• 2015年11月20日
  • 2021年11月15日

「二重敬語」を使っていませんか?

 

二重敬語とは、一つの言葉のなかで敬語を二重に使用したものです。「過剰な敬語」は回りくどい印象を与え、意味が伝わりにくくなります。また、公的な場やビジネスシーンでは、相手に対して失礼にあたるだけでなく、言い方によっては誤解が生じて、トラブルの原因になることも。今回は、間違いが多い「二重敬語」の例をご紹介します。

間違いその1:「謙譲語+させていただく」

×書類を拝見させていただきました
○書類を拝見しました

「拝見する」は「見る」の謙譲語、「いただく」も謙譲語です。2つの謙譲語が入っているため、二重敬語になっています。

間違いその2:「おっしゃられる」

×「~と、○○様がおっしゃられていました」
○「~と、○○様がおっしゃっていました」

「おっしゃる」は「言う」の尊敬語、「~られる」も尊敬語にあたるので、尊敬語が重なり二重敬語になっています。この場合は、「おっしゃる」が正しい敬語です。

間違いその3:「お~になられる」

×「お帰りになられる」
○「お帰りになる」「帰られる」

「お+動詞」の敬語が、「~られる」と重なり二重敬語になっています。どちらかを使えばいいので、「お帰りになる」または「帰られる」が正しい敬語です。

間違いその4:「ご~になられる」

×「ご覧になられる」
○「ご覧になる」「見られる」

「ご覧」は「見る」の尊敬語なので、「~られる」と重なり二重敬語になっています。その3と同じく、「ご覧になる」「見られる」のどちらかを使いましょう。

丁寧な言葉遣いにしようとするあまり、間違って二重敬語になってしまう場面は意外とあります。目上の方に話すときは意識して、正しい敬語を使うよう心がけるといいですね。

文:看護師/カウンセラー 坂口千絵

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