを起こす危険性もあるため、必要に応じてバイタルサインの測定も行ってください。 腹痛や羞恥心などの理由から、浣腸に抵抗がある患者さんは少なくありません。
事前に十分な説明を行い、不安や苦痛を軽減できるように心がけましょう。

文:看護師/カウンセラー 坂口千絵

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