• 2020年12月18日
  • 2022年5月13日

患者さんの異常を見逃さない方法とは

 

1~2年目の新人看護師は、経験が浅いがゆえに、患者さんの異常の発見が遅れてしまう場合があります。 今回は、患者さんの異常を見逃さない方法についてご紹介します。

固定観念にとらわれず、観察を続けること

患者さんの異常の早期発見には主観的・客観的な情報から適切なアセスメントを行うことが重要なのは言うまでもありませんが、経験が浅い場合はアセスメントが不十分となりやすく、異常の発見が遅れてしまう場合があります。

その原因として、看護者側の「固定観念」や「感覚(直観)の無視」などが挙げられます。 よくあるケースが、「前も大丈夫だったから、今回もきっと大丈夫だろう」という根拠のない思い込みを持ってしまうことです。

これらは、過去に「異常の疑いがある患者さんを観察していたが、一過性で特に問題がなく、明らかな原因も不明」といった症例を経験した場合に多く見られます。 しかも、そういったケースは現場で遭遇する頻度が高いため、観察を怠っている間に状態の悪化が見られることがあります。

異常を見逃さない方法として、まずは「前回が大丈夫だからといって、今回も大丈夫であるとは限らない」という意識を持ち、定期的にしっかりと観察を行うことが大切です。 特に新人看護師の場合、「そんなのいちいち報告しなくていいと言われたらどうしよう……」と感じてしまったり、「もう2年目になるのに一人で判断もできないのかと思われたらどうしよう……」と不安に思ってしまったりして自己判断で留める場合が多いのですが、何か起こってからでは「自己判断したこと」そのものを問われる場合も少なくありません。

自分だけで判断せず、先輩看護師や医師に経過報告して情報の共有あるいは相談をすることを怠らないようにしましょう。

感覚(直観)を無視しない

看護にはエビデンスが大事とは言われているものの、実際には根拠のない感覚(直観)が異常の早期発見につながる場合があります。 以前、私がリーダー業務をしていたとき、状態観察のために患者さんの顔を見た瞬間、言いようのない違和感を抱きました。

「何が違うのかよくわからないけど、でも絶対に何かがおかしい」。そう感じた私は医師に「何の根拠もないですが、何かがおかしいんです。脳神経外科を受診して精査してもらえませんか」と伝えたところ、受診の運びとなり、結果として新たな小脳梗塞を発見したという出来事がありました。

もちろん、日常の業務において「なんとなく」「よくわからないけど」という感覚だけでは信憑性に欠ける側面は大きいですが、だからといって完全に無視をするわけにもいきません。 「何かがおかしい」と感じたときはそのままにせず、継続的に注意深く観察をする、上司に相談するなどの対処を検討してください。

日頃から「大丈夫だろう」という考え方が習慣化されると、危機意識が薄れ、異常を見逃しやすくなります。どんな小さな異常でもそのままにせず、日ごろから注意深く観察する意識を持つようにしましょう。

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